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通訳さん、頑張って!

昨日の夕方、ウクライナのゼレンスキー大統領が、日本の国会で演説をした。
日本の国会議員には、スタンディングオベーションは似合わないなあと、改めて思った。
だからと言って、あそこでお辞儀をするのもどうかなあ、だけれども。

さて、その演説について、岸田首相は感動したと言っていたが、僕は正直言って感動には程遠かった。
ゼレンスキー大統領の演説の内容がどうとかいうのではない。
はっきり言って、頭に入ってこなかったのだ。
なぜ頭に入って来なかったか。
僕とゼレンスキー大統領との間に、同時通訳の方が立ちはだかったのだ。

恐らく、それほど日本語が流暢な方ではないのだろう。
もちろん通訳の都合など考えることもなく、ゼレンスキー大統領は話し続ける。
それを、たどたどしい日本語に置きかえて伝えている。
緊張と必死さが伝わってきた。
もう、僕の頭の中は、「通訳さん、頑張れ」しかない。

国会議員がスタンディングオベーションで拍手をしている時、僕は通訳の方に拍手をしていた。
お疲れ様。

そして、ふと思った。
通訳って、女性が多い?

僕が同時通訳というものを初めて知ったのは、鳥飼玖美子さんだ。
画面の中で話される英語を、ほぼ遅滞なく日本語に、しかも正しい文章にして訳していく姿には、子供ながら驚いたものだ。

その後、さまざまなところで、通訳の方を目にしてきた。
思い返せば、そのほとんどが女性だった。

各国の首脳会談の場においても、その後ろから耳元に通訳しているのは、女性だった。

ググってみると、国際会議通訳者協会(AIIC)というところのデータでは、通訳者の約75%が女性とのこと。

その原因もググってみると、やはり同じような疑問を抱いている人はいるらしく、様々な説が出てきた。
その内容をざっと、あくまでもざっと見たところ、大きく3つに分けられそうだ。

ひとつは、通訳の収入に原因があるというもの。
つまり、通訳をして得られる収入が低いために、それで家族を養うまでには至らない。
そのために、家庭の主婦等が、パート感覚で働いているというもの。
また、男性で外国語のできる人は、通訳よりも商社などで活躍するとしている。

ふたつ目は、通訳という仕事が、コンパニオン的な位置づけで見られているというもの。
つまり、見た目ということだ。
むさ苦しい男が横に立っているよりも、女性の方がいいでしょ、というわけだ。

そして、みっつ目は、男女の脳の使い方にその原因があるというもの。
長くなるので、細かいことを省略して言えば、女性の方が、外国語を習得するのに向いているということだ。
TOICでも、女性の方が男性よりも点数は高いらしい。
まあ、そこは女性の方が真面目に勉強するからだとも言えると思うが。

さて、このみっつ目の説に関しては、もしそうだとしても、男性も勉強時間や勉強方法で、克服できそうにも思う。

ふたつ目は論外だろう。
女性をいかなる理由であっても、飾り物にするのはいい加減にやめるべきだ。
おじさんの横におじさんが立っていても、これは見慣れるしかない。
ZAZYのように、
「ただいま見慣れていただく時間です」

問題はひとつ目の収入の点だ。
収入の低い仕事は女性がやるものという構造がまだまだ根強く残っているのだろうか。

女性の幹部登用などが社会では言われている。
それはもちろん大切な課題だ。
しかし、上ばかり意識しているところで、取り残される問題が必ずある。
それで助かっている女性がいるのならいいではないか、ということではないはずだ。

AIが進化すれば通訳の仕事も無くなるだろうということもよく聞く。
本当にそうだろうか。
それは、英語なんか勉強しなくてもそのうちGoogleがやってくれるから、と屁理屈をこねる中学生と同じような気がするのだけれど。

ゼレンスキー大統領の演説を見て、全然関係のないことを考えてしまった。
演説の内容は、後で確認しなければ。

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