見出し画像

【俳句】冬至〜碧 萃生

歳時記を灯りの下に冬至かな

夕刊の来る時家に居る冬至

シュトーレン日毎に薄く冬至かな

先日、父の蔵書の中から一冊持って帰った。
「カラー図説 日本大歳時記」、「座右版」とある。
監修が、水原秋桜子、加藤楸邨、山本健吉。
発行は第一刷が昭和58年11月18日で、これは昭和59年1月24日発行の第四刷。
わずか2か月で第四刷と言うことは、当時は結構売れたのだろうか。
定価12,000円のところ、刊行記念特別価格で9,800円。
とにかく重い。
2、3キロはあるのではないか。
十分筋トレにも使える。
父も、これを新刊ではなく古本屋で手に入れた。
結社の集まりで教えてもらい、すぐに京都市内の古本屋まで母と2人で出かけたとか。
その後、結社の主宰もその古本屋を訪れたが残念そうにしていたらしいと、母は自慢そうに話してくれた。
両親は運転はできない。
こんなに重たいものを2人でとは言え、よく持って帰ったものだ。

「カラー図説」とあるだけあって、写真や図も豊富で、眺めているだけで面白い。
この年末年始は、これで楽しく過ごせそうだ。

ところで、歳時記には季節ごとに分冊になっているものもある。
そうした歳時記でも、新年は新年として一冊になっているので、合計5冊を揃えることになる。
定価も他の季節と同じだ。
しかし、他の季節の歳時記は約3ヶ月ほど使えるのに対して、新年の歳時記は年明けから、だいたい1月15日あたりまで。
これって、かなりコスパが悪くないか。
いやいや、先人の採取した言葉の数々、コスパなどいう狭量な考えでは図れない重さがあるのだ。


最近は、週に3、4日の仕事の日以外、夕方は自宅にいることが多い。
普通に勤めている人、特に土日が休みの人は、夕刊が届く時に家にいることはほとんどないだろう。
夕刊がポストに届く音を聞いて、今はこんな生活なのだとあらためて思う。


シュトーレンなどと言うものは、僕が子供の頃にはなかった。
いや、どこかにあったのだろうけれども、身近ではなかった。
いつ頃から、広まってきたのだろうか。
僕は食べたことがない。
特に膵臓を悪くしてからは脂質制限をしているので、今後も僕の口に入ることはないだろう。
それでも、もし僕が食べることになれば、冬至のころにはかなり薄く切らないと、クリスマスまでもたなくなっているに違いない。

それにしても、今年は寒い冬至になった。
みなさん、お気をつけて。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?