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スーパーヒーロー映画キャスト総出演の圧倒的な没入体験『DUNE/デューン 砂の惑星』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:28/215
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

SF
アクション
デューン
ティモシー・シャラメ

【あらすじ】

アトレイデス家の後継者、ポール(ティモシー・シャラメ)。
彼には"未来が視える"能力があった。

ある日、宇宙帝国の皇帝から、過酷な《砂の惑星デューン》へと移住するよう命じられる。その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われるほど重要な場所だ。しかし、それは罠だった…。

そこで宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家との壮絶な戦いが勃発!父を殺され、巨大な砂虫(サンドワーム)が襲い来るその惑星で、ポールは全宇宙のために立ち上がる――。

【感想】

これはIMAXで観るべき映画でした!!試写会に行った方たちが、「IMAXでも収まらない」と言うからどんなもんだと思ったんですが、、、確かに収まらねぇ(笑)それぐらい、この砂の惑星の広大さは圧倒的です。こんなにも砂漠の圧倒的広さを感じたのは、『アラビアのロレンス』(1962)や『スター・ウォーズ』シリーズ以来でしょうか。

<そもそも『デューン』って?>

もともとは1965年にアメリカの作家フランク・ハーバートによって書かれた小説が原作です。それを1984年にデヴィット・リンチ監督が『デューン』として映画化しました。その後もドラマが作られ、今回で通算5度目の映像化らしいです。ちなみに、"dune"は日本語で「砂丘」という意味です。

<まさかの連作>

まず冒頭で驚くのが、"PART ONE"の文字。これ、ニュースにもなっていますが、2部作らしいんですよね。まあ、原作が6作品あるので、そもそも映画1本で終わらせるのが無理と言う話(笑)実はデヴィット・リンチの前に、アレハンドロ・ホドロフスキーが映画化しようとしたんですが、構想が12時間もあって頓挫したとか。ここらへんは『ホドロフスキーのDUNE』(2014)というドキュメンタリーを観るとよくわかります。

<他のSF作品とは一味違った雰囲気>

宇宙を舞台に多くの兵士たちによる大規模な戦争が行われる点で、『スター・ウォーズ』シリーズを彷彿とさせますけど、実際に観るとそういう感じとはちょっと違います。ああいうポップでわかりやすい世界観というより、もっと画で見せてくるややアートっぽい雰囲気です。本作の監督は『メッセージ』(2016)や『ブレードランナー2049』(2017)でおなじみのドゥニ・ヴィルヌーヴ。宇宙船の独特なデザインや、あのヌゥっとした不気味な存在感は『メッセージ』と同じ空気を感じましたね。なので、『スター・ウォーズ』シリーズが好きな人からすると、ちょっと方向性が違うかなと感じるかもしれません。

<ストーリー自体はシンプル>

登場人物が多いのでわかりづらく見えますが、大まかな流れはシンプルです。砂の惑星デューンを舞台に繰り広げられる、アトレイデス家とハルコンネン家の長きにわたる戦い。その中で、全宇宙の運命を背負ったポールの覚悟と成長の物語です。ただ、今回はパート1っていうこともあってか、話がすごい途中で終わってしまいましたが。1984年版の6割ぐらいですかね。

<ポールをもう少し目立たせてもよかったかも>

正直、キャラクターとしてのポールはちょっと弱かったかなと感じる部分もありました。敵と戦う話ではありますが、よくあるチーム内での対立とか、自分の運命に対する葛藤とか、そういうのがほとんどなくて。迫りくる危機を何とか乗り越えているだけだったから、感情移入はしづらかった印象です。

ただ、演じたティモシー・シャラメはすごくよかったです!あの美しくも儚げな表情。母親のジェシカ役がレベッカ・ファーガソンなんですが、母子揃って顔面偏差値高すぎかって(笑)彼はこれまで「悩めるティーン」みたいな役どころが多かったので、こういうSF超大作に出たのは意外でした。まあ、今作のポールもある意味、運命に翻弄される悩めるティーンとも言えますけど。

<この映画の推しどころは圧倒的なヴィジュアル体験>

総じて、この映画はストーリーやキャラクターというよりは、画を楽しむ映画なのかなって個人的には思いました。先にも書きましたけど、とにかく映像の迫力に圧倒されるので。。。間違いなくIMAXで観るべきです!没入感がハンパなくて、自分が実際にその場にいるかのような感覚にさえなります。SF映画はそれだけで映像体験がすごいとは思うんですけど、その中でもこれはアートっぽい感じを漂わせているところが、この監督ならではだと思うんですよねー。

<その他>

全体的に1984年版よりも丁寧な作りになってはいますが、逆に説明がなくなってわかりづらくなった部分もありました。ポールは妾の子だから、父であるレト伯爵(オスカー・アイザック)はジェシカと正式に結婚しなかったとか。“クイサッツ・ハデラッハ”は超人を指す言葉だとか。いや、パート2で明かされるのかもしれませんが、ここらへんはは事前に知っておいた方が、話しがスムーズに頭に入ってくるんじゃないかなって思います(なので、書いちゃいましたがw)。


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