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伊丹十三の映画まとめ

・好きな映画を主観でまとめてみた

伊丹十三監督作品の一部(wikipediaより)
・お葬式(1984年)
・タンポポ(1985年)
・マルサの女(1987年)
・マルサの女2(1988年)
・あげまん(1990年)
・ミンボーの女(1992年)
・大病人(1993年)
・静かな生活(1995年)
・スーパーの女(1996年)
・マルタイの女(1997年)

1.       お葬式
 最初に観た伊丹十三の映画。下品な印象が強烈だった。そのおかげか最近見る映画はお色気シーンがあっても拒否感はあんまなくなった。ただちょっとムズムズするだけ。でもたぶん一人で見てたらとばす。なんでああいうシーンがあるの?正直まだわからない。というかなんで私はそういうシーンが苦手なのか。。画面が肉色になると急に周りの目を想像したり意識してしまって嫌です。
 葬式って今の感覚では要らない要素だらけだから、そこが逆に面白い。正直、この映画でのお葬式も誰のお葬式やったか全然覚えてない。悲しんでるシーンとか要らないレベル。親戚が集まってわいわいいって潮が引くように帰っていく。葬式という面白行事が今後も開催され続けると良いなと思った。

2.       タンポポ
 タンポポ観た後に思い出すのはたんぽぽの笑顔。なんだか演技じゃなく純粋に微笑んでいるような気がしてこちらもあったかくなる。
あんなことあってこんなことあったと思ったらこんなことまである。映画の中で通りすがりにいろんなことを経験しすぎておなか一杯。ラーメン、もも、オムライス、、、うん。お酒も飲みたいね?
 パパが昔はタンポポとか伊丹十三の映画がよくテレビで放映していたって言ってたので驚いた。今の私からするとちょっと羨ましい。若すぎて誰が誰だか分からないけど渡辺謙が出とったらしい。正しいラーメンの食べ方を教えてもらってた人だって。めっちゃ贅沢。

3.       ミンボーの女
 やくざがとにかく怒鳴ってくる映画。こっち(カメラ)を見てやくざが怒鳴ってくる!ヒー助けてくださいな映画。怒鳴られるって嫌な事ですね。ひととおり怒鳴られ終わったら口の中がめっちゃ乾いていた。
 この映画ではやくざは懲役なりたくないから手出ししてこないと書かれてるけど、実際のやくざはやっぱめっちゃ怖いと思う。ワンパターンでもやっぱ怖い。だって危害を加えてくるもん。そんな奴と関わりあいになってはいけません。ほんとに。目を合わさず逃げます。
 あと、最後にロビーのホテルにやってきたやくざ、どう考えてもまともな人間の顔してなかった。あれ本物やろ、、

4.       大病人
 友人が以前死生観に関する映画を観る必要があったからおくりびとを見たんやけど、あの映画、死生観もなんもない。何がおもろいんあの映画。しょーもな。で今回大病人みて、ほんとの死生観を感じた。末期がんでもう死ぬっておじさんが主人公。駄々こね、甘え、医師とケンカ。それがいつのまにか「死ぬのも悪くないって知ってるからね。」って落ち着いた表情に。今日キューブラーロスの動画見たんやけど、死を目前にして人は変わることが出来るんだね。まあ、死を目の前にしたらほんとの自分であらざるを得ないか。うーん。ほんとに〇〇(友人)に観てほしい映画。というか〇〇には分かるんかな。人の心というものが()

5.       スーパーの女
 でっかい地震の日の午前中に観た。能登で地震があったのは2023/01/01元旦のめでたい日だった。16時のあの瞬間、お正月飾りも倒れて、家はつぶれて人もたくさん。。私が車の中で死を覚悟して揺られていたあの時間に(じきに収まったが)たくさんの人の運命が変わった。自分自身に死が迫るなんて、普通は想像もできないよね。。
 スーパー。毎週いくアルビス。カートにかごをのっけてまず野菜をたくさん放り込む。大根、にんじん、じゃがいもがかごの中の土台となって、次にお魚がペラペラと乗ってくる。次は調味料とかもろもろが隅っこにねじ込まれる。そしてお肉。豚小間、鶏むね、ひき肉。たまに角煮用のでっかい豚バラ。最後はおかしあるいはお酒。肉の上に積まれていく。非常にスムーズなお買い物。個性も何もない。なんの面白味もないお買い物。
 でも昔からそうだったわけじゃない。ということで、スーパーの女はとことん消費者目線でスーパーを良く改造していく映画。古いお肉のリパック、汚い店内、立派なお肉を横流しする職人。でも、実はこの映画に登場するどんな人間も「成長力」っていうか生き生きと生きるための力のようなものを持っている。なかなかつかみにくく、失敗してしまう人もいるけど。人間が生きていくというか、お水を与えて蘇ったように明るく働くさまはほんとに美しい。「生きるって、本来こんな素晴らしいことなんだよ皆!」このメッセージは伊丹十三の作品すべてに込められているように思う。
 いろんなことがあったんだろうね。今のアルビス誕生までには。綺麗になったスーパー。必要なものだけが並んだスーパー。お客様の声コーナーがあるスーパー。今日も、おばはんはどこかしら不満を抱えながら買い物し、スーパーは進化し続けるんや。


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