意外と真面目な純愛映画だった『“隠れビッチ”やってました。』
2019年公開映画204本中103位。
タイトルと予告からしてラブコメを予感させるんだけど、
実際観ると、割と真面目な純愛映画です、これ。
男にモテることにステータスを感じ、
ちやほやされることを生きがいとしているクズ女、
荒井ひろみ(佐久間由衣)が幸せをつかむまでの物語で、
なんとこれ実話ベースなんだよね。
とにかくモテるための努力は欠かさなくて、
肌の露出度を15〜20%に抑えたサラッとした服装を徹底し、
かける言葉や仕草を相手のタイプ別に使い分けて、
「好き」と言わせた挙句振るっていう、
「ああ、若い頃こんなやついたなあ」と思わせる主人公の人間性が笑える。
多くの男性にとって天敵ですね。
僕も、、、苦手です(笑)
ただ、モテるためだけにそこまでやるっていうのはすごいと思う。
僕自身、あまりモテたいという強い欲求が昔からなかったので、
彼女の執念はある意味尊敬に値します。
映画の中では、6人の男を手玉に取り、
そのうち一人とちゃんとお付き合いすることになるものの、
付き合ったら付き合ったで、
「あたしを好きになるということは、
あたしのすべてを受け入れるのが義務」
と言い張り、気に入らないことがあると暴れるというサイコパスっぷり。
牛乳を買ってこなかったことに対して、
「あたしのことどうでもいいわけ?」と激ギレしてて、
僕だったらすぐに別れてしまうかもしれない。。。
しかし、それは幼少期に父親からDVを受けていたことが影響しており、
自分でもそのことがわかっているから、
父親と同じ血が流れていることに嫌悪感を抱き続けるという
なかなか重い過去を背負っているギャップが
物語の中でいい刺激になっていると思った。
また、主人公は2人の友たちとシェアハウス?をしているのだけど、
その同居人たちも面白くて、
ゲイの村上虹郎とヤリマンの大後寿々花というなかなかに濃ゆいメンツ。
特に、ヤリマンとビッチで罵り合うシーンは
どっちもどっち感あって面白い(笑)
(作中では体の関係を結んだらヤリマン、
そこまでいかないとビッチという暗黙の了解がある様子w)
ただ、いずれも「男に依存」していることに変わりはなく、
自分の足りないところを他人で埋めようするのはやめて、
“女として”生きるよりも、まずは“人間として”生きること
を説く村上虹郎の言葉がよかった。
確かに、普段生活している中でも、
価値観や比較対象のベクトルが他人に向いてる人は、
キリがない底なし沼にいるような感じなのかもしれない。
その村上虹郎の役どころはよかったんだけど、
どうせなら村上虹郎をもう少し活躍させて欲しかった。
ゲイだからこそ、性や人間関係で悩んだこともあるだろうし、
そこのエピソードを踏まえてくれたら、
彼のセリフにももっと深みが出たと思う。
いやしかし、男女は難しいですよね。。。
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