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『Think right』を読む

本日の読書感想文は、ロルフ・ドべリ『Think right』です。2020年7月の課題図書の一つでした。

思考法の教科書として

ロルフ・ドべリ氏の著書は、既刊の『Think clearly』『Think smart』を読んですっかり虜になってしまったので、本書の購入も即決しました。事前に確認していなかったのですが、本書は2013年に発売された『なぜ、間違えたのか? 誰もがハマる52の思考の落とし穴』の改訂・復刻版だったようです。既刊同様、期待を裏切らない読み堪えのある内容の本で満足できました。

私は、世間の平均的な人よりは読書量が多い部類だろうと思います。学生時代は、自分の関心の赴くままに本を選んできました。働き始めてからは、自分の選んだ道で精一杯結果を出して、人生をよりよくしていきたいという思いから、ビジネス書も数多く読んできました。

この行動や習慣は、良かったとも悪かったとも判断できません。感性に深く刺さり、影響を受けた考え方もあります。多読・濫読したことで、思考方法とか、考え方のコツのようなものは身に付いた気はします。本書からも刺激を受けるパートは多くありました。

ただ、私は学んだ内容を実践できる才覚が乏しいようで、自分が期待しているほどの成功を収められてきたとは思えません。手軽に読めてしまうビジネス書はビタミン剤のようなもので、乱れたり揺れたりしがちな自分の思考を整えたり、塞ぐ気持ちの奮起を促したりする効果は発揮します。しかし、本当の実力の底上げには不向きな気もしています。

「思考の落とし穴」を意識して生きる

本書の副題に『誤った先入観を捨て、よりより選択をするための思考法』とついています。正しい決断を妨げるはまり易い「思考の落とし穴」を著者自身が纏めてリスト化したもので、具体例や喩え話をまじえながら読ませる内容になっています。あえて、キーワードを全て以下に書き抜いておきたいと思います。

▶フレーミングのワナ ▶確証のワナ ▶権威のワナ ▶稀少性の錯覚のワナ ▶選択のパラドックスのワナ ▶「あなたが好き」のスキ ▶お返しの法則のワナ ▶生き残りのワナ ▶サンクコストのワナ ▶コントラストのワナ ▶イメージのワナ ▶「いったん悪化してからよくなる」のワナ ▶スイマーズボディ幻想のワナ ▶自信過剰のワナ ▶社会的照明のワナ ▶ストーリーのワナ ▶回想のワナ ▶お抱え運転手の知識のワナ ▶報酬という刺激のワナ ▶ギャンブラーの錯覚のワナ ▶アンカリングのワナ ▶帰納的推理のワナ ▶マイナスの過大評価のワナ ▶社会的手抜きのワナ ▶倍々ゲームのワナ ▶勝者の呪いのワナ ▶人物本位のワナ ▶誤った因果関係のワナ ▶ハロー効果のワナ ▶別の選択肢のワナ ▶予測の幻想のワナ ▶条件結合のワナ ▶過剰行動のワナ ▶不作為のワナ ▶自己奉仕のワナ ▶選択のワナ ▶連想のワナ ▶ビギナーズラックのワナ ▶思惑と結果のワナ ▶共時性の奇跡のワナ ▶目先の利益のワナ ▶所有のワナ ▶満足の踏み車のワナ ▶コントロール幻想のワナ ▶ゼロリスクのワナ

各項目で説明されているワナを自分なりに日々思い返しながら実践していきます。項目別にnoteでも掘り下げてみたいと考えています。


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