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原点は息子の誕生

雨が降り、冬に逆戻りしたかのような寒い朝です。
こんな日は、心が暖まるお話が提供出来たらいいのですが‥ 私の原点、息子が誕生し、自分が父親になった日に時間を戻したいと思います。

雨の夜に産まれた息子

最愛の息子が生まれたのは、3月後半の雨の降る夜でした。当時、私は大阪に勤務していて、翌月1日付けで東京に転勤することが決まっていたので、その日は最後の挨拶回りで岡山に出張中でした。

仕事を終えたその日の帰り道、神戸の自宅に帰る途中で妻の母親から、妻が急に産気づき、緊急入院することになったとの電話を受け、慌てて東京に向かうことになりました。元々4月に帝王切開で産むことが決まっていて、手術日も決まっていたので、連絡を受けた時は動揺しました。とにかく母子共に無事であってくれと祈っていましたら、新幹線の中で、無事に産まれたとの連絡がありました。実感は湧きませんでしたが、安堵の気持ちがこみ上げたことを覚えています。

深夜の初対面

病院に辿り着いた時には、もう深夜になっていて、一般の面会時間は過ぎていましたが、事情を話すと非常口から入れてくれました。妻が入院している病棟に着くと、妻は検査中ですぐには会えませんでしたが、看護師さんが生まれたばかりで保育器で寝ていた息子を抱かせてくれました。

病室だったのか、廊下だったのかは忘れましたが、初めて我が子を抱いた時の感触だけは今でも鮮明に覚えています。息子は予定よりも早産だったので、平均よりも小さい身体で生まれてきました。生まれたばかりの赤ちゃんとはこんなに小さくて、軽いものなのかと思いました。同時に、これから人を養い育てることの責任を強く感じた瞬間でもありました。人の誕生というのは奇跡だと思いました。

原点にピン止めしておくべき瞬間

息子は妻と結婚して10年目にできた待望の子供でした。私はそれ程子供好きだった訳ではなく、子宝に恵まれなくても、夫婦二人で仲良く、気ままに過ごしていくのも悪くないと考えていましたが、妻の方が自分達の子供を産み、育てることを強く望んでいました。妊娠がわかった時は私も嬉しかったですし、男の子だとわかってからは、画数占いで名前を考えたり、数ヶ月間、ワクワクしながら過ごしていました。

息子が生まれたあの日は、私の人生がこれまでとは違うステージに入った日であり、『原点』として永遠にピン止めしておかねばならない瞬間です。あれからもう9年以上がたち、息子も小学四年生になりました。目標を見失ったり、道を踏み外しそうな時は、あの日の夜の記憶を思い出して、自分を律していくアンカーの役割を果たしてくれています。私達の幸せの原点には、息子がいると考えています。


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