「五島美術館庭園春めぐり　十四首」

良き門出　
バイバイ手振り　
富貴草

富貴草(ふっきそう)

上品な　
まぁるい和菓子を
葉にのせて

深山樒(みやましきみ)

口づけを
幾重に馬酔木
地に向けて

馬酔木(あせび)

椿落ち
盛りと終わり
併せ見る

落椿

高貴ゆえ　
秘事多き
白木蓮

白木蓮(はくもくれん)　普通は高木で上から見下げることは出来ないが、これは珍しく低木

高みから
ピンクのシャワー　
御覧あれ

枝垂桜

ミツマタに
サンシュユモクレン
花三景

手前三叉、真ん中山茱萸、奥に白木蓮

背比べ
黄色い子花　
ぐんと伸び

姫立金花(ひめりゅうきんか)

薄暗く
湿る弥生に
シャガが咲く

射干(しゃが)

ふわりスカート
女子の憧れ
美足覗かせ

土佐水木(とさみずき)

山吹に
出逢い太古の
色を知る

山吹

萼(がく)だけの
花のようだ
イロハモミジ

いろは紅葉

可愛い子
紫キラリ
キランソウ

金瘡小草(きらんそう)

連なって
チョウセンレンギョウ
こより咲く

朝鮮連翹(ちょうせんれんぎょう)

朝鮮連翹の蕾