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この世は温かい言葉で溢れている。(場所を選べば)

最終出勤日から一夜が明け、これからやるべき事の整理をしています。実際には、会社員としての最後の業務が今日の午後に待っているので、まだ現役気分は完全には抜け切れていませんが、昨日までとは違う新しい空気を吸っている喜びが早速こみ上げてきています。

退職挨拶で、各部署をまわっている間に色々な方々からかけてもらった言葉を反芻しています。本日のnoteタイトル『この世は温かい言葉で溢れている』は実感です。私はこれまで素晴らしい人達に囲まれて、恵まれた会社員生活を送っていたのだなあ、と素直に感動しました。

退職理由やこれから進む道について聞かれる場合もありました。多少脚色はしたものの、ポジティブな理由とネガティブな理由があることは正直に伝えました。

これから進む道について、サラリーマンを卒業し、まずは自分の自由になる時間を確保することが第一目的であり、明確な針路は決まっていないことを話すと、驚かれました。

頂いた言葉は、多少のリップサービスは含まれているにせよ、私の決断への賛同とこれから歩む人生へのエールが詰まった温かいものでした。中には、「君が羨ましい」という意外な言葉もありました。長年勤めた会社を50歳を超えてから自己都合で辞めることは、昭和の時代であれば一大事だったと思うものの、しっかりとした計算と戦略があれば、実現可能な生き方だと納得してくれる人が多かったです。

私が孤独と周囲からの無関心に悩んで気力が萎え、気持ちが沈んでいる時に、こういった嬉しい言葉を貰えたら良かったのになあ…… と思わなくもなかったです。でもまあ最後の最後で、自分がこれまで歩んできた仕事人生を肯定されたと感じ、自信にはなりました。

私の会社員生活は恵まれていました。言葉は、使う人に悪意が込められていれば、鋭利な刃物になります。悪意が込められた言葉を浴び続ける環境にいれば、素直で良心に溢れた心の持ち主でも、心が荒んで、ネガティブな感情を溜めていきます。

逆境に耐える時期は必要だと思いますが、程度問題があります。人間はそんなに強くないので、悪意を含んだ言葉を吐く人達に囲まれて暮らしているのであれば、一刻も早く逃げ出す方法を考えた方がよいと思います。

その場所で成し遂げたい大きな目標があるのであれば別ですが、強い思いがないのに、普段過ごす家庭や学校、職場が暗黒の環境であれば、地獄です。居心地の悪い世界に適応し過ぎるのはとても危険なことです。

私は、この世は温かい言葉で溢れていると信じますが、それには「場所を選べば」という条件が付きます。与えられた場所で花を咲かせようというのは理想ですが、枯れてしまうリスクも高い生き方となります。必要な光も水も肥料も与えられない環境で踏ん張り続ければ、エネルギーの持ち出しばかりで、消耗は大きくなります。

私のような凡人は、逆境を跳ね返せる強い人間を目指すよりは、幸運が舞い込む確率の高い環境に身を置くことの方が遥かに重要です。環境は選び取るもの。周囲から温かい言葉を浴び続けられる場所に身を置きましょう。

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