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後世に語り継がれる決勝戦

この1ヵ月間満喫してきたサッカーワールドカップ・2022カタール大会は、ドーハのルサイルスタジアムで決勝戦が行われ、"神の子"メッシ率いるアルゼンチンが、"怪物"エムバぺ擁するフランスを、3‐3からのPK戦の末に破り、36年振り三回目の優勝を飾りました。日本時間の本日深夜に繰り広げられた一戦は、戦前の予想をも遥かに上回る素晴らしい死闘で、後世に語り継がれる名勝負だったと感じています。この大会については、二日前の記事で総括したつもりでしたが、この試合の興奮と感動の記憶は、noteの記事にして残しておきたいとの思いに駆られましたので、本日急遽書き連ねることにします。

最高の一戦が次々に上書きされるのがW杯

これまで、ワールドカップの名勝負と呼ばれる試合は、数々観て来ました。その衝撃の一瞬は脳裏に深く刻まれており、当時の映像を見ると、観ていた時のドキドキ感もそのまま甦って来る試合も数多くあります。今大会でも多くの熱戦が生まれ、ワールドカップが世界最高峰の大会である、ことを再認識することになりました。

アルゼンチン対フランスの決勝戦も、間違いなくその系譜に連なる一戦と言ってよいでしょう。まさに、

どんな優れたシナリオ作家でも、思いつかないような試合展開
ABEMA TVゲスト矢部浩之氏(ナインティ・ナイン)のことば

であり、この素晴らしい勝負を同時代に観ることができて、最高に幸運だったと感じています。大袈裟な表現ですが、それくらい価値がある濃い内容の詰まった試合でした。本日は昼間、寝不足と脱力感が酷くて、廃人一歩手前の状態になりながら何とか踏ん張りました。部屋に戻ってきて、一杯飲みながら再放送を見返しました。覚えていないシーンが幾つもあったので、途中生観戦しながら何度か、寝落ちしていたことがわかりました。

最後のピースを埋めたメッシ

優勝を飾ったアルゼンチンのエース、リオネル・メッシ(Lionel Andrés Messi Cuccittini, 1987/6/24-)は、サッカー界の誰もが認める「歴史に残るサッカー選手」です。

世界最高峰の輝かしい栄光に包まれた名選手であるメッシが、唯一手にしていなかった称号が、ワールドカップの優勝だったと言われます。それは、フットボーラーとしての偉大さにおいて、しばしば比較される祖国の英雄、ディエゴ・マラドーナ(Diego Armando Maradona, 1960/10/30-2020/11/25)との最大の違いであり続けました。マラドーナは、1986メキシコ大会において、アルゼンチン代表の絶対的なキャプテンとしてチームを牽引し、優勝を飾りました。ワールドカップを高々とかざすシーンは、今でもしばしば取り上げられる名シーンになっています。

マラドーナ in 1986

今回大会が自身5回目となるメッシは、35歳になっています。キャリアの晩年を迎え、「今回が最後のワールドカップ」と自ら公言していました。アルゼンチン・チームは、メッシにワールドカップを戴冠させることを最大目標に、強く団結していました。必ずしも戦前の前評判は高くなく、Group Cの第1戦では、格下と見られていたサウジアラビアに敗戦を喫する苦しいスタートでした。しかしその後は、大会が進むごとにチームは調子を上げ、成長を遂げていきました。私は、昔からアルゼンチン伝統のサッカーがあまり好きではないのですが、今大会のパフォーマンスは素晴らしかったと脱帽します。

異次元のエムバぺ

連覇ならず準優勝に終わったフランスは、解説の本田圭佑氏が、『世界選抜チーム』と呼ぶ才能の宝庫です。そのチームの中でも、突出した才能と実績を誇るのが、キリアン・エムバぺ(Kylian Mbappé Lottin, 1998/12/20-)でした。前回大会で優勝したチームでも、背番号10を背負う若き中心選手として大活躍し、世界中に衝撃を与えましたが、今大会では更にパワーアップした姿を見せつけました。

決勝戦でのハットトリック達成、大会得点王の獲得で、伝説のスーパースターになる存在であることは証明しました。今大会のフランスチームは、ワールドクラスの主力選手達の故障離脱が相次ぎ、苦しい台所事情を抱えながら勝ち進みました。その原動力だったのがエムバぺであったことは、間違いありません。どんなにチームが劣勢状態であっても、圧倒的な個人の力で状況を打開できてしまう数少ない選手のひとりです。次回大会では、益々注目される存在になっていることでしょう。

メッシ 対 エムバぺ

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