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『嫌われる勇気』を読む【第二夜】

本日の読書感想文は、岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』の【第二夜】(P59-124)です。読書ノートを書いていきます。

なぜ自分のことが嫌いなのか《P62-69》

自分を変えたいのに自分の思い描くような結果が出せない… という挫折の経験が続いていくと自信が揺らいでしまいます。不甲斐ない「いまの自分」を受け容れることで態度が卑屈になってしまう場合もあるかもしれません。

青年の口にした悩みを分析する哲人のことばは的確だけに厳しいものです。あらゆる行動は自分が直視したくない現実を避けという目的を達成するための手段に過ぎない… それを認めないと全ては始まらない… 全ての悩みは人間関係に帰結するというアドラー心理学の教えの大切な部分です。

すべての悩みは「対人関係の悩み」である《P70-73》

われわれは孤独を感じるのにも、他者を必要とします。(P70)
個人だけで完結する悩み、いわゆる内面の悩みなどというものは存在しません。どんな種類の悩みであれ、そこにはかならず他者の影が介在しています。(P72)

劣等感は、主観的な思い込み《P73-78》

厄介な劣等感との付き合い方についての解説です。

劣等感=自らへの価値判断、自分には価値がないのだ、この程度の価値しかないのだ、という感覚。主観的な解釈が問題であり、自分の手で選択可能。

言い訳としての劣等コンプレックス《P78-83》

「向上したい」、「理想の状態を追求したい」は、健全な「優越性の追求」であり、その対にあるのが劣等感。

劣等感も、使い方され間違えなければ、努力や成長の促進剤となるのです。(P80)

自らの劣等感を言い訳に使う劣等コンプレックスが問題と指摘します。ライフスタイルを変える勇気を放棄する態度ということです。

本来はなんの因果関係もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し、納得させてします。(P82)

自慢する人は、劣等感を感じている《P84-90》

自らの劣等コンプレックスを言葉や態度で表明する人、「AだからBできない」といっている人は、Aさえなければ、わたしは有能であり価値があるのだ、と言外に暗示しているのです。(P84)

劣等コンプレックス⇒優越コンプレックスに変化する。 例)権威づけ

権威の力を借りて自らを大きく見せている人は、結局他者の価値観に生き、他者の人生を生きている。(P87)

不幸自慢:自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。

不幸であることによって「特別」であろうとし、不幸であるという一点において、人の上に立とうとします。(P88)

人生は他社との競争ではない《P91-94》

われわれは「同じではないけれど対等」(P92)
「違い」を善悪や優劣と絡めてはいけない(P92)

「お前の顔を気にしているのはお前だけ」《P94-100》

対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません。(P95)

権力争いから復讐へ《P100-105》

権力争いを挑む人と争った結果、相手が復讐の段階まで至ると対人関係は崩壊してしまいます。その態度を貫くのは難しいなあ… という気持ちもあります。

非を認めることは「負け」じゃない《P105-108》

人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れている(P107)

直面する「人生のタスク」をどう乗り換えるか《P108-113》

【人生のタスク】仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスク
行動面の目標:①自立すること
       ②社会と調和して暮らせること」
心理面の目標:③わたしには能力がある、という意識
       ④人々はわたしの仲間である、という意識
仕事を通じて他者から批判され、叱責されること、お前には能力がないのだ、この仕事に向いていないのだ、と無能の烙印を押されること、かけがえのない「わたし」の尊厳が傷つけられることが嫌なのです。(P113)

赤い糸と頑強な鎖《P113-118》

交友のタスクと愛のタスクが解説されています。

「人生の嘘」から目を逸らすな《P118-122》

人はその気になれば、相手の欠点や短所などいくらでも見つけ出すことができる、きわめて身勝手な生き物なのです。たとえ相手が聖人君子のような人であったとしても、嫌うべき理由など簡単に発見できます。だからこそ、世界はいつでも危険なところになりうるし、あらゆる危険を「敵」と見なすことも可能なのです。(P120)

人生の嘘=人生のタスクを回避しようとする事態

所有の心理学から使用の心理学へ《P122-124》

なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか(P122)

まとめ

第二夜は、非常に腹落ちしやすい内容でしょう。最後に青年が吐露しているように「勇気を出せ…と言われてもなあ…」という気持ちも残ります。競争から降りる発想は身に付いていた気は思いますが、対人関係への苦手意識は払拭できていませんので、まだライフスタイルを変化させきれていません。

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