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『白い詩集』

ある日少女は町に行き、白い詩集を買いました。
小さなページの小さな言葉。
今は寝息を立てている、生まれたばかりの言葉たち。
いつか愛しいその人に、優しく優しく語るはず。
いつか優しいその人を、愛しく愛しく包むはず。
その日を夢見て眠ります。
詩集を抱いて眠ります。

目覚めた今日は昨日と同じ。
夢見た明日も変わらない。
変わらないなら眠ること。
目覚めるよりも眠ること。
白い詩集を胸に抱き、その日を信じて眠ること。
ある日、少女の胸の中、赤い詩集になりました。
真っ赤な言葉が流れます。
少女の胸に流れます。

その後、言葉は行方不明。
今では、どこかの書棚の奥に、そっと隠れているらしい。

開いた本のその中に、赤い言葉を見つけたら、思い出してはもらえませんか。
詩集を抱いた少女のことを

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