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『yes! ~明日への便り~』が沁みた夜 その2

土曜日は、偶然出会って以来愛聴している『yes! ~明日への便り~』の放送日です。番組の存在を知ってまだ1ヵ月強ですが、毎回の放送で取り上げられる人物からは数々の気付きと自分にyes!を言う勇気を貰っています。今夜も放送終了後に、過去の名作アーカイブを聴き直していました。

河上肇

5月は山口県に所縁の偉人特集です。本日取り上げられたのは、山口県岩国市出身の河上肇(1879/10/20-1946/1/30)でした。”貧困”に取り組み、利他精神に向き合った高名な経済学者です。

『鈍く平凡であることから始める』という姿勢から、私が近年忘れてしまっていた大事なことに気付かされました。自分は愚鈍なのだから、人の何倍も時間をかけて努力を継続することを諦めてはいけない、という教えです。

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河上肇

芥川龍之介

5/7放送の芥川龍之介(1892/3/1-1927/7/24)の回もかなり面白かったです。芥川は母の実家の姓です。実父の新原敏三の出身地が現在の山口県岩国市美和町の出身という所縁で登場していました。辰の年、辰の月、辰の日、辰の刻に生まれたので龍之介という名前が付けられたという話は、知りませんでした。また、以下のエピソードもなかなか意味深です。

彼が生まれたとき、父は42歳の厄年、母も33歳で女の大厄。
両親がともに厄年の場合、生まれた子を、一時、捨て子として扱う風習があった。
友人に一時預け、つまり、捨て、それを拾って、拾い子として育てる。
親にたたりを及ぼす子になりませんように。
『yes!〜明日への便り〜』websiteから抜粋

『人生は落丁の多い本に似ている』というのは、どきっとすることばです。斜に構えたように思えたことばが、実は開き直りの前向きな精神からのものでした。芥川龍之介といえば、類稀な文章センスで若くから頭角を現し、文壇のプリンス、時代の寵児として遇せられていたのではないか、と勝手に想像していました。ところが、先日知った吉本隆明の芥川に対する論考もあり、印象が随分と変わりました。かなり悩み深き人でもあったのだと発見があり、親近感が沸くようになってきました。生涯や作品をもっと深く調べてみたい人物です。

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芥川龍之介

人生は落丁の多い本に似ている…… 私も落丁、誤字脱字だらけの欠陥が多い人生を歩んでいるなあと思いました。気付いた瞬間からやり直せることもある。全てを元通りには出来なくとも、台無しにしない方法は幾らでもあります。割れ目やひび割れをテープで抑えた不恰好な人生が愛らしく感じたりするものです。


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