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「神代植物公園晩春椿歌 二十九首 中」

ヒミツヒミツ 

大事なモノは

開けちゃダメ

中部玉手箱


ひらいたら

おやゆび姫が

花の中

紅車(べにぐるま)


荒々しい

修行の末の

御姿か

荒法師


海の中

沈むルビーの

意思堅く

紀州司(きしゅうつかさ)


蓮のよう

天日をうけて

白くなる

蓮見白(はすみしろ)


見得を切る

江戸の錦は

ここにあり

江戸錦


カス付けて

ぼってりお口の

ボク卜半

卜半(ぼくはん)


幾千の

時を重ねて

鴇に佇つ(ときにたつ)

鴇の羽重(ときのはがさね)


元気よく

雄しべ伸びゆく

大唐子

大唐子(おおからこ) 雄しべが花弁に変わる唐子咲きには一つもならない


小町舞う

赤白解かす

和墨すら

草紙洗(そうしあらい) 能の演目「草紙洗小町」のイメージも交えて

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