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"計画なくして成功なし"と豪語し人生の5ヶ年計画を立てていた女性の、妊娠の有無による2通りの人生を描いた『2つの人生が教えてくれること』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:65/143
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:-(配信のみ)

【作品情報】

   原題:Look Both Ways
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配信:Netflix
 上映時間:111分
 ジャンル:ヒューマンドラマ
元ネタなど:なし

【あらすじ】

アニメーター志望の大学生ナタリー(リリ・ラインハート)は、卒業を前に友人のゲイブ(ダニー・ラミレス)と一度きりの関係を持つ。

そして大学卒業式の夜、吐き気を催したナタリーは念のために妊娠検査薬を使用。そこで彼女の人生は2つに分岐し、並行してそれぞれの物語が展開する。一方のナタリーは妊娠して地元に留まり、もう一方のナタリーは妊娠せずにロサンゼルスへ引っ越す。

果たして、それぞれ人生の先に待ち受けるものとは?

【感想】

妊娠によって人生がどう変わるかを綺麗にまとめた話だなと思いました。実際に同じようなケースが人生に待ち受けていたとしても、こうは綺麗にならんだろって思う女性は多そうですが、映画としては面白かったです。

<妊娠によって分岐する世界>

大学卒業式の夜に、吐き気を催したナタリー。ここで、妊娠検査薬の結果が陽性のときと陰性のときとで、並行して話が進んでいきます。どちらか一方を先に見せてからではなく、短い尺で交互に世界が入れ替わっていくという流れですね。

妊娠するとどうしても行動は制限されてしまうと思います。それによって、できることも限られてきますよね。特に予期せぬ妊娠であれば、その後の人生計画に大きな影響を与えかねません。では、実際に妊娠の有無によってどう変わっていくのか。それをテンポよく描いた作品がこの映画です。

<妊娠していなかった場合>

ナタリーは自分のアニメーション映画を作ることを目標に、友達とロサンゼルスへ引っ越し、シェアハウスをします。持ち前の行動力を生かして、憧れのアニメーターがいる会社に何とか就職。すべてがトントン拍子に進んでいくわけではありませんが、イケメン彼氏もでき、着実に目標に向かって邁進している様子がうかがえます。

が……。

<妊娠していた場合>

友達とロサンゼルスへ行くことは泣く泣く取りやめ。お腹の子の父親となったゲイブと共に、ナタリーの実家で暮らすことになり、出産に備えます。夢だったアニメーターへの道も志半ばのままストップしてしまい、育児に追われる日々を送っています。

が……。

<人生についてあーだこーだいう話ではない>

一見すると妊娠することのデメリットが大きいように見えますよね。でも、この映画のよかったところは、どちらかを肯定・否定することでもないことです。妊娠してもしなくても、いいことはあるし、悪いこともあります。全部ひっくるめて、いろんなことがある人生って素敵だよねと伝えているところは好感が持てました。結局、妊娠していなくても、仕事にも恋にもつまづくこともありますし。妊娠して子供を産んでも、それらが糧となって新しい道が開けることもありますし。映画の結末まで観て思うのは、何事もネガティブに捉えすぎない方がいいなってことです。

まあ、あくまでもフィクションですからねね、実際にこんなに綺麗な収まり方しないと思います。だから、これを観て「人生プランの参考に」なんて言うつもりも毛頭ありません。単純にエンターテインメントとして楽めればと。

個人的には、ゲイブがいいやつで安心しました。妊娠が発覚したからといって逃げたり、堕胎を提案したりといったことは一切なく、きちんとナタリーに寄り添い、責任を取ろうとします。漢気あふれるナイスガイでした。

唯一難点を挙げるとすれば、世界が交互に入れ替わるので、どっちがどっちなのか一瞬迷うところですかね。せめてもう少しナタリーの髪型に違いがあればわかりやすかったんだけど。どちらもほぼいっしょだったから(笑)

<そんなわけで>

見方によってはセンシティブな内容になりがちですが、それをポップに描いて観やすい作品でした。男女で感じ方は異なりそうだけど、アメリカらしい元気が出る系の映画かなと思います。


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