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「コミュニケーションが苦手なあなたへ」~HSPが考える、コミュ障のためのがんばらない処方箋 day5~

みなさん、こんにちは!
ほいみん です。

コミュニケーションについての記事も、今回が5回目となりました。
お読みいただき、ありがとうございます。

きょうはまず、みなさんに書籍をご紹介したいと思います。
ハイデガーというドイツの哲学者をご存知でしょうか。
ヘーゲルやカント、ニーチェといった哲学者の影響を受け、
独自の存在論哲学を展開した、20世紀最大の思想家のひとりです。

その著書に「存在と時間」があります。
あまりに難しい内容のため、作家の筒井康隆 氏が、
「誰にもわかるハイデガー: 文学部唯野教授・最終講義」というタイトルで
わかりやすくまとめてくださっています。

「存在」の部分について、かいつまんでお話をすると…

人は事物や他人を通して、自らを気遣う。
また、死に向かう存在であるけれど、                 ふだん、意識することはほとんどない。
ただ、何かをきっかけにして、自ら積極的に向き合うようになる。

というところでしょうか。

同時に、コミュニケーションについてもその本質が述べられています。

日々、わたしたちが交わしている会話は、しょせん「空談(くうだん)」に 過ぎない。
「空談」とは、避けられない「死」から逃れようとするために、
気を紛らわすためのおしゃべり、といったところ。

これを読んだときに、ぼくは、なるほどなぁと思いました。
コミュニケーションの本質を突いていると思ったのです。

死を迎えるまでの時間つぶしのために、おしゃべりしてるんだよ。
だったら、上手だろうが下手だろうが、たいして関係ないじゃん。
そう考えると、ちょっと気持ちがラクになりますよね。

捉え方をちょっと変えるだけでも、世界の見え方はずいぶん変わるはず。
いま、悩んでいる方にとって少しでも何かの助けになればと思い、       ご紹介しました。
(筒井氏の著書は140ページほどですので、               興味のある方はぜひ目を通してみてください!)

このように、コミュニケーションスキルを身に付ける前に、
捉え方や考え方を変えることがとても重要であることは、
繰り返しお話をしている通りです。

コミュニケーションとの向き合い方について、
もう一つご紹介したいと思います。

それは、人が人を理解するのは不可能だという前提に立つことです。
(当たり前に過ぎるかもしれませんが…)

将来、どうなりたいのか、自分のことすらよくわからないのに、               
相手のことなんてわかる訳がありませんよね。

家族だからわかってくれて当然、
わかりあえて当然、という話をよく耳にします。
同じ環境を共有しているから、期待値が高くなるんですね。

いや、そんなことないよ、理解の深い家族に恵まれているよ、
もちろん、そういう方もいらっしゃると思います。
けれど、そうではない方も、少なからずいるのではないでしょうか。

Day2 では次のようにお話をしました。

人は動物の一種であるがゆえに、多様性に富む。
そして、生き延びるために刺激に対する感覚も異なる。

同じ環境下にあっても、中身は異なるのが当たり前なんです。
だって、人は動物だもの。

けれど、幼いときのぼくは、このことをまったく理解していませんでした。
自分がここまでしてあげているんだから、                相手もここまでしてくれて当たり前、
そう思っていたんですね。
他者に対する期待値を勝手に上げていたのです。
いま、振り返ると傲慢以外の何物でもありませんが…

社会にもまれ、何度も痛い思いをして、
いまでは期待値を下げて人と接することが、              ようやく人並みにできるようになりました。
(とはいえ、まだまだ期待値を上げてしまう時もあります…)
けれど、期待値を勝手に上げていた時期(特に学生時代)は本当にツラかった...いまでもよく覚えています。

残念ながら「あなた」と「わたし」の間には、 どうやっても超えられない壁がある。
伝わらないのは当たり前。
だから、伝わった時は、意図を受け取ってくれてどうもありがとう、   と感謝する。

至らぬ点をあれこれマイナスするよりも、
小さくてもいいところを見つけてプラスにしていった方が、
気持ちがいいと思いませんか。
減点法ではなく、加点法ですね。
その方が、毎日を気分よく過ごせるのではないでしょうか。

期待値はコストです。
無駄なコストは下げるに越したことはありません。
でも、考え方・捉え方ひとつで、上げたり下げたりできるのが、      コミュニケーションの面白いところ。
そう、コミュニケーションが上手になるというのは、
相手との間にあるコミュニケーションコストを下げることが上手になる、         ということなんですね。

では、本日はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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