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【食事中の人はごめんなさい!】うんこに秘められた無限の可能性がとてつもなく興味深かった『ウンチク/うんこが地球を救う』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:90/163
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Shit Saves the World
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配給:エクストリーム
 上映時間:71分
 ジャンル:ドキュメンタリー
元ネタなど:うんこ

【あらすじ】

地球上には77億人の人間と870万種の生物が暮らしている。人間はもちろん、地球上のすべての生き物は生まれてから死ぬまで、うんこをしなければ生きていけない。

にも関わらず、うんこはこれまで、汚い物として忌み嫌われ、その存在を隠蔽されてきた。生き物にとって、うんここそもっとも身近で重要な問題だ。歴史の教科書に書かれることはほとんどないが、人類の歴史はうんこと共にあったと言っても過言ではなく、社会も都市もうんこと向き合うことなしに何ひとつ成立しない。

この映画は、全世界を巡ってうんこの過去と歴史、うんこが現在抱える数々の問題、そして可能性を秘めた未来を検証していく。そして、うんことフレンドリーに向き合うことこそ、悪化の一途をたどる地球環境を救う最もシンプルで画期的な解決法なのだ。

本作は、地球を救えることを興味深く、ユーモラスに描き出していく映画史上初めてのうんこのドキュメンタリー = “ウンコメンタリー”。

【感想】

中学生の頃、僕の友達が「うんこは誰も傷つけない!」という名言を吐いていました。それは、下ネタは万国共通で笑いがとれるという意味合いで言ったのだと思いますが、このドキュメンタリーを観ると、うんこは誰も傷つけないどころか、人々を救う救世主のように見えてきます。

<数字で見るうんこの脅威>

多くの人は、普段何にも意識せずに用を足していると思いますけど、うんこを数字で見てみるといろいろ驚きです。まず、人間は平均して1日に約400gのうんこをするそうです。これは1年で145kgであり、一生で12.2tとなります。この映画によると、現在の世界の人口は77億人だそうですけど、単純計算だと1年で1兆t‍以上のうんこが出されることになりますね。もちろんそれは人類だけの話。地球には870万種の生き物がいて、地球に生命が誕生して40億年ぐらい経ちます。そう考えると、まさに、地球はうんこにまみれた星であることがわかります。

<うんこの歴史>

人類が地球に誕生したのは、今からおよそ600年前です。でも、今のようなトイレができたのはここ220年ぐらいのことらしいんですよ。それまでどうしてたのかといったら、垂れ流したり、肥溜めに一括集約です。

実は、古代ローマの時代には上下水道が整備され、公衆トイレなどもあったそうです。それが、古代ローマの滅亡と共にトイレはなくなり、人々は再び垂れ流す生活に戻ったらしいんですよ。フランスだったかなー。昔は鉢の中に用を足し、2階や3階の窓の外から排水溝に投げ捨てていたようで。。。街を歩いていたら、上から排泄物が降ってくるというまさかの時代ですよ。さらに、ベルサイユ宮殿ができたときは700室以上の部屋があるのに、トイレは皆無。みんな階段の隅など、人目のつかないところで用を足していたんだとか。想像しただけでも臭いが。。。(笑)チラッとネットで見た感じだと、当時の女性の裾が広がっていたり、ハイヒールを履いたりしていたのは、いつでもどこでも用を足せるためだそうです。

イギリスのテムズ川やアメリカのシカゴ川も、かつては排泄物が垂れ流し。そのまま飲み水の水源地まで流れていくもんだから、みんながコレラや赤痢菌に苦しんだ歴史もあります。とはいえ、現代でも全員が清潔なトイレを使えているわけではないんですよ。世界の人口の58%に当たる人たちは、トイレ環境が整備されていないところに暮らしており、相変わらず川などに垂れ流しています。健康被害が懸念されますよね。ちなみに、月にも人間の排泄物があるというのには驚きました。アポロ計画で月の石を持ち帰るとき、重量の関係で排泄物を月に置いていってるんですよ。みんなが見上げている月には、うんこがあるってことですね(笑)

<うんこの可能性>

このまま何も対策をしなければ、地球は今以上にうんこだらけになってしまいます。そんな状況を打開するべく、うんこの再利用はすでに始まっています。タイではゾウのうんこを加工して紙を作っていますし、マサイ族は牛糞を漆喰にして家の壁や屋根に使っていますし、うんこからレンガを作る技術もあるらしいです。他にも、うんこを燃やして暖房や調理時の火として使ったり、メタンガスを利用した発電なんかも行われているそう。また、うんこを移植して、中の細菌を体内に移す治療もあるのだとか。生きていれば必ず出るうんこは、ある意味無尽蔵といえるので、再利用に使えるのならとても有用だなと思いました。

<そんなわけで>

うんこにまつわる歴史や問題、可能性など、広く浅く学べるいいドキュメンタリーでしたね。本当にすごく学びになったのでオススメしたいです。こういうの小学校のときに観たかったですね。「このう〇こ野郎!」ってのが悪口じゃなくて、誉め言葉になった、、、かもしれません(笑)


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