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あの頃好きだった曲⓭:『ほんの短い夏』

祭日(春分の日)の夜、久しぶりに、"あの頃好きだった曲シリーズ"を展開することにします。第13回は、伊勢正三『ほんの短い夏』(1993)です。私にとって、忘れられない曲の一つです。

テレビドラマの主題歌です。

この曲は、日曜日の夜、JTがスポンサーをしていた一話完結のドラマ『泣きたい夜もある』(TBS系列23:00‐23:30 1993/4/4-9/26)のエンディングに流れる素敵な曲でした。当時の私は24〜25歳で、都会生活や仕事の勘所が少しわかり始めた頃でした。社会人として軌道に乗り始めたという自信とプライドが芽生え、一週間も働けば、生意気なことばを一つ、二つ、職場でボソボソと吐くようにもなっていました。

この曲を歌う伊勢正三(1951/11/13-)氏は、高校の先輩だった、南こうせつ(1949/2/13-)氏がリーダーを務めていた”かぐや姫”やフォークデュオ・”風”で活躍した、日本を代表するシンガーソングライターです。名曲『なごり雪』を作詞・作曲した人でもあります。前面に出ることはなく、特段主張もしない人なのに、途轍もなくカッコいい人...  それが当時の私の印象でした。

心を貫かれた歌詞より

そして世間知らずのくせに生意気だった私の心が惹かれたのが、この曲の二番の歌詞です。著作権侵害にならないことを祈って、援用させていただきます。

最後の地下鉄が街の下くぐり抜けて
君が僕の時計遅らせたと知った
ほんの五分だけの君の願い ずっと気付かずに
君が言葉には 出来なかったこと
僕は知らずに季節は過ぎてゆくよ

『ほんの短い夏』作詞・作曲:伊勢正三

今、こうして書いていても、刹那すぎて泣きそうな面持ちになります。こういう可憐な女性に、かつての私も出逢えていた筈なのに、鈍感ゆえに酷いことをしていたのかもしれません。

しんみり飲むことにしよう

明日から、また頑張ります。今宵は、しんみりとお酒を飲みつつ、記憶の時計を20代半ばのあの頃に戻して、ひとりの時間を楽しむことにします。

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