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まるで昼ドラのような展開にイギリス王室が下世話に感じられるけど、何よりもエンディングテーマで興を削がれる『プリンセス・ダイアナ』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:83/149
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★☆☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:The Princess
  製作年:2022年
  製作国:イギリス
   配給:STAR CHANNEL MOVIES
 上映時間:109分
 ジャンル:ドキュメンタリー
元ネタなど:プリンセス・オブ・ウェールズ「ダイアナ・フランセス・スペンサー」(1961-1997)

【あらすじ】

イギリスのダイアナ元皇太子妃の半生を描いた初の劇場用ドキュメンタリー。1981年にチャールズ皇太子と婚約する数週間前から1996年の突然の死までの約16年間にスポットを当てる。

チャールズ皇太子とのなれそめ、歴史に残るロイヤルウェディング、息子たちの誕生、離婚にまつわる様々なスキャンダル、政治さえも動かした慈善活動、そして衝撃的な事故死と世界中が悲しみに暮れた葬儀。

当時のニュース映像やホームビデオなどあらゆるアーカイブから厳選した映像をつなぎ合わせ、ダイアナの生きた軌跡をありのままに振り返っていく。

【感想】

ダイアナ元妃の半生を知れる貴重なドキュメンタリー映画です。ただ、彼女がどういう人物だったかを深掘りした話ではなかったですね。あくまでも、彼女がチャールズ皇太子と婚約するちょっと前から、事故で亡くなるまでにどんなことがあったかをダイジェストで振り返るような内容でした。

<伝説級の人気を誇るダイアナ元妃>

ダイアナ元妃については、正直僕はほとんど何も知りません。彼女が亡くなったのは1997年なので、当時僕は中学生でした。もともとニュースもあまり観ていなかったので、もちろん名前と顔ぐらいは知っていたかと思いますが、何をしている人なのかまでは、多分わからなかったんじゃないでしょうか。なので、彼女のことで一番覚えているのは、やはり事故で亡くなったことですね。そのときの報道はうっすらと記憶に残っています。

今回の映画で使用されている過去の映像を観る限り、とにかくイギリスの国民から絶大な人気があったということはわかりました。彼女がチャールズ皇太子と結婚したときの街の人たちのあの喜びようとお祭り騒ぎっぷりは、ある意味異常事態ともいえますね。親しみやすさが彼女が人気だった理由のひとつだそうで。調べてみると、もともと彼女は三姉妹だそうで、上2人の姉と比べると学校の成績はよくなかったそうですが、その分とても優しい子だったとのこと。それが大人になって如何なく発揮されたということですかね。あの人気っぷり、日本じゃなかなか考えられないことですが、それだけイギリス王室っていうのはイギリス人にとって関心の的なんだろうなと思います。

<過熱するパパラッチ報道>

そんなに人気だから、パパラッチの報道も日に日に過激になっていきました。第一子(ウェールズ公ウィリアム)が生まれるときも、病院前には多くのカメラマンがいましたし(あれは主要メディアもいたんでしょうけど)。その後も、平気で塀を超えて写真は撮るし、望遠レンズを使ってメチャクチャ離れたところからもパシャリとシャッターを切ります。もうね、パパラッチたちのプライバシーという概念のなさに辟易しますよ。でも驚いたのが、ダイアナ元妃は遠いところにいるパパラッチも見つけるんですよ。彼女からしたら、点にしか見えないような人でさえも。あれだけカメラを向けられれば、敏感になってすぐに気づくようになるのかもしれません。

<イギリス王室も結局は人の子>

やがて、ダイアナ元妃とチャールズ皇太子の関係は冷めていきます。実際はいろんな原因があるのかもしれませんが、、このドキュメンタリーを観てわかるのは、一番大きな原因は男女関係のもつれじゃないかということ。チャールズ皇太子はダイアナ元妃との結婚前からカミラ夫人と関係があって。ダイアナもダイアナで別の人と不倫をしていました。しかも、なぜかそれぞれの相手との電話のやり取りが録音されたテープが公開されているんですよ。怖い世の中です。チャールズ皇太子のカミラ夫人への言葉はね、すごかったですよ。AVでもそんなこと言わないよなって(笑)変な話ですが、イギリス王室といえども結局は人間なんだなと思いました。

しかも、本人同士で話をつければいいのに、お互いが暴露本なんかを出して、どんどん影響が広がっていく始末。これ、今だったらもっと大変だったでしょうね。SNSでの拡散、魚拓、炎上。今ならスマホで市民でも撮影できちゃうから、当時以上に大変なことになっていたと思います。

<誰が彼女を殺したのか>

そして、1997年8月31日、不慮の事故によってダイアナ元妃は36歳の若さで亡くなります。今思えば、彼女の2人の子供は自分と同世代なので、10代で母親を失ったことになるんですよね。。。もう何と言っていいのか。。。劇中では細かく触れられていませんが、事故の原因は運転手の飲酒と処方薬の服用だそうです。その状況で、時速105kmの速さで柱に衝突っていう。。。事故の直接原因は運転手の過失かもしれませんが、そもそもそんなにスピードを出していたのは、パパラッチのせいですよ。彼らの執拗な報道姿勢にはクソ喰らえと感じましたね。ただ、、、そもそもパパラッチに追いかけまわされたのは、その日の予定をコロコロ変えるドティ・アルファイドのせいだとも思いますけどね。彼がもっとスケジュールをまわりに共有し、慎重な行動をしていたら、、、とも思いますが。。。

ダイアナ元妃の死は多くの国民に悲しみを与えました。献花の数が尋常じゃなかったですから。もともと国民から人気があったことと、若くして突然亡くなってしまったことが、より一層ショックを大きいものにしたのかと。改めて、彼女の与える影響力の大きさを知りました。

<なんでエンディングテーマがそれなん?>

今回のドキュメンタリー映画、僕はけっこう面白いと思ったんですけど、唯一解せないのは、エンディングテーマがZARDの『Forever you』だったことです。いや、ZARDは好きなんですけど、なんでこれのエンディングテーマなのっていう。いきなり90年代J-POPの前奏が流れて、その後に日本語の歌詞が歌われたときはびっくりしましたよ。単純にミスマッチすぎるなと。。。

<そんなわけで>

ダイアナ元妃について興味がある人は観てもいいと思います。何がどういう経緯で起こったのか、109分で知れるのはいい機会ですので。エンディングテーマは本当に納得できないですけどね(笑)


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