見出し画像

ペースメーカーで周囲に貢献する

本日のnoteは、『ペースメーカーで周囲に貢献する』を考えてみます。

ペースメーカーは力がないとやれない役割

最近の長距離レースやマラソンレースでは、集団を設定タイム通りに先導して目標記録達成をアシストするペースメーカーが起用されることが当たり前になりました。マラソンならば、30㎞まではペースメーカーが先導して集団を楽に走らせ、残り12.195㎞が生き残った有力選手によるガチ勝負、というパターンになっています。

また、箱根駅伝予選会も、ハーフマラソンの距離をチーム上位10人の合算タイムで争うチーム戦なので、チーム内で中堅的な実力があり、確実に走れる上級生が、集団走を牽引するペースメーカー役を務めるケースも少なくありません。

ペースメーカーは、レースの序盤から終盤の勝負に至る直前までの流れをコントロールする立場を担います。平均ペースを維持して、後続をリズムよく走らせる為には、ペースメーカー自身がそのペースで余裕を持って走り切れる走力が要求されますし、レース中は風除け役にもなる必要があるので肉体的負担は大きいものがあります。誰でもやれる簡単な仕事ではありません。後続選手を気遣う献身性や状況に応じて臨機応変にペースを調整する状況判断力も要求されます。

ペースメーカーは"死に役"

なので、利他的精神が欠如した選手は、優れたペースメーカーになれないように思います。常に周囲に目配りをして、後続者が苦しくて脱落しそうな時はあえてペースを緩めたり、集中力を欠いている選手を叱咤する必要もあります。

ペースメーカーのナイスなレースメイクで好記録や新記録が出ても、評価される機会はあまりありません。記録を出した偉業と賞賛は、途中まで引っ張ってもらって記録を出した選手に集中します。時が経てば、記録を出した選手の実績だけが歴史に残り、その時にペースメーカーが果たした貢献の記憶は忘れ去られます。

つまり、ペースメーカーは"死に役"が運命づけられた役割で、日陰の存在です。脚光を浴びるケースはまずありません。その世界に詳しい一部の玄人には功績を評価される時もありますが、一般受けはほぼほぼ期待出来ません。牽引した選手から感謝されることも、感謝されないこともあります。

ペースメーカーの貢献は恩恵を受け取った人からも忘れられがち

ビジネスの世界でも、ペースメーカー的役割の人にうまく引っ張って貰って、自分の実力以上の成果を上げた経験を持つ人がいるかもしれません。

自分がそういった経緯で周囲から賞賛を受けた直後には、その成果がペースメーカーのお陰であることを自覚しています。献身的に助けて貰えた感謝の気持ちで一杯だし、自分の力を過信せずに謙虚でもいられます。

ところが、自分が実力をつけて活躍のステージを上げていくと、あの時の感謝の気持ちがすっぽり抜けてペースメーカーが果たしてくれた貢献を忘れがちです。成果は自分の実力で成し遂げたものだと勘違いして、過去の事実を改竄して記憶している経験はないでしょうか?

ペースメーカーをやりたい

今の私は、ペースメーカーが損な役回りだとわかった上で、チャンスがあるなら喜んでペースメーカーをやりたいと思います。

ペースメーカーには一定の実力がないとなれませんし、経験を積んでいないと相手を丁度よくアシストするよい仕事は出来ません。今ならば、"死に役"は望む所です。きっと他人を勝たせるお手伝いができることに喜びを感じられる気がします。

JUN SKY WALKER(S)の『さらば愛しき危険たちよ』という楽曲の中に、

君が淋しくて辛い日は
僕をすぐに呼び出せばいい
僕が倒れて橋になろう
その上を渡ればいい

という私の好きな歌詞があります。黙って誰かの橋になれる犠牲的精神に溢れた人間でありたいものだ、と思ってきました。「ペースメーカーの役割と貢献って何だろう」と考えた時、ふとこの曲のこのフレーズが思い浮かびました。

前職時代には、犠牲的精神を発揮して橋になってみたら、土足で遠慮なく踏み付けられたり、ラッキーだとばかりさっさと渡って、振り向きもせずにどこかへ行かれたりする場合が殆どで、評価を受けないことへの腹立たしさや歯痒さがありました。

今は同じ経験をしても、もう少し寛容な気持ちで現実を受け容れられそうな気がしています。

*******
余談 本日の悲劇

朝のWalkingでしっかりと汗を流し、気持ちよくnote作成に入ろうとした所、2015年から酷使してきた愛機のSurface Pro 2がクラッシュして息絶えました。

内蔵メモリやハードディスクが限界に来ている予兆はあり、騙し騙し使って来ましたが、大容量を消費するプログラムやコンテンツの対応は限界だったようです。このnoteは、iPhoneで書けるものの、PC内やクラウドに貯蔵していた資料へのアクセスにはしばらく苦労しそうです。

サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。