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近藤真彦氏のジャニーズ事務所退所に思うこと

今日から五連休です。飲食店に対して酒類提供の終日停止要請という荒技まで打ち出して、人流抑え込みを画策したにもかかわらず、新規感染者数、重症者数は、今のところ高止まりの様相を呈しています。対策として意味があるのか、甚だ疑問に感じる打ち手です。

本日のnoteは時事ネタです。2021年4月30日付で近藤真彦氏が40年以上在所したジャニーズ事務所を退所したという報道を受けての思いを残します。

ジャニーズ事務所の功労者

今年57歳を迎える近藤真彦氏は、"マッチ"の愛称で知られ、1980年代の芸能シーンを代表するトップアイドルでした。

同じジャニーズ事務所所属で、ドラマ『3年B組金八先生』の生徒役で共演した田原俊彦氏(トシちゃん)、野村義男氏(ヨッちゃん)と共に、『たのきんトリオ』を結成し、女子中高生を中心に絶大な人気を誇りました。私は彼らはじめジャニーズアイドル達の全盛時代をオンタイムで見て育ちました。当時の彼らは、今のトップアイドルとは比べものにならないくらいの大きな注目と人気を世間から集めていました。

マッチは、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長に最も可愛いがられた秘蔵っ子中の秘蔵っ子だと言われています。稼ぎ頭であった郷ひろみ氏の退所やフォーリーブスの解散によって、苦境にあった事務所は、『たのきんトリオ』の成功で息を吹き返し、後のジャニーズ帝国への基盤が固まったと言われます。マッチは、ジャニーズ事務所躍進の最大の功労者という評価になります。

ヨッちゃん、トシちゃんが退所した後は、ジャニーズ所属タレントの最古参となり、ジャニーズ軍団の長男坊的存在として、経営陣や後輩達もなかなか意見できないアンタッチャブルな存在だったようです。

不祥事、そして退所

1980年代は人気アイドルとして華々しく活躍し、1990年代になると、自分の興味があったモーターレースの世界に挑戦し、実績を残すなどキャリアの転身にも見事に成功しています。近年は、芸能活動よりも自身の名を冠したモーターレーシングチームの運営に活動の軸足を置き、自分の願い通りの人生を歩んでいるように見えていました。

ところが昨秋、自身のスキャンダルが報じられたことで、自身を取り巻く状況が一変しました。不倫という不適切行動への批判が集まり、ジャニーズ事務所から無期限活動休止処分が発表されました。そして、今回その処分解除がなされないまま、退所することが発表となりました。

2019年にジャニー喜多川氏が逝去した後は、事務所内で世代交代の動きが顕著になってきており、長らく活躍してきた後輩達の退所も相次いでいました。特別な存在として君臨してきたマッチも、言い訳の聞かない不祥事に完全に外濠を埋められて、決断せざるを得なくなった…… という印象です。

事務所最大の功労者の最後としては、やや寂しい印象は否めません。

したたかな狙いが?

若い頃のマッチには、負けず嫌いで真っ直ぐの頑張り屋、ヤンチャで餓鬼大将的なキャラクターイメージがありました。目上の人にも物怖じしない態度が好意的に評価され、業界の大御所クラスの人々にも非常に可愛いがられたと言われます。伊達歩のペンネームで、代表曲の『ギンギラギンにさりげなく』や『愚か者』の作詞を担当した作家の伊集院静氏などは、マッチをベタ褒めしています。

一方で、後輩アイドルたちへの態度は尊大で、やりたい放題の王様状態だったという説もあります。幹部からも、芸能界各方面からも特別扱いされている大先輩は、ジャニー喜多川氏の死去後、事務所の刷新に辣腕を奮い始めた滝沢秀明副社長にとって『目の上のたんこぶ』的な存在だったのではないか、という気がします。

”パージされた”と見えないように、巧妙に進めたあたりは、さすが百戦錬磨のジャニーズ事務所です。ここ数年、ジャニーズ帝国の屋台骨を支えてきたアイドル達がどんどん退所を発表し、新旧交代が鮮明になってきています。なので、このタイミングでのマッチの退所も、冷静に受け取められる土壌が既に出来てあがっています。この時期の発表は、それまでに周到に準備されたシナリオだったのだろうと推測します。

メディアにおけるテレビ一強の時代が終わりを告げ、芸能事務所が介在しない形でのタレント活動も十分に可能な時代となっています。タレントと芸能事務所の関係も変化の過渡期と言われます。ジャニーズ事務所もしたたかに経営刷新を進めている印象を受けます。

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