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歴史は少しづつ作られていく

本日は寝不足で、昼間は非常に辛かったです。原因ははっきりしていて、昨日の深夜に行われたサッカーワールドカップ決勝トーナメント1回戦、日本対クロアチア戦を最初から最後まで観戦したことです。試合は、1-1のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦までもつれこみました。日本はキッカー4人中の3人が相手GKに止められ、残念ながら目標のベスト8進出は達成できませんでした。死の組と言われたE組で、強豪のドイツ、スペインを撃破し、多くの歓喜をもたらしてくれた日本チームのワールドカップは終わってしまいました。本日は、私なりにワールドカップの総括をしておこうと思います。

前半のゲーム運びは理想的

対戦相手、F組2位のクロアチアは、前回ロシア大会の準優勝に輝いている強豪です。そのロシア大会の最優秀選手で、2018年のバロンドール受賞者である大黒柱のルカ・モドリッチ選手がチームを引っ張り、総合力では前回チームを上回るとの評もあります。FIFAランキングは、日本(24位)を上回る12位で、今大会は、ダークホースに挙げられています。

前半、日本チームは、クロアチアにボールを支配されながらも、組織的な守備で決定的なチャンスは作らせず、一進一退の攻防が続いていました。前半終了間際、ショートコーナーから、今大会活躍の目立つ堂安選手がゴール前に送ったクロスのこぼれ球を、FW前田選手が押し込んで先制します。この試合、ワントップに起用された前田選手は、相手DFへのチェイシングを休みなく繰り返して、守備に奔走していました。チームの為に地味に走り続ける姿に感銘を受けました。この得点は、チームの為にフリーランニングを惜しまない献身的な姿を見たサッカーの神様が、前田選手に与えてくれたご褒美だったように感じました。

総力戦。チャンスはあったが……

後半も一進一退の攻防が続く展開でした。55分にクロスボールをペリシッチ選手にヘディングで決められ、同点に追い付かれました。森保監督は、攻撃的な浅野選手、三苫選手を投入して戦局打開をはかります。切り札の三苫選手のサイド攻撃はかなり警戒されていて、なかなかよい形でボールを預けられませんでした。ボランチの位置では、遠藤選手、守田選手がボール奪取に奮闘しましたし、3バックの富安選手、吉田選手、谷口選手は、冷静に対処し、相手のシュートチャンスには身体を張りました。

90分、延長戦30分でも決着がつきませんでした。最後の方は、両チームとも運動量が落ち、総力戦・消耗戦となりました。決定機はかなり限られました。PK戦にもつれ込んだ時点で、私は勝利は厳しいのではないか、という弱気が過ぎりました。個人的には、久保選手を体調不良で欠き、攻撃の駒が一枚少なかったことが響いた印象でした。フレッシュでテクニカルな攻撃選手を投入できて拠点を作れていれば、相手のDFラインの選手も相当に疲れていたので、もっと決定的なチャンスを作れていた気もしました。

また一つ歴史が積み重なる

敗戦が決まった瞬間の日本チームの選手達は悔しかったろうと思います。もう少し見ていたいと思わせる、魅力に溢れたいいチームだったと思います。過去7度出場し、ベスト16での敗戦はこれが四度目ということで、今回もあと一歩という所で、殻を破れませんでした。また次回に向けての挑戦が始まります。

私は、日本がワールドカップに初出場した1998年のフランス大会から、試合を観続けてきました。日本のサッカーも着実に進歩しているものの、世界も同じか、それ以上に進歩している、ということなのだと思います。今大会の代表の戦いは、後世に語り継がれる素晴らしいものでした。未来への希望が持てるベスト16敗退だったと思います。

「勇気を貰った」とか、「感動をありがとう」といった掛け声をかけたいとは思いません。ただ、未来に対して下落・沈降イメージの払拭を描けない日本経済と比較して、上昇・覚醒のプラスの可能性がクリアにイメージできる日本サッカーには、希望を感じました。


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