「芦原妃名子様」

拝啓

梅の花がほころびはじめ
寒さ極まるなか
ほのかに漂う梅の香に
心がゆるみ始める頃となりました

さて、突然の訃報に
心のざわめきを隠せずにおりますが
芦原先生の作品に感謝をお伝えしたく
取り急ぎお手紙にいたしました

最近はドラマなど
あまり興味がなくなっていましたが
先生の原作の「セクシー田中さん」は
次週が待てないほど楽しませていただきました

去年自由が丘のサバランで
店長からドラマに出ていると教えられ
「観ます」と言っちゃったのがキッカケで
知ることとなったのですよ

トルコにハマったタイミングでの
ベリーダンスやトルコ料理満載のドラマ
運命としか
感じ得ませんでした

しかしこの作品の一番の魅力は
等身大のありのままの
悩み苦しみながらも
自分らしく生きる人の姿でした

いつのまにか田中さんが
自分自身と重なり
不器用ながらも成長していく姿に
励ましをいただきました

また田中さんを通して
周りの人達も優しく
そして自分らしく変わっていく
それが微笑ましく感じました

今回の騒動を見ると
今の世はまだまだ優しくはないですね…
セクシー田中さんのもう少し先のストーリーは
やはり優しかったのでしょうか…？

ひとがひとに
もう少し優しくなれる世界になるように
微力ながら
がんばりますので

いまはしばらく
お休みになられて下さい
また来世でのご活躍を
心よりお祈り申し上げます

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かしこ
令和六年一月三十日
　　　　　　　　　　　　　　　            marry015芦原妃名子様