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【祝】松山英樹選手 マスターズ優勝! で考えたこと

ゴルフのマスターズ・トーナメントで、松山英樹選手(29歳 1992/2/5-)が見事に初優勝を飾りました。遂にこの大会を勝つ日本人が生まれたか… と涙が出ました。

メジャー初制覇

マスターズ・トーナメント(Masters Tournament 以下マスターズ)は、毎年4月第二週にアメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club 以下オーガスタ)で開催されます。

マスターズ、全米オープン選手権(U.S. Open Championship)、ジ・オープン選手権(全英オープン The Open Championship)、全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)の四つを、男子ゴルフのメジャー選手権(Major Championships 以下メジャー)と呼びます。

メジャーで優勝することは、超一流選手の証です。長く世界のトップレベルで闘い続けてきた松山選手ですが、メジャーは初優勝です。マスターズには、アマチュア時代の2011年に19歳で初出場し、ローアマチュア(27位T)を獲得。今回が10度目の挑戦(2013年は不出場)での快挙達成でした。

ゴルフ界最高峰の大会

同一年開催のメジャーを全て優勝することを、グランド・スラム(Grand Slam)と呼びますが、未だかつて達成した人がいません。

グランド・スラムの由来は、1930年に、”球聖”と呼ばれたボビー・ジョーンズ(Bobby Jones 1902/3/17-1971/12/18)が、全英アマチュア、全米アマチュア、全英オープン、全米オープンを制覇したことだと言われています。

マスターズ(1934~)の創始者は、そのボビー・ジョーンズです。メジャーの中で最も歴史が古く、権威があるのは、ジ・オープン選手権だと言われますが、私はマスターズが「ゴルフ界最高峰の大会」だと思っています。

『聖地』で勝利する意味は特別

私がそう考える最大の理由は、開催場所が、オーガスタに固定されていることです。場所が固定されていることで、

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● コース攻略の情報・定石が流布されており、最高級の技術とイマジネーションが要求されることが知られている。
● 長年のファンは、勝負の見所、攻略のツボを熟知しており、名手(マスター)達のスーパーショットを楽しみに観ている。
● 過去に起こったドラマが厚く蓄積されている。その上に毎年新しい歴史が積み重なっていく楽しみがある。
● ニューヒーローが現れる一方、歴代優勝者が永年シード権で出場するので、ファンがレジェンドとの邂逅を楽しめる。(OB会の雰囲気)
● グリーンジャケット、アーメンコーナー、など印象深い小道具がある。

ゴルフファンにとって、オーガスタは『聖地』であり、数々の名勝負が演じられたことによって、神話化が強固に進んでいっているのです。語り継がれる物語が生まれる場所が決まっている、のは大きいと思うのです。

✓ 高校野球における『甲子園』
✓ F1における『モナコ』(日本に限定すれば『鈴鹿』)
✓ テニスにおける『ウィンブルドン』
✓ 武道における『日本武道館』
✓ 駅伝における『箱根』
の原理と同じようなものが、働いている気がします。

既にゴルフへの興味を喪ってしまった私が、マスターズだけは特別視するのも、過去に観た映像と物語の思い出が密接に絡んでいるからです。『マスターズの思い出』は、いずれ別のnoteに綴ります。

あらためて、松山選手、優勝おめでとうございます! エッセイでメジャー制覇を予言していた伊集院静氏も大喜びしていることと思います。


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