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【俳句】五七五で京都案内〜碧 萃生

冬うらら蹴上けあげ岡崎疎水辺り 

柳枯る四条木屋町高瀬川

冬紅葉加茂街道にくびれあり

かざし見る比叡颪ひえいおろし圓通寺えんつうじ

冬ざれの裏寺町を下りけり

今の京都におすすめの場所なんてない。
雑誌やテレビで、そんな企画を見かけるが、あんなのは嘘っぱちだ。
行ったって、いっぱいで入れない。
人しかいない。
最悪、たどり着けない。
京都なんて、東京からすれば田舎だ。
混雑した田舎、田舎の人混み、そんなのが見たければ、どうぞ、今がその時だ。
京都の風情など、今や頭の中にしかない。
京都市長にもし京都市民を守る気があるのなら、「迷惑です、京都に来ないでください」と声高らかに叫ぶべきだ。
と、思っている京都市民は多いのでは。
(相変わらず、マー君さんはズルい書き方するなあ)

そんななかで、僕の記憶の中にあるおすすめポイントを五七五で詠んでみた。
今、そこに「京都」があるかどうかは、一切関知しない。

三条通り蹴上から岡崎方面へのゆるい坂道。
ここの景色が僕は好きだ。
インクラインから疏水に出る道。
疏水の向こうは岡崎動物園。
途中右に曲がれば南禅寺。

高瀬川沿いの木屋町通り。
恐らく今は観光客でいっぱいだろう。
できれば、四条通りからこの木屋町通りを南に歩いて欲しい。
そうすれば、比較的人混みを避けられるのではないか。

京都の人は、鴨川を、高野川との合流地点から上流を賀茂川、下流を鴨川と書き分けている。
その上流の方の賀茂川沿いの道を加茂街道と呼ぶ。
鴨と賀茂と加茂?ややこしい。
川沿いのまっすぐな道だが、確か上賀茂橋を超えたあたりで、少しだけくねっとしている。
なんともセクシーなくびれ具合だ。

京都市の北に岩倉という地名がある。
そこの、圓通寺。
昔は、ゴールデンウィークでも人影まばらな穴場だった。
比叡山を借景にした庭園を、当時は一年中ゆっくり見ることができた。
今はどうだろうか。

京都に修学旅行に行った人は必ず訪れたであろう、新京極。
その西側には寺町通り。
どちらも、観光客で賑わっている。
その新京極の東側に、六角通りから四条まで間の短い通りがある。
裏寺町通り。
僕たちは「うらてら」と呼んで、高校生の頃は、そこのお好み焼き屋が溜まり場になっていた。
短い通りだが、結構な数の寺が並んでいる。
ちなみに、ご存知だとは思うが、京都では北に進むことを「上がる」、南に進むことを「下がる」と言う。

以上、あくまでも僕の記憶の中の「おすすめ」
こんなに混んでると言われているのにやってくる観光客を見て、
「なんで混んでるのに来るのかなあ。あっ、わたしたちもか」
と、ひとりツッコミを入れるには最高の場所。

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