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デジタルサイネージは“看板”?

これまでデジタルサイネージについていろいろ話をして来ましたが、一番基本的なところで「看板」とはどう違うの?という素朴な疑問が湧き上がってきました。
「看板」=「サイネージ」とすると、「デジタルサイネージ」=「電子看板」とでも言いましょうか。っていうか前の会社では「電子看板課」とか名前ついてましたw.まあ、いろいろな意味を包含している言葉ですが、その中の一つ(大きめの)は「看板」と言っても良いと思います。

「看板」と言っても、様々な用途がありますよね。「ビルボード」というとロードサイドやビルの屋上などに建てられている大型の広告看板のことですが、駅の中にある案内板とか駅の入口にある“駅名”が書いてあるボードも案内看板です。分かれ道にある矢印と行き先が書いてあるものも看板ですよね。道路標識等も看板の一種でしょう。
しかし、あまり話を広げてもしょうがないのでここでは「広告看板」について話を進めていきたいと思います。

「看板」は主に宣伝のために用いられます。ただ“宣伝”と言ってもこれまた意味が広く、単に店や商品名を連呼して覚えてもらうためか、はたまた呼び込み(集客)を狙っているのか、映画館などで映写のスケジュールを伝えるためなのか、大型ショッピングモールの駐車場の混雑状況を伝えるものかによって、「広告」なのか「情報」なのかが変わってきますね。
ここでは“受け手”の存在が大きくなります。どんな受け手に発信したいのかが明快な場合が多いですね。受け手なしには「看板」は成り立ちません。

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この点は「デジタルサイネージ」でもある程度は“同じ”と言えますが、反面“違う”とも言えるのが面白いところでしょう。そう、つまり「デジタルサイネージ」はその内容をガラッと入れ替えることができるので、受け手を絞り込む必要がない、ということなのです。
一回作って取り付けてしまったらしばらく内容を入れ替えられない「平面看板」と比べ、「電子看板(デジタルサイネージ)」はその時間ごとに流したい情報を流したい受け手に向けて発信できます。これまでの2次元の看板に比べ、「時間」と言う要素が加わった“3次元”の看板と言えるでしょう。この辺りが「進化したメディア」としての面目躍如ですね。

対してこれまでの野立て看板や塔屋看板などの“2次元看板”がすぐにすべて3次元の「電子看板」に取って代わられるかというと、そうとも思えません。電子看板=デジタルサイネージは建設するのが他の看板に比べ数倍大変です。まず「費用」は数倍になりますし、メンテナンスのコストや何より電気代もバカになりません。コンテンツを常に新しくしたい場合はその取得と制作・入替え費用も見ておかねばなりません。まあ、とにかく「作って終わり(実情はそれだけではすまないのですが…)」の2次元看板に比べれば、遥かに人手と費用が必要になります。だから、体力のない媒体社などがおいそれと手を出すものでもありません。ご利用は計画的に…w。
また、売名を狙いたい場合は、表示がコロコロ変わってしまうデジタルサイネージはあまり適していると言えません。「見ればいつもそこにある」という安定感のある広告物ではないからです。街角やロードサイドの小さな商店・食堂などはこれでは辛いと思うので、電子看板があったとしても、通常の2次元看板を選ぶことになるでしょう。
ただし、店の前にその店専用の小型デジタルサイネージを出す、という選択肢は当然ありです!最近は小さめなものだったらかなり安価で手に入るので、考えてみるのも良いかと思います。

さて、今回は「デジタルサイネージは看板か?」っというテーマについて語ってみました。まだまだ全然語り尽くしてないので、またいずれ語ってみたいと思いますが、両者の大まかな特性はわかっていただけたでしょうか?

ではまた!

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