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『月夜の晩に』
月の姉妹はお年頃。
月の姉妹は罪作り。
妹は瞳で男を誘い、
姉は美貌で踏みにじる。
妹は言葉で男を騙し、
姉は視線でとどめ刺す。
夜な夜な続く酒宴でさえも、
時々余る夜の名残り。
殺めた男を懐かしみ、
不意に流れるその涙。
月の涙にご用心。
月夜の晩のひとしずく。
月夜の晩に行ったのさ。
君のお家に行ったのさ。
月の光に身を隠し、
そっとたたずむ窓の下。
聞こえてくるのは恋の歌。
あいつが歌う恋の歌。
君が応える恋の歌。
僕も歌うよ恋の歌。
それでも君は気づかない。
悲しい歌は火となって、
静かに静かに燃えたのさ。
こっそりこっそり燃えたのさ。
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