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テレビを見ないのは若者ばかりだと思ったら大間違いだ

最近、テレビを見ない。
少し前までは、いわゆるゴールデンタイムと呼ばれる時間帯は、必ずと言っていいほどテレビがついていた。
しかし、最近は気がつけばパソコンやタブレットで、配信の映画やドラマを見ている。
そうでなければ、読書。
テレビをつけることがあっても、同じように配信のものを見ている。
僕は、主にNetflixやAmazonプライム、たまにDisney +やAppleTV。
妻は、時々、CSでも海外ドラマを見ている。

よく若者のテレビ離れと言われる。
あるデータによると、1日に少しでもテレビを見る人の割合が、
10〜15歳で、2015年の78%から2020年には56%に、
15〜19歳で、71%から47%に、
20代で、69%から51%に、
30代で、75%から63%に、
40代で、81%から68%に、
50代でも、90%から83%に、
それぞれ減少している。

どこまでを若者に含めるかにもよるが、これを見る限り、テレビ離れをしているのは若者だけではないようだ。

最近では、テレビを持たない若者も増えているらしい。
また、チューナーのないテレビが売れているとも聞く。

生まれた時からテレビがある世代としては、僕たちが最初の方だろう。
もちろん、白黒テレビではあるが。
とにかく、朝から晩までテレビがついているのが当たり前だった。
朝なんかは、ほとんど時計代わりでもあった。
このコーナーが始まったら着替えなあかんとか。

子供の頃には、何曜日は何時から何チャンネルで何を見るか、全て暗記していた。
親からは、もっと大事なことを覚えなさいと言われたけれども。
翌日学校に行けば、
「昨日、あれ見た?」という話題で持ちきりになることもあった。

そんな世代の僕たちですら、テレビを見なくなってきた。
何故か。
単純に、面白くないのだ。

最近のゴールデンタイムの番組は、どこかから集めてきた、動物動画や、おもしろ動画、衝撃動画を垂れ流し、タレントは、ええー、とか、うわー、とか言ってるだけ。
そんな番組が、あまりにも多いような気がする。
中には、もうネットでひと回りしたような動画を、さも初めて見ましたような反応をスタジオがしていたりする。

ドラマでも、何人かの数字が取れるという俳優を使いまわしているだけ。
医者か、刑事か、やたらタイトルが長かったり。
いい加減、視聴者にも見破られてきているのではないか。

かつて、日曜劇場が、東芝日曜劇場であった頃は、ドラマ界の紅白と呼ばれていたと聞いたことがある。
つまり、役者も東芝日曜劇場に出られるようになれば一人前ということだ。
確かに、いいドラマがあった。
医者も、刑事も、殺人者も出てこないが、引き込まれるドラマが数多くあった。
「幻の町」などは、家族でみんな無言のまま見入っていたのを覚えている。
大竹しのぶと江藤潤の「若きいのちの日記」は、両親の前で涙をこらえるのに必死だった。
そこには、今のような、数字を取らんかなという姿勢は微塵も感じられなかった。
それよりも、いいものを作りたい、感動を届けたいという姿勢が見ている方にも感じられた。
もし再放送してもらえるなら、絶対に見る。

最近はコンプライアンスの問題もあるのだろう。
しかし、タバコのCMはやめたくせに、アルコールのCMは相変わらず垂れ流しているテレビ局が何を言っているのかという感じだ。

ヴィランの真似をして事件を起こす者がいる一方で、ヒーローの真似をして、ヒーローのような行動をする人もいるはずだ。
ただ、そんな人は、ヒーローのように仮面を被ったり、変身したりしないから分からないだけの話だ。
そんな人を見つける努力もせずに、ヴィランと一緒にヒーローまで隠してしまう。

生まれた時からテレビがある僕たちとは違って、このままいけば、テレビがないのが当たり前の世代が生まれてくる。
それで、いいというのならそれでもいいだろう。

でも、テレビで育ってきた世代としては、やはり頑張って欲しいと思うのだ。
難しいことではない。

いいものを作ればいいだけのことだ。
数字を取ろうとして、ボクシングの試合が始まる何時間も前から番組を開始したりしなければいい。
〇〇のドラマ化ばかりではなく、オリジナルのものも作ればいい。
俳優ありきではなく伝えるものを考えればいい。
新しい人材を発掘してやろうという気概を見せればいい。
映画の続編をテレビでやるのもいいかもしれない。
最近はTverでも始まっているが、テレビと同時配信ももっと広めるべきだ。
できることは、いろいろある。



もちろん、考えなければならないことは他にもいろいろあるだろう。
スポンサーの問題もある。
しかし、スタートは、単純なことだと思う。
精神論は嫌いだが、やる気は大切だ。

では、僕は今からNetflixで、配信されたばかりの、あれのシーズン3を見ます。

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