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バーホッパーが語りたい真実

本日は、「バーホッパー」が語る本音です。

バーホッパーとは?

一晩で何軒ものバーを飲み歩く人のことを、業界用語で「バーホッパー(Bar Hopper)」と言います。バッタ(hopper)みたく、腰が座らずにぴょんぴょん飛び跳ねるように店を徘徊することからこのように言われます。どちらかと言えば、否定的なニュアンスで語られる言葉です。

私はバーホッパー

私は、一部の方々からバーホッパーとして知られており、陰では「バープローラー(Bar Prowler=バーに来る不審者)Mark」と呼ばれていることすらあります。完全にディすられているのに、この名前を意外と気に入っていたりします。

早い時間にカウンターで飲んだ店では、勘定を終えた帰り際に、笑顔で「いってらっしゃいませ」と送り出されることもままあります。この後どこかのバーへホップすることが、しっかりとバレているのです。

バーホッパーの美学

私がバーホッパー人生を送る事になってしまったのは、これまでに素晴らしいバーとバーテンダーに出会い過ぎてしまったからです。行きたいバーリストに記録してある店に定期的にお邪魔しようとすると、一日一軒のペースでは到底こなせないのです。

私は、好きになったバーテンダーの方々に自分の敬意と愛着をわかって貰いたい場合、露骨な美辞麗句を並べたり、気紛れに訪れて大きなお金を使うようなことはしません。それは違うと思うのです。

私なりの誠意の尽くし方は、そのお店に、出来るだけ頻繁に、かつ、そのお店の迷惑にならない比較的空いている時間に通うことです。バーホッパーは、一発屋では駄目です。律儀にマメに足を運ぶ客でないと信頼してもらえないと思っています。

初めて訪れたお店が気に入って、話も弾んで、帰り際に「美味しかった、今日は最高でした! また来ます!」と言って帰ったのに、それから二度とそのお店に行っていない…… という経験はないでしょうか? 

私も経験がある(旅先で訪れた街の場合は、そうなってしまいます)のですが、そういうのは、バー飲みをライフワークとする人間として不誠実な態度だと考えています。自分にとっても、相手にとっても、極力そうした口だけの人間になりたくはないのです。

体力的な問題も、経済的な問題もあるので、毎晩のように飲み歩くことは出来ません。なので、「今日は飲むか……」と覚悟を決めた日に集中的にバーを回ることになり、毎回バーホッパー的な行動になってしまいます。

数軒回ってから辿り着いたお店では、プチ酩酊状態になっている時も多く、過去にはご迷惑をお掛けしたこともあったと思います。毒舌と偏屈の才能も持ち合わせているので、言動の中で失礼もあったかと思います。

そのような無礼によって不快な思いをさせたことは、クールなバー飲みを目指す者として痛恨の極みであり、本当に申し訳ないと思っています。そのカウンターに坐ると、つい油断して、甘えが出てしまうお店もあります。

バーホッパーはバーを、バー文化を愛している

私はバーが好きです。バーで飲むお酒も、そこに集う人達も好きです。AI時代が到来しても、人と人との交流が生まれるバーの風景はこれからもずっと残り続けて欲しい伝統だと心底思っています。

引き続き、Mark Prowlerをよろしくお願いします。

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