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テレビドラマ初回のみ“ふんわり”レビュー<2023年4月期>

※最後は『日曜の夜ぐらいは…』『弁護士ソドム』、深夜の『サブスク彼女』などいくつか追加してフィニッシュ。
そして最後に今クールの簡単な総評を。

『ブラッシュアップライフ』 『罠の戦争』 『今夜すきやきだよ』 『三千円の使い方』 『リエゾン-こどものこころ診療所-』などなど非常に面白い作品が多くて豊作だった冬ドラマ。
その勢いもあってかテレビドラマ全体としてはプライム帯で週間15本から16本(テレ朝の日曜22時が追加)、深夜ドラマに関しては15本から21本と大量追加!
個別でも福山雅治大泉洋タッグによる日曜劇場木村拓哉月9凱旋、名作が続くカンテレ月10枠天海祐希が初登場などなど始まる前から期待が高まります!
ということで今クールもゆるーく個人的視点で1話だけレビュー。
軽い気持ちお付き合いいただければ。

星の評価は
<★★★>次回楽しみ!
<★★☆>次回も観る!
<★☆☆>次回もまー観るかも!
<☆☆☆>次回以降もう観ない!
くらいの感じです。
ほぼ直接的なネタバレはないと思うのですが…いや今回はかなり内容に突っ込んでいるレビューもある気がする。
未見の方お気をつけください!

※ちなみにTVerで観ているのでTVerにはないNHKやWOWOWプライム等のドラマは除外してます。
リンク先のTVer等は期限切れで見れなくなっている可能性もありますのでご了承ください。

【月曜日】

<★☆☆>『合理的にあり得ない 探偵・上水流涼子の解明』
直木賞作家・柚月裕子による同名小説が原作で、『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』根本ノンジが脚本、後妻業』光野道夫がメイン演出の痛快エンターテインメント。
『エルピス-希望、あるいは災い-』 『罠の戦争』と確実にカンテレ月10枠のブランド力が高まってきた所で、撃沈の一作。
そもそもこの枠の成功例はスタートの『アバランチ』をはじめ、オリジナル脚本で既得権益(警察やテレビ局や政界)と主人公が悩み苦しみながらも戦っていくストーリーが共通していたはず。
しかし今回はその他の平凡な作品と同じく小説が原作で、1話完結の普通のドラマと同じ印象。それならテレ朝でいいじゃん。(失礼)
脚本はコメディ調で軽いのに、演出は昭和感が強い大仰に感じて非常にミスマッチ。
「合理的にあり得ない」というタイトルとは裏腹に合理的・論理的に謎を解いていく描写も希薄。
天海祐希松下洸平というメインキャストの力以外には特に見るべき所はなし。
確かにオリジナルで既得権益と戦うような膨大な調査を必要とする企画を準備するのは大変で、連ドラで毎クールやるのは不可能に近いとは思う。
まー今期は一旦お休みという事で次クールに期待。


<★☆☆>『風間公親-教場0-』
長岡弘樹による小説『教場』シリーズが原作、以前2回のSPドラマから連ドラ月9枠に。
『踊る大捜査線』シリーズ君塚良一が脚本、『Dr.コトー診療所』シリーズ中江功が演出、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ佐藤直紀が音楽とレジェンドスタッフがSP版より続投して盤石の布陣の挑む。
SP版の警察学校から舞台を犯罪捜査に移して基本1話完結にした事でだいぶ見やすくなった。
多分SP版観てなくても大丈夫。
キムタクの相棒役も赤楚衛二新垣結衣白石麻衣染谷将太と豪華。
だが雰囲気的におそらく相棒が2,3話で交代していくシステムかと。1話も赤楚くんしか出ていないので。
コメディ的な要素が皆無なので、リアリティ勝負になるがそこが弱い。
まず捜査本部が一切機能していない模様。
ほぼ全て捜査員ではない指導官(技能指導官の事?)の腕にかかっている。
刑事ドラマにしてはトリックも緩い。
そして赤楚くんの新人刑事がアホすぎて厳しい。
犯人役の市原隼人が体力が無さすぎて警察学校を卒業できなかったというのはギャグだったのだろうか…
ここまでギャグ要素満載だと流石にコメディ要素入れた方が良いと思う。
君塚さんもそっち系統の方が得意なのでは?
あとは感動系に持っていくという一縷の望みにかけるしかないか…


<★★★>『かしましめし』
おかざき真里による同名コミックスが原作で、映画『そばかす』玉田真也がメイン脚本、WOWOW『フェンス』松本佳奈と映画『君が世界のはじまり』ふくだももこが演出のグルメドラマ。
秋元康から解放されたテレ東ドラマプレミア23枠はテレ東お得意のグルメドラマ。
個人的に好きなクリエイターが集結している事もあり非常に好きな世界観。
スタートで塩野瑛久の関西弁に「ん?」とは思ったものの、全体を通して主演3人の軽快な会話劇と美味しそうな料理に大満足。
成海璃子のキャラクター造形が素晴らしい!
ただそれだけではなく30歳間近の男女3人がそれぞれの壁と格闘して傷ついて、そして再生していくという物語に既に涙が。
音楽もKIRINJIkojikoji、劇中に本物の浪漫革命とセンス爆発。
本当にこういう優しい物語で世の中が溢れたらいいのになー、となんだか個人的好みが過ぎる形になってしまった。
最後に「1人だと栄養あるもの食べるの違う気がして」は最高のパンチライン。


【火曜日】

<★★★>『unknown』
『おっさんずラブ』シリーズの脚本・徳尾浩司、演出・瑠東東一郎、音楽・河野伸、プロデューサー・貴島彩理、そして主演・田中圭が再集結したオリジナルのラブサスペンス。
復活してから迷走を続けるテレ朝火曜9時枠ですが、今期は本当にオリジナルが少なくてそれだけでテンションが少しあがる。
田中圭と高畑充希の作る空間がとにかく素晴らしくて、ラストの2人だけの家でのシーンとかこの2 人だから出せるあの空気感。
そんな中でも吉田鋼太郎小手伸也を中心としたコメディや連続殺人犯を追うサスペンス要素の塩梅が絶妙。
出てくると大体何かある酒向芳も気になる…
そしてこれは吸血鬼としての存在に悩む主人公の姿は多分私たち誰しもに当てはまる。
差別や偏見との戦いと「普通ってなんだろう?」という人生の問い。
これはやはりおっさんずラブの製作陣だからこそのテーマ。
今後の展開でしっかりそこも抑えつつ、ドキドキワクワクを持続できれば今クールNo1の称号がきっとついてくるはず!


<★★☆>『王様に捧ぐ薬指』
わたなべ志穂による同名コミックスが原作、PICU 小児集中治療室倉光泰子がメイン脚本、『妻、小学生になる。』坪井敏雄がメイン演出のシンデレラストーリー。
TBS火曜9時の女性主人公ラブストーリー枠
正直ここまでで一番評価が難しい作品だった。
簡単に言うと、今まで作られたあらゆるラブコメをミキサーにかけて出されたようなお話です。
60分間既視感しかないのは逆にすごい…
でもなんかラブコメってこれでいいような気もするんですよ。
ベタで王道でいいというか、難しいことはあまりしなくていいというか。
だってコメディなんだから笑えて、ラブストーリーなんだからキュンキュンできたらそれでいいじゃない。
コメディ要素とキュン要素が若干足りない初回だった気はしたけど、ダブル三角関係(四角)も含めて今後に期待。
なんといってもラブコメの貴公子・山田涼介(Hey! Say! JUMP)だから。
最近主演ドラマや映画で数字を持ってないと揶揄されがちなので、挽回なるか!
そしてやたらジャニーズのバーターが多いのは気になるけど…


<★☆☆>『クライムファミリー』
フジテレビで昨年開設された火曜ACTION!枠、脚本がフジテレビヤングシナリオ大賞の伊藤優&北浦勝大、演出が『競争の番人』相沢秀幸のブラックコメディー。
全4話。
30分×全4話だからか物語の駆け足感が強い。
キャストに関しても特筆するほどの登場時間なし。
ただ本郷奏多はあんまり詐欺師には見えない…
コメディだからある程度のリアリティの無さには目を瞑るけど問題はあまり笑えない点。
盗みに入った家が激ヤバだったという設定は面白いのだけど…
家族の話みたいな感動系に持っていきたいならもう少しリアリティがないと厳しいかな。
ただ続きは若干気になる。


<★★☆>『私がヒモを飼うなんて』
本山久美子美園による同名コミックスが原作で、『マイファミリー』飯田和孝の製作、『階段下のゴッホ』小牧桜がメイン演出のラブストーリー。
元々TBS マンガボックスが共同で制作した作品らしい。
冒頭から「ランジェリーは誰かのためではなく自分のために着るもの」というパンチライン発動。
全く自分が無く流され続けて、誰かの傘に入り続ける主人公の一念発起物語。(たぶん)
井桁弘恵はこんな自己肯定感低めの役って似合わないなー。絶対そんなわけないというか…
ランジェリー業界という女性の総本山のような場所で奮闘して本当の自分を見つけていくであろう物語に、果たして“ヒモ”や“四角関係”要素が必要なのか疑問。しかも30分枠で…
ただ展開が気になるのは確かなので成否は今後の出来次第。


【水曜日】

<★★☆>『それってパクリじゃないですか?』
奥乃桜子による小説『それってパクリじゃないですか? 〜新米知的財産部員のお仕事〜』が原作、『愛しい嘘〜優しい闇〜』丑尾健太郎がメイン脚本、『リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』中島悟がメイン演出を務める知的財産エンタメドラマ。
いわゆる日テレ水曜ドラマの女性のお仕事奮闘枠
ただ今クールは同時間帯のフジテレビも迷走していた枠に波瑠を迎えて女性のお仕事モノに変更、真っ向勝負に。
興味深いのがドラマ好きはお気づきだと思うが今作のメイン脚本・演出は近々で波瑠主演作を担当していた2人。これは面白い対決になりそう。
内容的には弁理士(知的財産権の専門家)というあまりこれまで映像化される事のなかったテーマで、ドラマをよく観る人ほど新鮮で楽しいと思う。
専門的でわかりづら過ぎるラインと一般人は知らないけどなんか興味あるかもラインの塩梅も絶妙。
主演の芳根京子もこういう自己肯定感は低いが芯は曲げない役が上手い。
ちょこちょこ「ん?」というシーンはあれど1話目はなかなか良くまとまってた。
ただ1話目の話をフリにして2話目以降は新しい部署での新しい物語になるようなので、そこはどーなるか一抹の不安あり。
しかし序盤で重岡大毅(ジャニーズWEST)が言ってた「いくらあなたが組織を大事にしても、組織はあなたを大事にはしてくれない」は真理ですよねー。
あと定期でお仕事系は下手に恋愛要素入れたら終わります。


<☆☆☆>『わたしのお嫁くん』
柴なつみの同名コミックスが原作、『恋に無駄口』橋下夏が脚本、彼女はキレイだった紙谷楓がメイン演出を務める社会派ラブコメ。
「ヒーロー枠だ」と豪語して復活させたが爆死しまくっていたフジテレビの水10枠が、1年で方向転換して日テレとガチンコ勝負に。
まず初めに波瑠の役に既視感しかない。
波瑠はずっとこの感じの役をやり続けていくのだろうか…ある意味で凄いけど…
そして内容的には色々怖かった。
仕事バリバリできるけど家事が全くできない女性主人公という事で前クールの神ドラマ『今夜すきやきだよ』が思い浮かぶが、あれは家事をしてくれるのも一緒に住むのも同級生の同性だった。
今回の勝手に異性の先輩の部屋に来てグイグイ中に入ろうとする後輩(高杉真宙)とか。
「酔っ払うと自分のやりたいようにやるクセがあるんですよ」とかヤバすぎるでしょ。
なんか夜に自分の部屋に掃除しに来てもらったり、自分の家で高杉くんにご飯作らせといて連絡もせずに会食に行く波瑠もヤバイし。
モラルの崩壊した世界すぎて、それで恋に落ちるとかさすがに…
あとコメディ部分が古典的すぎて全然面白くないのも厳しい。
ラストのクソ社長・井上順との対決もあんなクソがそんな簡単に心変わりするわけない。
仕事の契約は取れなくても大切なことがあるとか落とし所はそっちだったのでは?
全てがご都合主義すぎてお仕事モノとしても…
全体的に2023年に作られたとは思えない内容だった。
ただ視聴率もTVer登録数もそこそこ高いという…


<★★☆>『隣の男はよく食べる』
美波はるこによる同名コミックスが原作、『部長と社畜の恋はもどかしい』川﨑いづみがメイン脚本、マカロニえんぴつSaucy DogのMV監督を務める井樫彩がメイン演出を務めるラブストーリー。
ドラマParavi枠Paraviで先行配信しているだけで地上波でもTVerでも観れます)
倉科カナ菊池風磨(Sexy Zone)って深夜にしてはめちゃ豪華なキャスティング。Paraviの力か…
だが倉科カナのモテない設定には無理があるような…
ただ同じ木曜深夜に放送している『ショジョ恋。』と同じようなフレームなんだけど、こちらの方が断然面白い。
たぶん主演の力量差と深夜30分恋愛ドラマに求めれれている事をこちらは良く理解している事が大きい。
オレオレ系の菊池風磨とか。
急にバックハグしてくる感じとか。
そしてエンドロールでかかるリーガルリリー。良い!
深夜のラブストーリーはこうじゃないと!


<☆☆☆>『ショジョ恋。』
山科ティナによるコミックス『ショジョ恋。-処女のしょう子さん-』が原作、ABEMA『1ページの恋』山下すばるがメイン脚本のラブストーリー。
FODにて既に配信済みで今クールにフジテレビで地上波版として放送。
FOD版ではもう少し攻めた展開などがあるかもしれないが、とりあえず地上波版では何もない感じないドラマ。
まずそもそも松村沙友理がデキる女に全く見えない。
女性の自己肯定の物語をやりたいのはわかるけど何も伝わらない。
ひとり語りが多いのもうるさくて、コミックス原作のマイナス部分が顕著に表れている。
展開が遅すぎて1話では次を観たいと思わない。
このご時世を無視して言うなら「いやまじでこの顔面どもが恋愛下手とかふざけすぎだろ」
そして謎のAMEMIYA
めちゃくちゃコメディに振り切っていないと成立しない、これは…
同じようなフレームで作られている上記『隣の男はよく食べる』と見比べるとダメさがよくわかる。


<★☆☆>『特捜9 season6』
続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
前身の『警視庁捜査一課9係』シリーズから数えると18シーズン目に突入。
多分『科捜研の女』 『相棒』に次ぐ長期シリーズ。単純に凄い。
前シーズンで周囲との不和が噂され、ほぼゲスト扱いだった津田寛治は別部署で相関図には載っているがオープニング映像には不在で準レギュラー扱い。
同じく山田裕貴向井康二(Snow Man)もおそらく準レギュラー扱いに。
山田裕貴は別局別ドラマ(『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』)で主演をしているので必然かな。
そもそもテレ朝のこの手のドラマは、海外の群像劇ドラマのように全話に全メインキャストが出演しないというシステムを最近取ってるからあまり問題ないかも。
内容は今までより少し暗いトーンに。
なぜか最近のテレ朝刑事ドラマはこの流れがある。
井ノ原社長(主任)の手腕に注目!


<☆☆☆>『俺の美女化が止まらない!?』
愛染マナによる同名コミックスが原作、映画『ハケンアニメ』政池洋佑 がメイン脚本、『liar』熊坂出がメイン演出を務める青春群像劇。
女装というのは性的指向や宗教的理由など多岐に渡る非常に繊細な表現であり、これをエンタメ化(ドラマ化)するという事は同性愛無性愛を描くよりも難しいと個人的に思う。
家賃を大幅に割引く代わりに女装カフェで働かされる主人公という内容なんだけど、かなり無理矢理やらされている印象が強くあまり良い気持ちはしない。
みんなが輝いて見えるのはわかったけど、それと自分がやりたい(もしくは無理にやらされる)のは全く別問題だと思う。
もっと主人公が自ら積極的に女装をしたいと思う動機付けが必要だった。
今後おそらくそういう展開になるのだろうけど、1話だけだと今後も見続けたいとは思えなかった。
あと最近ちょいちょい見るCGでほっぺた赤くする演出、あれなに?


【木曜日】

<★☆☆>『あなたがしてくれなくても』
ハルノ晴の同名コミックスが原作で、『昼顔』シリーズの演出・西谷弘、音楽・菅野祐悟、プロデュース・三竿玲子が再集結した恋愛ドラマ。
昼顔と同じく不倫モノなんだけど、大きな違いは脚本が井上由美子ではなくなった事。
これは大きな差だった気がする…
まず売れっ子音楽監督の菅野祐悟にしては音楽が物語と全然合っていない。
昔のトレンディドラマみたいな。
そしてダメ夫の永山瑛太にも、ちょいちょいアウトな発言をする奈緒にも、遠くから奈緒を覗き見する岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)にも全然感情移入できない。
価値観のすれ違いの物語にしたいのはわかるけど、個人的には不倫モノはもっとドロドロの無茶苦茶やる方向が好み。
だってフィクションにおける不倫なんてコメディなんだから…
まぁここら辺は好みの分かれる所でしょうか。
そういえば某大手広告代理店の残業が社会問題なってた頃に、友人が一旦帰ったふりしてみんな後から戻って仕事してるって言ってたなぁ。


<★★★>『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』
続編モノだが2シーズン目でだいぶキャストも入れ変わっているのでおそらく前シーズンを観ていなくても大丈夫。
『HERO』シリーズ  『ガリレオ』シリーズのヒットメーカー福田靖が脚本、『TWO WEEKS』本橋圭太が演出と全シーズンから続投。
ただ色々とあったダブル主演の1人東出昌大と、売れて日曜劇場に鞍替えした今田美桜は降板。
元々、刑事サイドと検事サイドを交互に描いていたのだが桐谷健太の単独主演になったためどうしても検事サイドが弱い。
しかしそれを穴埋めするために今回は判事サイドを追加して吉瀬美智子を投入。
そして続投・新加入含め古田新太本多力奥貫薫など脇の安定感が凄い。
その中でも新しく検事役で加入した北村有起哉が圧巻の演技!
警察/検察/裁判所の関係性をフィクションも交えつつ、コメディタッチで軽快に描いているのも良い。
主演・桐谷健太のとにかく熱い猪突猛進キャラはもちろんベストマッチ。
東出(真島検事)イジりも再三使われていて、ゲスト出演くらいはあるのかも。
何はともあれ1時間の1話完結で最大限に楽しめる仕上がり!


<★★☆>『勝利の法廷式』
『特捜9』シリーズ『消えた初恋』神田エミイ亜希子がプロデュース、『NICE FLIGHT!』宝来忠昭がメイン演出のオリジナルリーガルミステリー。
日テレのチャレンジ枠木曜ドラマは今クール非常に少ないオリジナル作品。
過去の裁判で傷を負った弁護士が謎の脚本家の脚本通りに法廷で演じて裁判に勝利するという、なかなか無茶苦茶な設定。
ただこのくらい荒唐無稽な方がフィクションとして楽しめるかも。
あとは最近脇役が多い志田未来&風間俊介が円熟味を増して主役に帰ってきた感があり、非常に安定している。
やはりメインが魅力的だとそれだけでだいぶ違いますね。
ただ終盤での志田未来が自分を乗り越えるようなシーンがあったけど、そこに至る道筋がよくわからなかった。
というかまだ初回だしもう少し乗り越えられなかった方が良かったのでは?
でもそれだと風間俊介とのチームアップに繋がらないから…難しい。
風間俊介の本当の狙いや可愛い可愛い髙橋優斗(HiHi Jets)も含め、今後に期待。


<★★☆>『墜落JKと廃人教師』
soraの同名コミックスが原作で、映画『キラメイジャーVSリュウソウジャー』下亜友美がメイン脚本、WOWOWのSPドラマ『あんのリリック -桜木杏、俳句はじめてみました』文晟豪がメイン演出を務めるラブストーリー。
1話目はラブストーリーというより会話劇コメディみたいな感じ。
ほとんど2人芝居でずっと喋り続けているのだけどJK・落合扇言役の高石あかりがとにかく良い。
『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの時から素晴らしかったけど、負の感情を具現化するような役は本当に当たり役。
撮影も良くて、会話劇だとただただ2人を映すだけの単調な画角になってしまいがちだけど、そこは高架上で2人の足&下の電車のカットなど面白い。
今後、他の登場人物が(おそらく)出てくる中でどんな風に物語が展開していくのか期待。
今期の下亜友美のメイン脚本はどちらも素晴らしい!


<★★★>『僕らの食卓』
三田織の同名コミックスが原作で、上記『墜落JKと廃人教師』の下亜友美が同じくメイン脚本、『北欧こじらせ日記』石橋夕帆が演出を務めるラブストーリー。
BS-TBSの木曜ドラマ23枠は最近トレンドの同性2人主人公によるお料理系ドラマ。
やはりこのタイプのドラマはいわゆる“飯テロ”と言われる「夜なのにそんな美味しそうなもの映すなよ」と思わせる料理の画力が鍵。
今作が大事な初回に持ってきたのが超巨大な山賊おにぎり
ただこの何の変哲もないおにぎりがめちゃくちゃ美味しそう。
しかもそれに付随するストーリーも素晴らしい。
めちゃくちゃ優しい物語。ちょっと泣きそうになりました。
しかもこれBLに発展していくんですよね。
前クールの神ドラマ『今夜すきやきだよ』ちなみにただいまBSテレ東で再放送中でTVerにもあるので観ていない方はぜひ)の再来となるか!
注目!
全然関係ないけど、料理しないやつが土鍋で米なんか炊くかよと思っていたら意外といるらしいですね。料理しないからせめてお米ぐらいは…みたいな。


【金曜日】

<★★☆>『弁護士ソドム』
『Sister』泉澤陽子がメイン脚本、アマプラドラマ『Game Of Spy』
及川拓郎がメイン演出のオリジナルクライムサスペンス。
どちらかというとテレ朝のシリーズモノのようなドラマをたくさん作っていたテレ東の金曜8時のドラマ枠をドラマ8とリニューアルして『駐在刑事』 『警視庁強行犯係 樋口顕』シリーズの濱谷晃一『来世ではちゃんとします』シリーズの祖父江里奈『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』本間かなみとプロデューサー陣を見てもテレ東の本気度が伝わる。
そして初回から2時間SP!
内容的にはかなり『クロサギ』
実は悪い奴が反転していったり、変装の達人&ハッカーとのチームアップなどなど王道展開で先が読めるの確かにある。
でもその王道が気持ち良いくらいきちんと整理されて作られている。
特にでんでん光石研勝村政信池田成志などなど脇がとにかく安定していてしっかり腰を据えて観れるのが良い。
特殊メイクなど映画並のクオリティにもこだわっていて120分飽きる事なく楽しめた。
今後に期待!


<☆☆☆>『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』
『恋はつづくよどこまでも』の脚本・金子ありさ、演出・田中健太、プロデュース・宮﨑真佐子が再集結したオリジナルのヒューマンエンターテインメント。
まぁ要は『漂流教室』の電車版でこれをオリジナルと呼んでいいのかは甚だ疑問ではある。
まず赤楚衛二の正義感前面に押し出したキャラクターにドン引き。
自分の信じるモノを貫きのはいいけど、山田裕貴の言葉をガン無視して真反対の事を叫び出したりとにかく自己中。
それに追随する上白石萌歌も厳しい。
久しぶりにドラマを見ていてこんなにイライラしたかも。
そしてこの赤楚軍団が走るの速すぎ。すぐに追いつく。
元々好意がある萌歌ちゃんは別として、その他のついさっきあった人々に簡単に赤の他人である赤楚くんの言葉が響くとは思えない。
生死に関することならなおさら。
SFやファンタジーは設定とかシステム自体は当然リアリティなんてあるわけないから良いのだけど、その分人間の感情に関してはリアリティがないとダメ。
これが欠けているのは物語として致命的だと思う。
古川琴音杉本哲太松雪泰子など脇が豪華で固いだけに非常に残念。
なぜか最後に出てきた「つくばエクスプレスは安全運行に万全を期しています」というテロップが一番印象に残っている…


<★★★>『波よ聞いてくれ』
沙村広明の同名コミックスが原作で、『プロミス・シンデレラ古家和尚が脚本、『架空OL日記』住田崇がメイン演出のメディアミックスコメディ。
まず初めに私は原作ファンです。
細部に関してかなり細かく忠実に再現されている。
お話自体は時系列いじってますが。
もう何よりあの喋りに喋りまくる主人公の再現度がかなり高い!
小芝風花おそるべし。
原菜乃華小市慢太郎西村瑞樹(バイきんぐ)稲葉友あたりの脇の再現度もめちゃくちゃ高い。
元々『無限の住人』などで登場人物を殺しまくっていた原作者が「今度こそ人を殺さない作品を書く」と決意して始めた今作で、初回にあの元カレを殺す(?)お話を持ってくるとはなかなかシャレが効いている。
バカリズム作品や東京03の舞台などで演出を手掛ける住田崇のコメディ描写もさすがの面白さ。
これから先もあのとんでもないラジオの数々が見れるかと思うと、非常に期待大。
小芝風花の代表作になりそうな予感。


<★☆☆>『シガテラ』
古谷実による伝説的な同名コミックスが原作で、上記『俺の美女化が止まらない!?』政池洋佑が同じくメイン脚本、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』林雅貴が演出を務める青春サスペンス。
まず初めの感想は「やはり古谷実の世界を実写化する事は不可能だな」
過去の映画でも感じていたけど。
古谷実のあの世界観はコミックスとかアニメという圧倒的な非日常の中でこそ輝くのだと思う。
あのデフォルメされた世界がさも当たり前かのごとく実写で普通の人間がやっていると違和感しかない。
同じく、独り言や心の声のナレーションが多すぎるのも気になる。
読んでいる時は気にならなかった主人公・荻野(醍醐虎汰朗)にもイライラしかない。あんなの実際にいたら厳しすぎる。
まーストーリー自体は面白いから今後に期待。
あとこのドラマだけじゃないけど、最近のドラマ(特に深夜)は陰キャの主人公ばっかなのに演じる側の俳優が明らかに陽キャが多すぎる。需要と供給があってない…


<★☆☆>『夫婦が壊れるとき』
イギリスのBBCで放送された『女医フォスター 夫の情事、私の決断』のリメイクドラマ。
『ケイ×ヤク〜あぶない相棒』鹿目けい子がメイン脚本、『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』大塚恭司がメイン演出を務める不倫モノ復讐劇。
オリジナルも韓国版リメイクも未見なんだけど、なんかめちゃくちゃ告知の時点から気合いが入っていた割にはよくある深夜の不倫ドラマと特に大差なかった。
あともーこれは好みなんだけどこういうドロドロノ愛憎劇みたいなドラマってめちゃくちゃやって欲しくて、「いやそんなわけないじゃん!」て笑えるくらいのコメディにして欲しいのだよな。昔の昼ドラみたいな。
そーじゃないとフィクションとはいえなんか引いちゃう私がいる…
あとは夫役の吉沢悠がすぐにバレるようなしょうもない嘘ばっかついてるのも気になった…
今後の復讐に移行してからが見所なんだろうけど、他に面白いドラマが多かったら離脱しそう。


【土曜日】

<★☆☆>『月読くんの禁断お夜食』
アサダニッキの同名コミックスが原作で、『忍者に結婚は難しい』松田裕子が脚本、リエゾン-こどものこころ診療所-』Yuki Saitoがメイン演出を務めるグルメラブコメ。
とにかく深夜ドラマでグルメ系ドラマが乱立しているが、今作はラブコメ要素をプラス。
これが絶妙に良くない。
『となりのお嫁くん』でもそうだったけど、こんなに簡単に知らない人たちを家に入れるもんなんですか?
そりゃコミックスとかアニメなら良いですよ。
でもそういう細い要素を実写化する時にそのままやったらそれはやはり違和感がある。
原作の良さを損なわずにそこをしっかり修正する事こそが脚本家の力だと思うけど…
ただ出てきた料理の画力はかなり強くて少し真似してみたくなった。
今後は“禁断お夜食”という要素を前面に押し出していくと面白いかも。
ラブの方向に持っていたったらたぶんダメ。


<★☆☆>『Dr.チョコレート』
秋元康が原案/企画、『未満警察 ミッドナイトランナー』渡辺雄介が脚本、真犯人フラグ佐久間紀佳がメイン演出のオリジナルドクターエンターテインメント。
坂口健太郎が2クール連続で日テレで主演をするという謎の告知がされた1クール目の作品。
医療モノドラマというのは日々わけがわからなくなっている…
10年前くらいに放送していたら楽しめたかもしれない。
医療モノあるあるのオペスタッフが足りないという事はなく、しっかり集結しているのは良い。
ただオペ中に「黒幕が…」とか、手術してくれと説得したりとにかくのんびりしている。
そして医療モノだけに子役の白山乃愛の滑舌の悪さが非常に厳しい。
ラストの展開から今後に期待できそうな気はするけど、秋元原案だからこれは最後にガッカリするパターンではないかと…
西野七瀬がいるのも…
そんなに何度も騙されるほど視聴者は甘くはない。


<☆☆☆>『婚活食堂』
山口恵以子の同名小説が原作で、咲-Saki-』シリーズ小沼雄一がメイン脚本&メイン演出務めるグルメドラマ。
たまに大当たりのあるBSテレ東の真夜中ドラマ枠なのでちょっとだけ期待していたのだが、実はこの枠はBS テレ東とテレビ大阪が交互に製作していて当たりはテレビ大阪製作の時だった事に後から気づく。(今回はBSテレ東製作)
原作未読のためか話が全然よくわからなかった。
謎のスーパーパワーを持つ菊池桃子が婚活に悩む店の常連を救っていくという…
食堂と言いつつほぼおでん居酒屋だし。
おでんがあんまり好きじゃないからあんまり感情移入できないのかな。
全体的にBSだしかなりターゲット年齢高めのイメージ。
明らかに自分はターゲットではないと思うのでレビューしようか迷ったのですが一応…たぶん楽しめる層の方々もいると思います!


【日曜日】

<★★★>『日曜の夜ぐらいは…』
『にじいろカルテ』 『ファイトソング』など良質なオリジナル作品を作り続ける岡田惠和のオリジナル脚本、映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』新城毅彦がメイン演出を務める女性の友情物語。
なぜか日曜にドラマを作りまくっているABCテレビ(テレ朝系)の新設枠。
岡田惠和の脚本は楽しみだが“胸キュン三銃士”と異名を持つ新城毅彦の演出に不安を覚えたが、素晴らしかった。
何よりまずメイン3人の会話劇が良い。
清野菜名岸井ゆきのは当然なんだけど、めるるがなかなかに良い。
『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』の時もそうだったけどこの人は暗い役が良く似合う。
和久井映見岡山天音宮本信子という脇も素晴らしい。
ラジオがきっかけというのもバスツアーというのも素敵だし、何よりミステリーとかサスペンスではないこの内容で続きが気になるというのが凄い。
日曜の夜には少し重い内容だけど、それを差し引いても本当に見るべきドラマ。
『unknown』がベストだなーと思っていたら最後にまくってきたなー。
方向性は違うけどこの2作品はマストチェック。


<★★☆>『サブスク彼女』
山本中学の同名コミックスが原作で、映画『向こうの家』川原杏奈が脚本、映画『あなたと私の2人だけの世界』小村昌士がメイン演出を務めるラブストーリー。
前クールの『アカイリンゴ』から続けて、日曜にドラマをやりたがるテレビ局ことABC テレビ×最近資金を投入しているDMM TVの共同制作。
まず物語の根本の考え方として提示される、
“CD・レコード”→人に所有されている=不便だけど大事にされている
音楽ストリーミング”→人に所有されていない=便利だが大事にされていない
が非常に興味深い。
しかし現代のティーンにこの発想が理解できるのか…
そもそもテレビを見ないティーンなんてターゲットじゃないか。
相変わらず日本ドラマ特有の独り言による説明台詞が多用されているのは気になるが、紺野彩夏のちょっと一歩引いた目線の役も望月歩の平凡なお調子者の役もマッチしていて良い。
しかしなんとも悲しい話にしか展開していかなさそう…
人間の倫理観を問う物語なのかな。
ただせっかくDMM TVと一緒に作るのだからもう少しコンプラ的に攻めた内容でもよかったかも…
まー結局地上波でも流れているし、今をときめくnon-noモデルの紺野彩夏主演だから難しいかもしれないけど。


<★★★>『ラストマン-全盲の捜査官-』
『マイファミリー』黒岩勉が脚本、映画『罪の声』土井裕泰がメイン演出、同じく『罪の声』の山本英夫が撮影を務めるオリジナルバディサスペンスドラマ。
福山雅治が全盲の役の為、ダイアログ・イン・ザ・ダークが全盲所作指導を担当。
目元を隠さずに演技しているのでこれは大変だろうなー。
オリジナルなので視覚障害者である意味が無いとなーと思いながら見ていたのだけど、現代での障害者の生き方というかノーマライゼーションと事件捜査を上手くミックスした内容になっていた。今後もここら辺の要素はテーマになってきそう。
ミステリー、サスペンス要素としてもほぼ穴のない内容。
さすがヒット作を量産する黒岩勉脚本!
福山&大泉洋はプライベートでも仲が良いという事でさすがの息の合ったバディ感。
今田美桜はこんなに良い役ならさすがにテレ朝から鞍替えしますよねー。
そして宮沢氷魚筒井真理子の熱演が凄すぎた。ゲストなのに。
今後に繋がっていく縦軸になりそうな伏線もあり、福山の演技がワンパターン論争は差し引いても全体として非常に良くできた秀作でした。


<☆☆☆>『だが、情熱はある』
南海キャンディーズ・山里亮太オードリー・若林正恭の半生を元に、ZIP!内ドラマ『泳げ!ニシキゴイ』今井太郎が脚本、祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録狩山俊輔がメイン演出を務める青春サバイバル。
まず初めに私は山里&若林の著書も全て読み、2人のユニット『たりない2人』も全て見ているガチ勢です。
世の中では「誰が2人の半生を見たいんだ」と言われているみたいですが、私は全くの逆です。
2人の半生は見たいがこのキャストでは見たくなかった。
少し痛いやつが書いてる思ってこれ以下は目を通してください。
まず2人とも全然違うのに妙に寄せようとしてるのが気持ち悪い。
「トゥース」の説明はちゃんとしないのに(※アメフト部時代にみんなが使っていた掛け声。)高2の若林を誰も「ジャリ」と読んでいない(※中高一貫で中学の頃からほぼ全ての人に“ジャリ“というあだ名で呼ばれていた。春日と親友の谷口は“キポさん”に途中で変更。)という中途半端さがイヤ。
そして主題歌は絶対にCreepyNuts『たりないふたり』であるべき。
まだまだあるんですけど私情すぎるのでこの辺に…
まー要はファンじゃない人からは興味がないと思われ、ファンからはちょっと違うんだよなーと思われてしまうようなどっちつかずな方向になってしまっている。
ちゃんとドラマ的な話をすると、2人の出来事が交互にとにかく同じテンションでただ羅列されていくので長時間観ているのがきつい。
物語の濃淡、押し引き、アゲサゲがラストシーンまで無さすぎる。
スタートからの大部分をナレーションベースで解説していくのもやりすぎ感はある。ラジオドラマじゃないんだから。それは解説放送版でいいじゃない。
本当の天才2人を描くこと自体に無理があったか…
ラジオでも聴こ。


ランキング形式まとめ

<★★★>
『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』『unknown』『ラストマン-全盲の捜査官-』『日曜の夜ぐらいは…』

『僕らの食卓』『かしましめし』『波よ聞いてくれ』

<★★☆>
『それってパクリじゃないですか?』『王様に捧ぐ薬指』『弁護士ソドム』

『私がヒモを飼うなんて』『墜落JKと廃人教師』『隣の男はよく食べる』『勝利の法廷式』『サブスク彼女』

<★☆☆>
『特捜9 season6』『風間公親-教場0-』『あなたがしてくれなくても』『合理的にあり得ない 探偵・上水流涼子の解明』『Dr.チョコレート』
『シガテラ』『夫婦が壊れるとき』『クライムファミリー』『月読くんの禁断お夜食』

<☆☆☆>『だが、情熱はある』『わたしのお嫁くん』『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』
『ショジョ恋。』『俺の美女化が止まらない!?』『婚活食堂』

ふんわり総評

今期の1話を観ただけの個人的オススメは『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』『unknown』『ラストマン-全盲の捜査官-』『日曜の夜ぐらいは…』
『僕らの食卓』『かしましめし』『波よ聞いてくれ』の7本です!

『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』はマンネリ化しつつある1話完結の刑事モノの中でかなり上手く作られている。前作から観てなくてもわかるが、観ているとさらに楽しめるような作りもお見事。
『unknown』はラブストーリーやコメディ、サスペンスというような多彩な要素の中にもしっかり真ん中に一つのテーマを据える。ここはチームおっさんずラブの信念を感じる。高畑充希&田中圭の魅力的なコンビにも注目。
『ラストマン-全盲の捜査官-』は“Mr.日曜劇場”黒岩勉の脚本が光る総合力の高いサスペンス。ゲストの名演もあり非常に濃密な物語となっているので、アンチ福山でなければ一見の価値あり。
『日曜の夜ぐらいは…』はどこにでもいる女性3人の友情と人生の物語。岡田惠和は少しハンデを抱えながらそれでも強く生きていく人々を描かせたら天下一品なので今後が本当に楽しみ。しかし清野菜名ってかっこいいなぁ。
『僕らの食卓』は最近特に深夜ドラマで乱立するグルメドラマにBL要素をプラスした優しい物語。好きな人々とご飯を食べるって本当に素晴らしい事だと思い出させてくれる。30分と観やすいのも良き。
『かしましめし』はこちらもトレンドのグルメドラマで30歳目前の悩める3人の人生ととにかく美味しそうなご飯を描く。前クール『今夜すき焼きだよ』でも思ったけど人生の苦悩×料理はかなり相性良し。音楽もまた素敵。
『波よ聞いてくれ』は最高の原作コミックスを完璧な再現と絶妙に変更した脚本で描くラジオDJドラマ。本来映像のないラジオの世界を映像にする仕掛けが非常に面白い。小芝風花はキャリアハイの勢い。

全体の数が増えているのもあるが、前クールに続き7作品と非常に良作が多い印象の2023春ドラマ。
傾向としては原作がないオリジナル作品(特に女性脚本家)がめちゃくちゃ減って、コミックスや小説原作モノばかり。これは残念。
ただ少ない中でもオリジナル作品はやはり気合いの入れ方が段違いで、その分面白い作品も多い印象。
深夜帯は空前のグルメドラマブーム。
かなり擦られている感はあるので他にどんな要素を足すかが、分水嶺になりそうな気がする。
しかし不倫モノってみんな大好きですね…

ドラマの数が増えると共にどんどん書く分量が多くなってしまっているのでどうなるかわかりませんが、また7月頃にお会いできれば!


テレビドラマにコロサレル!

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