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仕事とビジネスは違う

「仕事とビジネスは違う」は、私が尊敬する方が言われた言葉です。その方は会社を経営されており、日々「ビジネス」をやっておられます。

その前後のお話から、私なりに解釈すると、

・仕事とは処理するものであり、やらなければならないもの。
・ビジネスとは実現したいものであり、夢中でやれるもの。
・だから、ビジネスは楽しい。

となります。取り組んでいることを「ビジネス」だと思っていると、モチベーションが続かないといった事態にはならないようです。

ビジネスには、「仕事」という要素も間違いなくあります。処理しなければいけない事務作業や、ビジネスを成功させる上で付き合わなければならない人達との交流などは避けられない「仕事」でしょう。とはいえ、自分を「仕事」をする人間と考えるのか、「ビジネス」をする人間と考えるのか、この意識付けの違いは非常に大きいものがありそうです。

私自身にも自覚症状があります。若い頃の私は、「世界を飛び回るビジネスマンになりたい」「善良な社会人になりたい」という言葉をよく使っていました。今となっては気恥ずかしい感じもしますが、明確に「ビジネス」をやりたいという意識を持っていたように思います。

それが会社で管理職になった頃からでしょうか、「サラリーマン」「会社員」という言葉を頻繁に使うようになりました。やらねばならない「仕事」はどんどん増えていくし、背負わなければ責任も重くなる。そんな日常生活を繰り返す中で「ビジネス」をやるという意識が薄れ、「仕事」をするという感覚に変化していったように思います。

いつのまにか、自分の頭で真剣に考えてビジネスのアイデアを捻り出す作業を放棄し、命じられたミッションを工夫して効率的にこなすことに集中するようになってしまっていたのです。

多くの会社組織では、命じられたミッションにうまく対処できる人が「仕事ができる人」として評価されます。会社は「ビジネス」を専門に行う組織ではありますが、構造的には「仕事はできるが、ビジネスはできない」人を大量に生み出しやすい土壌があります。目先のやるべき仕事をさばく能力は高いのに、目の前に対処すべき仕事がなくなると、何をしたらよいのかわからなくなってしまう人です。

私は長年の会社員生活の中で「ビジネスをする」という意識が欠如してしまっていた、と気付かされた言葉でした。学びに感謝です。

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