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『エルヴィス』を観る

本日は仕事終わりに公開中の映画『エルヴィス Elvis』(2022)を観て来ました。その感想を綴ります。

エルヴィス広告

史上に残るエンターテイナーの伝記

史上最も売れたミュージシャン、”キング・オブ・ロックンロール”、エルヴィス・プレスリー(Elvis Aron Presley 1935/1/8-1977/8/16)の生涯を、彼のマネジャーだったトム・パーカー大佐(Colonel Thomas Andrew "Tom" Parker、1909/6/26-1997/1/21)を語り手に描いた映画です。

製作・監督・脚本を担当しているのは、『ロミオとジュリエット Romeo + Juliet』(1996)、『ムーランルージュ Moulin Rouge!』(2001)、『華麗なるギャツビー The Great Gatsby』(2013)等のヒット作品を手掛けたオーストラリア出身のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann 1962/9/17-)です。主人公のエルヴィスを、オースティン・バトラー(Austin Robert Butler, 1991/8/17- )が熱演し、名優、トム・ハンクス(Tom Hanks 1956/7/9-)が、トム・パーカー役で円熟の演技を見せています。

多彩で巧みな演出

2018年公開の『ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody』の大ヒット以来、著名なミュージシャンを主人公に据えた映画が数々公開されてきました。本作もその系列に連なる一本ではないかと思います。

私の第一印象は、「各人物へのリスペクトをもって、丁寧につくられている映画」というものでした。カメラワークも巧みだし、ストーリー展開も人物描写も優れていて、クオリティの高い作品だと思いました。細部まで手を抜かず、かけるべきところにお金をかけている感じもしました。159分と比較的長めの尺でしたが、途中で退屈することもなく、違和感のあるシーンも少なくてとても見やすかったです。

エルヴィス役のオースティン・バトラーは、スタイリッシュかつ大胆に演じていました。トム・ハンクスは、ああいう裏表のある癖の強い役柄を演じても大変巧くて、円熟と風格を感じました。脇役では、B.B.キング(エルヴィスと私生活で親しかったのかは不明)役だったケルヴィン・ハリソン・Jr(Kelvin Harrison Jr  1994/7/23-)がカッコよかったです。

世代的には……

ただ、私はエルヴィス・プレスリーの楽曲を熱心に聴いた世代ではありません。彼の登場が、当時どれだけセンセーショナルだったのか、彼の楽曲やスタイルが社会にどれだけの凄い影響を与えたのか、肌感覚でわからない部分があります。そのため、若い女性があれほど彼に熱狂し、大人たちが彼に対して剥き出しの敵意を向けたのか、完全には理解できていません。

今回劇中で知った曲も多かったのですが、日本語字幕で示された歌詞には、反抗の空気を漂わせたどきっとさせる表現が多くありました。日本語訳監修に、大御所の湯川れいこ氏が名を連ねていたので、その影響もあるかもしれません。「さすがだな」と思いました。半年後位にもう一度観たい映画です。

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