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主人公ニュートよりもダンブルドアとジェイコブの今後に期待が膨らむ『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:6/54
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【ジャンル】

ファンタジー
アクション

【原作・過去作、元になった出来事】

・小説
 『ハリー・ポッター』シリーズ(1997-2007)

・映画
 『ハリー・ポッター』シリーズ(2001-2011)
 『ファンタスティック・ビースト』シリーズ(2016-)

【あらすじ】

魔法動物を愛するシャイでおっちょこちょいな魔法使いニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)。黒い魔法使いゲラート・グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)による、魔法界だけでなく人間界も支配しようとする野望を阻止するべく、恩師のアルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)や魔法使いの仲間たち、そして人間(マグル)と寄せ集めのチームを結成。

その中で、ダンブルドアと彼の一族に隠された秘密が明らかになる。

【感想】

「魔法ワールド」フランチャイズ第11作目。
ファンタスティック・ビースト』シリーズ第3作目。

安定の面白さではあります。ダンブルドアの知られざる過去と、かわいい魔法動物、そして圧巻のファンタジー映像は映画館の大きなスクリーンで観てこそ。

<ダンブルドアの秘密が明かされる面白さ(ネタバレなし)>

今作の見どころは、『ダンブルドアの秘密』という副題にある通り、彼の知られざるエピソードが明かされるところでしょう。この"秘密"には2つの意味があるんじゃないかなって思いました。

ひとつは、アルバス・ダンブルドアの過去に関する話。これは『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011)にて、彼の弟アバーフォースとのやり取りで垣間見ることができます。原作本を読んでいる人なら、もう少しその設定について知っているかもしれませんが、"ダンブルドア"というより"ダンブルドア家"の方が正確かもって思いました。

もうひとつは、アルバスのパーソナリティに関わる話です。ただ、これは前作の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)で、それを予見させる雰囲気がありましたね。さらに、過去に原作者のJ・K・ローリングが彼の裏設定について公に語ったことがあるそうなので、ここはあんまり驚きがないというか、「まあそうだろうな」っていう印象でした(笑)

いずれも今回初めて明らかにされた内容なので、より物語に深みとが広がりが加わる感じはするんですけど、正直、個人的にはそんなに衝撃はありませんでした。前作のラストの展開の方がびっくりでしたね。仲間の闇落ちと、クリーデンス(エズラ・ミラー)の出生の秘密に関わるまさかすぎる話だったので。

<主人公ニュートよりも印象に残るキャラクター>

このシリーズ、あくまでも主人公は魔法動物学者のニュート・スキャマンダーではあるものの、描かれ方としてはまわりのキャラクターの方が濃く感じるんですよね。『ハリポタ』シリーズはタイトル通り、ハリー本人が一番目立っていますけど、『ファンタビ』シリーズは、ニュートはあくまでも魔法動物を管理する役割が強く、彼以外の方が印象に残りやすい気がします。

今作では、グリンデルバルドとジェイコブ(ダン・フォグラー)を推したいですね。グリンデルバルドは、前作までジョニー・デップが演じていたものの、DV問題で降板。代打として白羽の矢が立ったのが、マッツ・ミケルセン。ヴィジュアル的にはジョニデが演じたグリンデルバルドの方が、中2病をくすぐる「ザ・悪役」みたいなキャラクターデザインで好きだったんですが、悪役としての雰囲気はさすがマッツという感じでした。見た目的な派手さはないけど、あの常に余裕を感じさせる雰囲気は最高ですよ。過去に『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)や『ドクター・ストレンジ』(2016)でもヴィランを演じてきた彼だからこそ、成せる業かもしれません。

そしてジェイコブ!本当にいいキャラしてますよね!あの中での唯一のコミカルキャラだから、ストーリー的にだんだん暗くなっていく中で、すごく光ってます。陽気だし懐も広いし、ちゃっかりロマンスしちゃってますし。今後の彼の活躍がとても楽しみです。

てか、クリーデンス(エズラ・ミラー)の髪型が変わりすぎてて、全然彼だと気づきませんでした。てっきりスネイプ先生の若い頃かと(笑)

<魔法動物たちの少なさ>

今作にも魔法動物は登場するんですが、かなり数は絞られてます。1作目はシリーズの導入ということもあってかたくさん出てきましたけど、今回はフラニーとピケットのみ。そもそも『ファンタスティック・ビースト』というタイトルなのに、ダンブルドアとグリンデルバルドの話に寄りすぎてて、魔法動物感ゼロなんですよね(笑)なので、かわいくて人気があるキャラクターに集中したんだと思います。

<そんなわけで>

ついにシリーズも3作目まで来ました。全部で5部作らしいので、半分超えたところです。今回、ダンブルドアとグリンデルバルドのエピソードに寄ってたので、ド派手なアクションシーンも期待したんですが、それがなかったのは個人的には物足りないところ。とはいえ、シリーズ全体で観たら、次に繋げるためにあえてこうしたのかもしれません。彼らの話は今後の展開の中でも重要だと思うので、ぜひ劇場へ足を運んでみては。


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