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Suicaに受けた衝撃と今後の鉄道について

本日のnoteは、Suicaに初めて出会った時の思い出とそれを活かしたビジネス設計についての私見です。

復活した鉄道熱 ~きっかけは息子

毎週日曜日は、息子と二人で【親子乗り鉄の旅】をやっています。息子との時間をどう過ごすかと色々試した結果、息子が乗りたい路線の電車に乗ってプチ旅をするのがいいという結論に落ち着きました。電車旅は、息子の満足度が高いし、保護者としても、電車さえ乗ってしまえば、夏は冷房、冬は暖房のきいた車内で過ごせるので、WIN-WINです。

息子の好きな電車関係の本やDVDを一緒に楽しんでいる内に、私も鉄道熱が高まって来ました。息子は【乗り鉄】に加えて、最近は【撮り鉄】の素養も見せ始めていますが、私は【乗り鉄】専門。コアで熱狂的な鉄道マニアではなく、【ソフト乗り鉄】といったところです。

Suicaが生み出した利便性

前置きが長くなりましたが、電車に乗るのに券売機で切符を買っていた世代としては、Suicaは本当に便利なサービスだと感じます。

東日本旅客鉄道(JR東日本)が、Suica(スイカ)のサービスを開始したのは2001年です。ICチップを内蔵したSuicaカードを自動改札機のカード読み取り部に軽くタッチして電車に乗るというタッチ&ゴー方式は、もはや当たり前の習慣としてすっかり定着しています。

今ではJR路線内だけではなく、私鉄各社との連携(関東の私鉄連合カードの名称はPiTaPa)が進み、乗り換えも簡単でスムーズです。このシステム連携が普及・定着しなければ、沿線の相互乗り入れは進まなかったと思います。

Suicaの電子マネー機能が利用できる用途・範囲はどんどん広がっています。バスにもタクシーにも乗れるし、買い物にも利用できます。私も駅構内のキオスクで買い物をしたり、蕎麦を食べたり、自動販売機で飲み物を買ったりする時は、Suica払いを積極的に使います。この恩恵を常識と感じるほど進化を遂げたのはここ20年位の話だと思うと感慨深いです。

Suicaの使い方がわからなかったあの頃

私は、Suica登場期や普及期に米国駐在をしていました。米国ではクルマ通勤で、電車に乗る機会が殆どありませんでした。東京に一時帰国した時、誰もが当たり前のようにタッチ&ゴーで改札を通っていく光景に衝撃を受けました。2005年に本帰国してしばらくは、使い方がよくわからなくて、改札でモタモタしていたように思います。

通勤定期券は最初は別のプラスチックカードでしたが、いつからか普段使いのSuicaに内蔵できるようになりました。使用履歴の検索もできるようになって出張時の交通費精算も楽になりました。Suica万歳!です。

更なる利便性拡大へSuicaシステムは有効

Suicaシステムの普及には、非接触型リーダー機器の導入コスト問題やデータセキュリティ管理問題、といった課題があるようです。

利用者側は今のサービスに特段大きな不便は感じていない、改善は期待していないのではないかという気がします。個人的には、今のシステムを完全刷新するメリットはなく、新しいテクノロジーを導入したサービス改良・拡大を期待します。例えば、永遠の課題、満員電車の解消・緩和への活用です。

満員電車の解消・緩和は、サービス提供方法の変更で

首都圏の通勤通学電車の混雑は、未だに至る所や機会で話のネタになっていますが、それ単体を問題視した議論は少々時代遅れと感じます。

私の肌感覚では、最初に通勤ラッシュを経験した30年前と比較すると、現在のラッシュの実態は大幅に改善しています。関西から東京に出て来たばかりの頃の状況は「殺人的な」という形容がしっくりきました。鉄道各社の営業努力、フレックス勤務の拡大で混雑緩和はかなり進んでいます。

三密状態そのものである満員電車の解消は急務です。いよいよ、満員電車解消の切り札である利用時間帯毎の変額料金制度を導入するべきと思います。

もはや一律料金設定は時代遅れでしょう。需要と供給の関係に則り、需要の強い時間帯に電車を利用する乗客はエキストラコストを上乗せして負担すべきです。今のテクノロジーならば、時差別の代金回収システムの実装は十分可能な筈。サービス提供側の課題は、イレギュラー対応時でしょうか。最初は混乱や不便が出ても、トライ&エラーで進めたらいいと私は思います。

今後、在宅ワーク、リモート会議が普及すると、企業が支給する通勤手当は廃止の方向になるでしょう。これも時間差料金制度導入の後押しになります。最初から割引が組み込まれている定期券の存在は厄介です。

事前割引が前提の定期券料金は変形を遂げそうです。原則は正規料金を支払って乗り、乗った回数や時間帯に応じてキャッシュバックがあるのが主流のサービスに代わっていくと思います。

一方で、新幹線・特急乗り放題のオールインクルーシブ定期券があれば、それはそれで面白そうです。お金も時間もある鉄道マニアには刺さるかもしれません。鉄道料金も、スポーツジムの料金体系やサブスクリプションモデルが参考になるように思います。




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