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夢破れた青年の意外な方法でのリベンジ『AWAKE』

【基本情報】

製作年:2019年
製作国:日本
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:143/209
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

大学生の英一(吉沢亮)は、かつて奨励会で棋士を目指していた。同世代で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉竜也)に敗れた英一は、プロの道をあきらめ、普通の学生に戻るべく大学に入学した。

幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれるはずもなく、ぎこちない学生生活を始める。

そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。独創的な打ち方で人間ではまずやらないような攻め方をしてくる上に強い。コンピュータ将棋に興味を示した英一は、早速人工知能研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ)の手ほどきを受けることになる。

自分の手で生んだソフトを強くしたい。将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。

数年後、自ら生み出したプログラムを<AWAKE>と名付け、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。返答に躊躇する英一だったが、相手が若手強豪棋士として活躍するかつてのライバル、陸と知り……。

【感想】

実話から着想を得て作られた映画です。僕は電王戦をまったく観ていないので、どういう違いがあるかはわかりませんが、コンピュータ将棋の開発者とかつてのライバルとの対戦という激アツな設定でした。ただ、画自体はかなり地味です(笑)まあ、将棋ってもともとボードゲームなので、確かに動きは少ないですよね。。。もっとスポ魂系に寄ってるかと思いきや、そうではありませんでした。

とはいえ、強大なライバルを前にプロ棋士をあきらめ、将棋の世界から離れていた主人公が、コンピュータ将棋を通じて再び将棋の世界に戻ってくる流れは少年漫画みたいでわかりやすいですね。

僕は将棋もプログラミングもまったく経験ありませんが、それでも充分に楽しめる内容です。当然、コードに関する会話や棋譜の会話は何のことかさっぱりでしたが。

ただ、設定自体は面白いんですけど、全体的に淡々と進んでいきます。英一も陸ももともと声を張り上げるタイプの人間ではないので、割と淡泊に映りますね。もちろん、その中には燃える闘志を秘めてはいるのですが、こういう対戦系の映画だと、ちょっと物足りないかなという印象です。個人的にはバトル感をもっと出してくれた方が好きです(笑)

そう考えると、同じ将棋映画なら、『3月のライオン』や『泣き虫しょったんの奇跡』の方が、人間ドラマがまだ濃いですかね、、、?

ただ、終わり方はよかったんですよね。「将棋は本来楽しむもの」というメッセージを強く反映した形になっていて、最後すごく心がほんわかしました。

それにしても、英一があんなにイケメンなのに、陰キャでいつもひとりぼっちっていうのはまったく共感できませんね。そんなわけないだろって(笑)もちろん、吉沢亮の演技はとてもよかったんですけど。


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