見出し画像

芸術家の卵たちの才能と情熱と青春が爆発していた『フェーム』

【個人的な満足度】

「午前十時の映画祭14」で面白かった順位:6/10
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:Fame
  製作年:1980年
  製作国:アメリカ
   配給:CIC
 上映時間:133分
 ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
元ネタなど:なし
公式サイト:https://asa10.eiga.com/2024/cinema/1320/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
NYの舞台芸術専門学校では、秋の新学期を前に十代の若者たちへのオーディションが行われていた。

合格したのは、ゲイであることを隠している俳優志望のモンゴメリー(ポール・マクレーン)、内気で不器用なドリス(モーリーン・ティーフィ)、キーボード奏者志望のブルーノ(リー・キュレーリ)、ゴシップ好きのリーサ(ローラ・ディーン)、そしてスラム街育ちで野心的なコーコ(アイリーン・キャラ)たち。

そして彼らは入学初日を迎える。

【感想】

午前十時の映画祭14」にて。1980年のアメリカ映画。実在する芸術専門学校に通う生徒たちの入学から卒業までを描いた青春群像劇。芸術と若さが合わさったある意味カオスな映画でした(笑)

<芸術家を目指す子たちはクセが強い>

この映画で面白かったのは、登場人物の個性的すぎるキャラクターです。みんな芸術方面に秀でているからか、クセが強いんですよね。多分、誰もが「自分が一番才能がある」って思ってる気がします(笑)とにかく、内に秘めた想いってのが強そうで、それをすべて絵なり音楽なりにぶつけてる印象を受けました。常に何かを表現したいと思っているんでしょう。食堂で誰かが始めた音楽に徐々にみんなノリ始めて、最終的にどんちゃん騒ぎするシーンなんか、ただの陽キャなのか自己表現なのかわからないぐらいにはカオスでした(笑)

<葛藤と対立に苛まれる7人の若者たち>

そんな中でメインで映し出される7人の若者が本作のメインです。俳優志望のモンゴメリーは、著名な女優を母に持ちつつ、自身の性に悩む役どころです。

キーボード奏者志望のブルーノは、古典的な楽器には目もくれず、今でいうシンセサイザーを駆使した現代的な音楽を作り出していきます。

ゴシップ好きのリーサは、ダンサー志望で本人もやる気はあると口では言うものの、先生にはそう映らず「やる気も才能もないからやめなさい」と言われてしまいます。

女優志望のコーコは、自分のキャリアと並行してブルーノの才能を広めたいと思いながらも、変なカメラマンにそそのかされ、怪しい写真を撮られるハメに(今ならセクハラでそのカメラマンは終わるでしょう)。

俳優志望のラルフは、奔放すぎるキャラクターで好き嫌い分かれる人物ながらも、実は自身は暗い過去を背負っています。

ダンサー志望のリロイは、元は友達の付き添いで学校の入学オーディションに来たのに、彼のダンスの才能に惚れ込んだ学校側がその友達を落とし(単にスキルが伴っていなかったからですが)、リロイを入学させました。だから、彼は常にアウトロー風というか、あまり学校に執着がないようで、いつも教師に反発しています。

唯一、女優志望のドリスだけは、自身が平凡すぎることを悩み、自己肯定感が低い性格でした。そのためか、彼女はラルフと相性が悪いんですけど、その両極端な性格が逆にハマったのか、やがて男女の仲になります(笑)

そんな感じで、多種多様なキャラクターたちの学園生活を追っていく流れですね。他の学園モノと違って努力と才能がモノを言う世界なので、各登場人物の葛藤や対立が強く描かれているのが印象に残るポイントです。中でも、リーサが先生からやめるよう言われるシーンや、自信過剰でガキ大将っぽいポジションだったラルフがコメディアンとしてダダ滑りして自信喪失するシーンは同情しました。

<圧巻のダンスシーン>

あと、個人的に印象残ったのは、学校の前の大通りで生徒たちが踊り狂うシーンです。ブルーノは自分の作った音楽をあまり人に聴かせたがらなかったんですけど、タクシー運転手の父親がこっそりテープを持ち出して、外付けのスピーカーから爆音で流しちゃいます。それを聴いた生徒たちがわらわらと通りに出てきて、他人への迷惑を省みずに大騒ぎする光景は衝撃的でしたね~。通りがかりの車の上に登って踊ったりして警察まで出てきちゃうんですけど、なんかすごく楽しそうに見えました(ダメ絶対)(笑)

<そんなわけで>

何者かになりたい若者たちの才能と情熱が爆発した青春映画として、個人的にはとても楽しめる内容でした。普通の学園モノとはまた違った雰囲気なのでオススメしたいです。ちなみに、モンゴメリーを演じたポール・マクレーンですが、どこかで観たことあると思ったら『ロボコップ』(1987)の終盤で硫酸浴びて半分溶けてしまうエミール役の人でした(笑)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?