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第97回東京箱根間往復大学駅伝競争予選会の雑感

本日は『第97回東京箱根間往復大学駅伝競争予選会の雑感』です。

例年とは違う予選会

気温もいい感じに下がり、いよいよ秋本番という雰囲気になってきました。装いも夏服の半袖から長袖に移行する時期です。

もう10月も中盤。従来であれば読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋を煽る空気感が蔓延している時期です。が、今年はCOVID-19の恐怖に包まれているため、少々盛り上がりに欠け、控え目な印象は否めません。

そんな中、2020年10月17日に来春の箱根駅伝の予選会が行われました。朝9時半からテレビ中継されるのを忘れていて、テレビをつけた時には、もうトップ集団がゴールし終わった後で、レースをライブで観ておりません。

今年は感染症対策の為、従来の昭和記念公園内をゴールとするコースから変更となり、自衛隊立川駐屯地内に設置された周回コースを使用し、無観客で行われました。

今年は大学駅伝初戦を飾る出雲駅伝が中止となりました。各地のマラソン大会やロードレースも軒並み開催中止に追い込まれており、寂しい状況です。ロードレースは沿道に集まってくる観客の三密防止対策が難しいので、運営側のご苦労は大変なものだと思います。その苦労を承知で、来月の全日本、伝統の箱根駅伝が開催されるのは喜ばしいことです。

予選会結果より

小雨模様で気温が下がったこと、アップダウンの少ない平坦コースで行われたこともあり、今年は驚く程の好記録が出ています。

個人の1〜4位は外国人留学生が占め、全員が1時間0分台をマーク。個人5位で日本人トップの三浦龍司選手(順天堂大学1年)が1時間1分41秒(U-20日本新記録)で入り、以下13位までが1時間1分台で走破しています。さらに1時間2分台で60位、1時間3分台を出しても173位です。

10人の合計タイムで争うチーム順位1位の順天堂大学のタイムが10時間23分34秒ですから、一人平均だと1時間2分台の換算です。11位で落選の筑波大学でも10時間34分17秒で、本戦出場権が与えられる10位の専修大学とは僅か18秒差です。各校の戦力拮抗、僅差の勝負となっています。

ハーフ(21.0975㎞)で1時間3分台の記録を出せば、一流選手と言われますから、学生の走力向上は目覚ましいものがあります。今回出場を逃した本戦常連校の中央学院大学、日本大学、大東文化大学、上武大学なども、昨年ならば楽々予選通過出来るタイムを残しています。これまで名前を聞かなかった新興チームも続々参戦していますし、各校の強化は急ピッチで進んでいるということでしょう。

今年はルーキー豊作の年

今年のルーキーは、力があると言われています。予選会日本人1位の三浦選手は、洛南高校時代から注目されていた逸材です。本職の3000m障害では、日本歴代2位の8分19秒37という好記録を今季マークしています。

順天堂大学は、3000m障害では過去に現日本記録保持者の岩水嘉孝選手(トヨタ自動車他)や現役トップクラスの塩尻和也選手(富士通)といった名ランナーを輩出した名門だけに将来が楽しみです。

予選会では、三浦選手に6秒後塵を拝した(1時間1分47秒 10位)ものの、前半から果敢に挑んだ中央大学の吉居大和選手もスーパールーキーの呼び声が高い逸材です。今季トラックの5000mで13分28秒31を出し、佐藤悠基選手が保持していたU20日本記録を15年振りに更新しています。

シード校組にも、日本インカレ5000m日本人トップの3位に入った鈴木芽吹選手(駒澤大学1年)、昨年の都大路の1区で日本人最高記録を更新した佐藤一世選手(青山学院大学1年)ら、注目の選手がいます。

今の大学1年生は、中学時代から注目されてきた選手の多い黄金世代です。一学年下で、今年5000mで高校記録を更新した石田洸介選手(東京農大二3年)らも含めて、非常に楽しみな逸材が揃っています。箱根駅伝はいよいよ21世紀生まれの若者達が疾走する時代に突入します。益々進化を遂げていきそうな予感です。

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