「裏方祭」

裏方は
祭りを恵む
主役かな

蝉の抜け殻

コロナ明け
集えや食えや
夜祭で

権萃(ごんずい)の実

四年ぶりの
盆踊り
という名の
憂さ晴らし

いつも思う
この寂しい商店街に
どこから人が
沸いてくるのか

今年は予想通り
例年以上
始まり早々
ごった返す

盆踊りなのに
踊りゃしない
ただただ集い
飲めや食えやの大騒ぎ

それだけなのに
それが楽しい
知る者と知らぬ者が祭所
集うだけで

裏方のコチラとしても
人が楽しく集えれば
盛りたてたいのが心情で
ついつい余計に頑張っちゃう

おにぎり唐揚げモロコシに
枝豆手羽元用意した
開始早々で売れ行き好調
慌てて追加おにぎり握りだす

隣りの焼きそば長蛇の列
腹ヘリお客は待てなくて
ウチの惣菜ツマミ食い
便乗樣で有難う

見知らぬお客ばかり
なんだかそれが新鮮で
一期一会のテンションが
ぐんぐん上りおかしなことに

アドレナリンが出まくりで
悦に入り仕事モード
早々に完売しちゃうから
追加でメニューをあみ出した

ジャガイモあるから
フライドポテトに
茹で小豆あるから
白玉作ってぜんざいに

作るもあれよあれよと
さらわれた　
大所帯のご飯
つくったみたいに

だいたい腹は
満たされたかな？
商店街の大食堂は
お楽しみの抽選会が始まった

当たればチョッピリ豪華商品
ハズレても百円お菓子がもらえるの
笑い声は止まらない
お食事タイムが終わっても

最後は商店街からご挨拶
感謝を尽くしてお開きに
久しぶりのお祭りは
やって良かったと思えて終えた