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事実としての物語〜映画「グッド・ナース」

「事実を元にした物語」とよく映画の冒頭に流される。
先ずは、完全な創作ではないということわり。
その上で、報道などでは明らかにされなかった事実を描いたもの。
また、その出来事に対してのある仮設を描いたもの。
事実は小説より奇なりのごとく、その出来事があまりにも突飛な内容であった場合。
こんなにぶっ飛んでますけど、これは事実なんですよという裏付け。
コーエン兄弟による「ファーゴ」などは、そこからして既にフィクションの始まりだった。

シングルマザーとして2人の娘を育てるエイミーは、自身も心臓病を抱えながら夜勤看護師として働いていた。
過酷な勤務の中でも患者に寄り添う姿勢を崩さない彼女だったが、心身共に限界を迎えていた。
そこに、そんな勤務状況を緩和すべく、新たにチャーリーが配属されてくる。
親切なチャーリーにエイミーも心を許していく。
しかし…
チャーリーの配属とともに、病院内では患者にの突然死が多発する。
調査に乗り出す、刑事のティムとダニー。
調べていくと、チャーリーが過去に勤務した病院でも、同様のことが発生していたことがわかる。
しかし、評判と管理ミスの指摘を恐れた病院は、彼を辞めさせることで事実を覆い隠してきた。
今回も、病院は彼を強引に解雇することで事を終わらせようとする。
さらに、病院は操作にも口を閉ざし、刑事が要求する資料も理由をつけてなかなか提出しようとしない。
いっときは心を許したエイミーだが、チャーリーの行動に疑問を持ち、警察の捜査に協力する。
しかし、あるのは状況証拠のみ。
そこで、エイミーと2人の刑事は、強硬手段に出る。
そして、明るみになる、チャーリーの狂気。
病院という、身を委ねるしかない大きな密室での恐怖。

事実を元にして作られた映画、その作品そのものが、ひとつの事実でもある。

エイミーには、アカデミー賞主演女優賞のジェシカ・チャスティン。
チャーリーには、これもアカデミー賞主演男優賞のエディ・レッドメイン。
2人の演技が光る。
刑事のティムに、捜査官役がピッタリのノア・エメリッヒ。
ダニーに、ンナムディ・アサマア。
この方は元NFL選手だとか。

秋の夜長を、映画の余韻で過ごすのもオツなものです。
「グッド・ナース」は、Netflixで配信中。

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