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原作を知らない人は置いてけぼりになるんじゃないかってぐらいダイジェスト感が強い『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:47/94
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

  製作年:2022年
  製作国:日本
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:142分
 ジャンル:アクション、ファンタジー
元ネタなど:漫画『鋼の錬金術師』(2001-2010)
      テレビアニメ『鋼の錬金術師』(2003-2004)
      テレビアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(2009-2010)
      実写映画『鋼の錬金術師』(2017)
      実写映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(2022)

【あらすじ】

国家中枢には、国民の魂と引き換えに完全な存在になろうと企てる最大の敵――ホムンクルスたちの生みの親"お父様"が潜んでいた――。

エド(山田涼介)とアル(水石亜飛夢)と、軍の暗部に立ち向かうマスタング(ディーン・フジオカ)たち、そして賢者の石を求めるシンからの来訪者は、共闘し、この陰謀を阻止できるのか?そして、すべてのカギを握るエドとアルの父親の正体とは?

彼が語る"約束の日"とは一体何なのか?残された時間はあとわずか――求め続けた身体と引き換えに兄弟が出した最後の答えとは?

【感想】

実写版『ハガレン』のラストですね。きちんと原作の最後まで走ってくれたことに感謝です。個人的には楽しめる内容でした。ただ、、、「う~ん、、、?!」って思ったところがあるのも事実です。

<とにかく詰め込み過ぎた完結編>

前作から原作に沿った流れになりましたよね。僕は原作漫画が好きだったので、そこは素直にうれしかったです。もちろん、尺は限られてるからアレンジはされていますが、それでも面白いと感じられる映画でした。

なので、本作もかなり期待していたんですが、ちょっとテンポがよすぎるというか、テンポのよさを通り越して、かなりすっ飛ばしてたが一番気になるところですね(笑)とにかく原作のラストまで走り抜けるために、「各場面をダイジェストでお送りします」と言わんばかりのすっ飛ばしようで。ブリッグズのシーンとか一瞬で終わりましたから(笑)

漫画を読んでいれば問題なく理解はできると思うんですが、読んでいない人からしたら、いろいろ唐突すぎて事情を飲み込めないまま終わったんじゃないかって思います。ラストの"お父様"との戦いは、壮絶なド派手バトルですごく見ごたえがあったんですが、あそこだけ力を入れても気持ちがついていかないので、ちょっとポカーンとしちゃうところはあります。

それだけに惜しいんですよ。これ、最初から三部作前提で作られていたら、もっとよくなったんじゃないかなと思うんですよね。最後に向けてきちんと感情の盛り上がりもあって。正直、今回の映画は無理矢理詰め込んだ感じが強くて、それゆえに作品の世界観がうまく伝わらず、評価が低くなっちゃうんじゃないかって、原作ファンとして残念なところがあります。それこそ、ネトフリで全10話の連続ドラマにした方がまだよかったんじゃないかって。

<キャラクターの再現度のピンキリ>

シリーズ全体を通して観ると、キャラクターもね、全体的にコスプレ感が強いのは否めません(笑)明るい髪色やカラコンってのが、日本人の顔だとどうしてもコスプレっぽく見えちゃう部分はありますよね(洋画に出てくる外人さんだとあんまり感じないんですが)。でも、その中でも、エンヴィを演じた本郷奏多、キング・ブラッドレイを演じた舘ひろし、ミラ・アームストロングを演じた栗山千明、ピナコばあさんを演じた風吹ジュンはかなりハマり役で感動するレベルでしたね。今回で言えば、特に栗山千明のミラ・アームストロングがよかったです!あの難攻不落のブリッグズを取り仕切る漢以上に漢なミラ・アームストロングにピッタリ。その反面、スロウスがCGで、うまく実写と融合できていないところは気になりました。彼だけゲームに出てくるCGみたいで浮いちゃってたんですよ。まあ、あれはCGでしか再現できなそうですが。。。

<そんなわけで>

原作漫画が好きで、あのシーンを実写にして動いているところを観たいって人にはいいかもしれません。ラストの終わり方もほっこりする感じでよかったですし。あとは、各役者さんのファンの方とかも楽しめると思います。ただ、原作は知らないし特にファンの人もいないってなると、原作漫画もしくはテレビアニメを観て、話の流れを理解していないと、完全に置いてけぼりを食らうだけの映画かなって思いました。漫画は面白いのでぜひ読んでいただきたいですけど!何はともあれ、今回の映画、個人的には好きです!


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