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ithem_noramoyo
『台にアニバーサリー』 # 毎週ショートショートnote
「警部、これはダイイングメッセージでは」
「手帳の『台にアニバーサリー』がかね」
「最後の文字ですからね。少し血も」
「よし、ここはマー君探偵に助けてもらおう」
「遅くなりました。探偵のマー君です」
「すまない。実は、かくかくしかじか」
「なるほど。見せてください」
「どうだろう」
「この家の持ち主は、かにさんですか?」
「どうしてそれを」
「こう言うことですよ」
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「本当は、『かにアニバーサリー』と書こうとしていた時に、転んでしまった。それで、少し手が震えてしまった」
「でも、ちょっと無理が」
「事実は小説より奇なり、ですよ、警部」
「だが、死体はどこに」
「誰が殺人事件だと」
「通報者は、手帳についた血を見て早とちりしたのでしょう」
「では、かにさんは」
「多分、そろそろお帰りに。ほら」
「かにさん」
「かにです。転んじゃいましてね。それで治療に。そうだ、皆さんも、かにアニバーサリーパーティーにご出席下さい」
「わかりました、警部、そうしましょう」
二周年、おめでとうございます!
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