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金曜日の随筆:カエサルの生涯に触れての雑感

また運命を動かしていく金曜日がやってきました。2020年のWK50、師走の弐です。今年も後20日余り、寒さも本格化して、COVID-19の脅威が再び増しつつありますので、久々に状況確認しておこうと思います。

今週の格言・名言《2020/12/7-13》

We are who we are now thanks to our connection with others and the kindness they share.
人のご縁で生かされ、人の厚意のおかげで今がある
There is only one success-to be able to spend your life in your own way.
- Christpher Morley, journalist, novelist/USA
成功の道はただひとつ。自分だけの生き方を見つけることだ。
ー クリストファー・モーリー ジャーナリスト、小説家/アメリカ

定点観測 on 2020/12/10

■ PCR検査陽性者数:168,573
■ 入院治療等を必要者数:22,815
■ 退院又は療養解除者数:143,006
■ 累計死亡者数:2,465
出所:厚生労働省

■ 2020年11月1日現在総人口(概算値) 出所:総務省統計局
1億2,577万人 前年同月比 ▲39万人 (▲0.31%)

カエサルのまとめから

YouTubeで愛聴している『歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO』で10回(♯142~151)に渡って放送された、ユリウス・カエサルのシリーズが昨日で最終回を迎えました。稀代の英雄、合理主義者のユリウス・カエサルの人生を軸にローマの歴史(共和政から帝政への移行)を一気通貫で学べる良い機会となりました。

ローマには人類の歴史の全てが詰まっている』と言われます。私のローマのイメージは、世界に冠たる大帝国というものでしたが、それ以前の約500年間は、法整備によって個人の独裁を許さない共和政を維持していたことは盲点になっていました。

都市国家・軍事国家として民主的なローマが成長を続け、領土拡大による繁栄を謳歌するうちに、ローマ伝統の共和政に限界がきて、機能不全を起こしていた、スピード感と秩序維持に優れる帝政(独裁)の登場は時代の必然だった、という見立てです。

そして、そんな時代のニーズにすっぽりと嵌るスペックと圧倒的な革新意欲を持っていたのが、カエサルだったという整理です。そして、ローマ人が嫌っていた帝政が大衆に容認されていったのは、カエサルが暗殺された後に独裁官の職を継いだアウグストゥスが稀代の名君だったという幸運があったからでした。

よい時間が流れたことで、伝統と思われていた帝政/独裁へのローマ人のアレルギーが薄れ、制度としての帝政が定着していった訳です。制度が確立した後、暴君が現れて混乱・苦難の時期を経験することも、反省と修正の力が働き五賢帝が現れてパックス=ロマーナの時代がやってくることも、この解釈ですっきりと理解できました。

パーソナリティ三人の最後のまとめを聴いていて、『日本は共和政向きの国かも……』と思いました。

日本は共和政? 帝政?

周囲を海に囲まれた島国であり、都市国家的運営も辛うじて可能な規模である日本には共和政が適しているのではないか? と考えたのは、この時が初めてではありません。本村凌二氏も共和政のメリットを解説されています。

個人的には、私の生きている間は、危機に際しての制限付きの独裁政という知恵を援用しつつ、賢者による集団指導体制=現行の共和政に近い政治形態であって欲しいです。ただ、日本社会の至る所に、資本主義&民主主義の組み合わせの制度疲労が目立ち、本来の機能を維持することが限界にきている予兆が見られます。今後、日本にもカエサル級の英雄が登場して、独裁政が定着する可能性は否定できません。

今は、先の見えない時代、大きく変化しつつある時代、と言われますが、同じことは、私が若者だった頃からずっと言われてきました。実際、時代は変化し続けていますし、制度も人の価値観や倫理観も、10年単位で振り返れば確実に変容しています。

価値観が大きく揺れ動く過渡期に生きていれば、失意にまみれて死ぬ可能性もあります。それは運命であり、仕方がないことです。現代の日本で暮らせることは、過去のどの時代よりも恵まれていると考えるべきでしょう。時代をどのように解釈し、どのように道を選択すれば、精一杯生きられるのかを個々人で考えて、実践することが可能な時代でもあります。いつまで続くかわからないので、日々精一杯生きたいものです。

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