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背負っていく旅

10連休も最終盤に入りました。旅先から自宅に戻ると現実に引き戻された感じもしますが、張り切って行きます。普段は放置気味になっていた部屋の片付けをして整理整頓しました。積ん読になっていた本を確認して、今週読んでいく本の順番を決めました。

本をパラパラとめくっていると、懐かしい言葉に再会しました。

青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心のありさまを言う。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯えをしりぞける勇気、安易を振り捨てる冒険心、これを青春と言う。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて人は老いる。  …サミュエル・ウルマン「青春」

私は自由に過ごせる青春時代は大学卒業によって終わると考えていました。好きなことをしてお金を稼ぐというのは甘い考えだという価値観に支配されていました。何が何でもこれがやりたいという情熱を注げるものが具体的になかったので、大学を卒業したら、企業に就職することが既定路線でした。

公共の利益に寄与するダイナミックな仕事が出来ると信じて今の会社を選び、分別のある立派な社会人の道を歩むのだ、という決意をして、今に至っています。会社員がいいと思っていた訳ではありません。自分の力を恃んで歩いていくのは、怖かったというのが正直な所です。実際の所、お金を稼いで、生活を成り立たせることがどんなに大変かということについて、深く考えていなかったと思います。

今振り返ると、もう少しワガママな選択をしてもよかったかもしれません。必要以上に社会適応し過ぎていて、周囲が納得しやすい、失敗が少ないと思えた無難な選択をしてきてしまった気がします。その当時はそういう心境だったのでしょうから、その決断に後悔はしていません。ただ、後知恵で考えると、10代、20代に早々に理想の生き方を放棄(後回し)して、ありのままの青春を生きなかったのではないかとの疑念と反省もよぎります。

このサミュエル・ウルマンの言葉に勇気付けられるのは、年齢を重ねても青春を取り戻すことは可能と思わされることです。これまで順風満帆とは程遠い状況でしたし、分厚そうな壁に直面したのも、一度や二度ではありません。その壁を、真正面から乗り越えたり、魔法を使って擦り抜けたり、酸性雨を噴霧して溶かしたり、体当たりして押し倒したり、あらゆる方法を駆使してクリアして今の自分があります。カッコよく言えば、そうして色々なものを背負っていくのが人生という旅だと感じます。

家族を路頭に迷わせる訳にはいきませんが、打算は捨てて、分別ある"青春"にもう一度挑戦したくなっている夜です。

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