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故ハロルド・ライミスへの愛を感じると共に、まさかの孫悟飯要素も入ったエモさ爆発の『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:4/21
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★

【ジャンル】

アクション
コメディ
ジュブナイル

【原作・過去作、元になった出来事】

・映画
 『ゴーストバスターズ』(1984)
 『ゴーストバスターズ2』(1989)
 『ゴーストバスタース』(2016)

【あらすじ】

30年間にわたり、原因不明の地震が頻発する田舎町。そこで暮らし始めたフィービー(マッケナ・グレイス)は、祖父が遺した古びた屋敷で見たこともないハイテク装備の数々と、〈ECTO-1〉と書かれた改造車を発見する。科学者だった祖父イゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)は〈ゴーストバスターズ〉の一員で、30年前にニューヨークを襲ったゴーストたちをこの町に封印していた。

地震の原因がゴーストの仕業だと突き止めたフィービー。「なぜこんな場所に封印を?おじいちゃんが死んだとき一体なにが?」祖父がこの町に隠した秘密に迫ろうとしたそのとき、ゴーストたちの封印が解かれ、町中に溢れかえる。

今、ゴーストたちの復讐劇が始まる――。

【感想】

ゴーストバスターズ』シリーズ第4作目。お話としては、『1』と『2』のきで、2016年版はなかったことに(笑)1作目から37年、前作からも32年経ってからの続編でしたけど、いやー、これもう過去作を観た人にはうれしい内容ですよ!しかも、『1』と『2』の監督だったアイヴァン・ライトマンの息子、ジェイソン・ライトマンが監督を務めるという運命っぷりですからね!

<故ハロルド・ライミスへの愛に溢れたストーリー>

ゴーストバスターズ』と言えば、ピーター・ベルクマン(ビル・マーレイ)が主人公の映画ですよね。本作を観る前に、もう一度過去作を全部観直したんですけど、ピーターばかり目立っていて、他の3人の印象は少し薄いぐらいでした。とはいえ、ハロルド・ライミスが演じたイゴンはメカニック担当で、唯一のメガネキャラだったので、覚えている人も多いかもしれませんね。

そんな彼を物語の中心に添えたのが本作です。ハロルド・ライミスは過去2作品の脚本も担当しているんですけど、残念ながら病気のため2014年に亡くなってしまいました。今回の物語でも亡くなる設定のため、その孫であるフィービーが主人公になっています。ずっとピーターを中心にしてやってきた流れを、イゴンおよびその孫に焦点を当てたのが、本作の一番の特徴と言えるでしょう。

これが想像してた以上によかったんですよ!最近はあまり目にしませんが、昔の洋画って少年少女が冒険などを経て大人へと成長していく「ジュブナイル映画」ってけっこうありましたよね。例えば、『スタンド・バイ・ミー』とか『ネバーエンディング・ストーリー』とか。

この映画もまさにそんな感じなんですよ。科学オタクで、コミュ障で、友達もできずに孤独だったフィービー。でも、ずっと変人と言われ続けてきた祖父が、自分と同じ科学を愛する人で、実はゴーストバスターズの一員で、多くの人命を救っていたということを知って。で、祖父の意志を継いで、町を襲うゴーストたちを退治する決意をするっていう、冒険と感動の物語。これはやっぱり、科学好きだったイゴンのキャラクターがあったからこそ、実現できる内容だよねって感じます。

正直、序盤はストーリー上の動きがほとんどなくて退屈な部分もあったんですが、後半に入ってからの怒涛の展開はものすごく楽しめます!

ちなみに、『1』と『2』に続くストーリーってことにはなっているんですけど、『1』しか関わってこないので、あらかじめ予習するならその1本だけで十分かと。むしろ、お話自体はけっこう『1』を踏襲している部分もあるので、それを観ておくとかなり面白さや感慨深さが増すと思います。

<かわいいかわいいマシュマロマン>

1』で有名なシーンと言えば、ラストに出てくる巨大なマシュマロマンじゃないでしょうか。

図21

(『ゴーストバスターズ』(1984)より引用)

今回は、小さなマシュマロマンがたくさん出てきます。これがもう最上級にかわいくて。。。自分で焼かれに行ったり、ミキサーに入ってグチャグチャになったり。こうやって書くとスプラッター感ありますが、実際はものすごくかわいいですからね!公式もその動画を上げているので、気になる方は観てみてください。

<まさかのドラゴンボール要素>

ここはネタバレになるので書けませんが、『ドラゴンボール』を読んだことある人ならピンとくるシーンがあります(笑)途中からこの展開を予想できる人も少なくないだろうけどね、知ってる人からしたら「あ!」と思うかと。

<そんなわけで>

不謹慎な話かもしれませんが、ハロルド・ライミスが生きていたら、こういう物語にはならなかったんじゃないかなって思います。それぐらい、彼の死が大きな影響を与えた映画かなって。序盤の地味さがちょっともったいないですが、予習は1作目を観るだけで事足りるし、37年にわたる歴史を強く感じられるのがエモいので、個人的にはオススメしたい映画です。


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