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36歳の女性が13歳の少年と不倫して獄中出産して結婚するというスキャンダルを元にしてるけど、出てくる人みんなやべぇやつだと思った『メイ・ディセンバー ゆれる真実』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:74/85
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:May December
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ハピネットファントム・スタジオ
 上映時間:117分
 ジャンル:ヒューマンドラマ
元ネタなど:事件「メイ・ディセンバー事件」(1996)
公式サイト:https://happinet-phantom.com/maydecember/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
当時36歳の女性グレイシーはアルバイト先で知り合った13歳の少年と情事に及び実刑となった。少年との子供を獄中で出産し、刑期を終えてふたりは結婚。夫婦は周囲に愛され平穏な日々を送っていた。

ところが23年後、事件の映画化が決定し、女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、映画のモデルになったグレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)を訪ねる。

彼らと行動を共にし、調査する中で見え隠れする、あの時の真相と、現在の秘められた感情。そこにある“歪み”はやがてエリザベスをも変えていく……。

【感想】

アメリカで実際にあった恋愛スキャンダルを元にした映画です。正直、だいぶ想像と違ったので面食らってしまいましたが、どこもかしこも不倫ばかりで笑ってしまう内容でした。ちなみに、タイトルの「メイ・ディセンバー」とは、親子ほど歳の離れたカップルを指す言葉だそう。5月と12月で間が空いてるっていうことですかね。それなら、「ジャヌアリー・ディセンバー」でもいい気がしますが(笑)

<世間を震撼させた年の差カップル>

本作は、36歳の女性が13歳の少年と出会い、恋に落ち、体を重ね、妊娠し、刑務所内で出産し、出所後に結婚したという「メイ・ディセンバー事件」を元にしています。まあ、事件とはいえ本人たちは愛し合っていたわけですから、事件呼ばわりされることをどう感じていたかはわかりませんけど(笑)

いやー、僕はてっきりその経緯を描く伝記的な映画かなと思っていたんですが、蓋を開けたらまさかの内容でした。本作の舞台は事件から23年後。その事件を映画化するにあたり、当事者であるグレイシーを演じるエリザベスがグレイシー本人や夫のジョー、その家族らに取材してまわるっていう流れです。なので、グレイシーとジョーがいかに愛し合っていたかとか、いかに官能的に描かれているかとかそういう話ではないんですよね。当人だけでなく、そのまわりの人たちの話も聞くことで、みんなが事件をどう受け止めたか、どう関係性が変わったかなど、より広い視点で俯瞰することはできました。

<全員揃って曲者だらけ(笑)>

しかし、このエリザベスがけっこうな曲者なんですよ。女優としては名の知れた存在のようで、街を歩けばまわりの視線を一気に集めるほどには知名度があります。そんな彼女は真面目に取材する仕事熱心な一面はあるものの、プライベートが何やら怪しくてですね(笑)誰かと定期的に電話しているんですが、旦那かと思いきやどうやらそうではなさそうで、、、?仕事関係者ではあることは間違いなさそうですが、なんか不穏(笑)

でも、怪しいのは彼女だけじゃありません。ジョーもジョーでメールでのやり取りしかしていませんが、妻以外の女性を匂わせています。そんな彼とエリザベスは取材を通じてだんだんと距離が縮まっていき、、、?もはや昼ドラの世界のようでした。

そういう意味ではグレイシーだけはまともに見えますが、彼女は彼女でジョーにやや依存している感じがあります。映画の中では各登場人物の背景は詳しく語られてはいないんですが、なんだかんだでグレイシーが一番の曲者だと感じましたね。彼女、いい歳して精神年齢が低いんですよ。それを感じたのが終盤。エリザベスがいろいろ嗅ぎ回ったことが影響してか、ジョーが自分の人生と改めて向き合い、過去のことについてグレイシーと話し合おうとするんですけど、そこでグレイシーが「誘惑したのは誰?」と当事13歳のジョーにすべての責任があるかのような言い草なんですよ。「そこは100歩譲ってもおまえが責任取れよ」とは思いましたね。だって、当時の彼女は36歳で夫も子供もいる身だったんですよ?普通に責任能力はあるでしょって。セリフでサラッと言われてるだけだったので確証はありませんが、グレイシーもちょっと家庭が特殊というか、甘やかされて育ったようなところがありそうなので、精神的に普通の成人女性と同じとは言い難いかもしれません(じゃなかったら13歳の少年とヤらないですよねw)。

<そんなわけで>

映画の構成としては「ある女優の役作りのための事件の取材」という形で特殊ではありました。ただ、個人的にはもっと伝記的な内容を期待していたのでちょっと見当違いでしたかね。とはいえ、当事者の深層心理にたどり着きそうな展開に興味深さはありましたけど。うーん、カップルの歳の差を考えれば(しかも片方は当時まだ中学生)何かと掘り下げたくなる話ではありますけど、結局は「ただ愛し合ってしまっただけ」というそれ以上でもそれ以下でもないので、思ったよりはスキャンダラスでもロマンチックでもなかったかなあ(笑)

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