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映画好きには刺さるかもしれないけど、内容が多岐に渡りすぎてとにかく体力使う『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:73/86
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】

ドキュメンタリー

【元になった出来事や原作・過去作など】

・書籍
 マーク・カズンズ『ストーリー・オブ・フィルム』(2004)

・テレビシリーズ
 『ストーリー・オブ・フィルム』(2011-)

【あらすじ】

ドキュメンタリー監督として20年以上のキャリアを持ち、映画に関する著書も複数発表、さらにイギリスの映画解説番組「Scene by Scene」でMCを務め、映画祭のプログラマーを担当した経験を持つ北アイルランド・ベルファスト生まれのマーク・カズンズ。本作では監督/ナレーションを務め、映画をマルチな視点で捉える彼だからこそ成しえる映画表現で、過去10年の間に製作された111作品を紐解いていく。

登場作品には、『アナと雪の女王』、『ジョーカー』等のメジャー大作から、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督作『光りの墓』、アリ・アスター監督作『ミッドサマー』等のインディペンデント作品まで、古今東西・ジャンル問わず、世界中の映画が集結!
興行成績、賞レース、スターのゴシップに囚われない、映画製作における表現手段を丁寧に解説しながら新たな発見を探求していく。

【感想】

映画解説系ドキュメンタリーっていう感じですかね。とにかく、いろんな映画を様々な視点で捉えています。とはいえ、3時間近くで111本。多くて長い。。。映画好きには興味深い内容だけど、それでもこの量と尺はけっこう体力使います。。。もともと監督が書いた本とテレビシリーズがあるようだから、そっち観てからの方がよかったかもしれません。

<新たな作品との出会い>

二部構成で、第一部ではジャンル別に紹介されています。コメディ→アクション→ミュージカル(というよりダンスシーンがあるもの)→肉体を綺麗に映した作品→ホラー→ドキュメンタリー→スローな映像を取り入れている作品の順に、「そのジャンルを拡張させた」作品をピックアップしていますね。要は、長く続く映画の歴史において、そのジャンルの中で革新的なものだったものを取り上げているんです。

続く第二部では、肉体や家族など、各テーマにおける秀逸な作品を解説していました。これも、それぞれのテーマの中で他と一線を画す映画を取り扱って入るものの、多分監督の好みも入っていると思います(笑)

まあ、観たことある映画なら「ふむふむ、そうだね」、観たことない映画なら「ほーう、そんな映画もあるのか」という感想ですかね。ここ10年の映画がメインなので、記憶に新しいものが多かった分、解説は頭にすんなり入ってくることができました。また、有名だけど知らない映画も多く、そういう作品を知れたのはよかったと思います。中には、出てきた映画全部観てるっていう猛者もいると思いますが、多分日本で公開されていないものもあるので、すべて網羅できている人はそうそういないんじゃないかと。。。

<存在感があまりなかった日本映画>

これだけ作品があるにも関わらず、取り上げられた邦画は『万引き家族』(2018)と『麦秋』(1951)のみ。まあ無難というか、けっこうオーソドックスなところが来たという感じですね。本ドキュメンタリーの監督も昔の日本映画が好きなようですが、海外の人が選ぶ日本映画って、昔の作品が多いですよね。黒澤明とか小津安二郎とか。現代の人って昔の人ほど海外から注目されていないんでしょうか。。。まあ、今回は是枝裕和監督の作品がありましたけど、インタビューとかで見聞きするもので、直近の日本映画ほとんどないですよね~。

<そんなわけで>

あくまでも映画好きな人のためのドキュメンタリーって感じですね。普段映画観ない人にはまったくオススメできません。テーマはよかったんですけど、やっぱり数が多くてかなり疲れます。3時間で終わらせるには範囲が広すぎるので、もう少し絞ってもよかったかなって思いました。それにしても、この監督、これまで16,000本以上も映画観てるらしいです。。。つよい。。。


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