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『読書する人だけがたどり着ける場所』を読む

今年の10連休は、いつも以上に読書に割く時間を確保することを意識して過ごしています。in-putとout-putのバランスが大事です。今週は目一杯in-putに重点を置き、脳に強い刺激を与え続けたいと思います。その成果として、一発目に取り上げる書籍レビューは、齋藤孝読書する人だけがたどり着いる場所』です。

最近は読書時間も、読了冊数も少なくなりましたが、過去30年以上平均して年間200冊程度の本を読んできました。本を読まない生活は考えられないし、昨今の反知性的な風潮には強く反発する立場です。本を読まないことは人生を何倍も損しているという説を強く信奉しています。

読書スタイルは、濫読です。系統立てて本を選び、一冊一冊の中身を精読し、考察し、自分の教養へと血肉化させてゆく深い読書家ではありません。もともと底の浅い読み手であるという自覚はありましたが、本書を読み終えて、改めて自分の浅さを痛感させられました。

私は、読書感想文を書くとなると、読んだ後に残る余韻を、自分の言葉でうまく、わかりやすく表現することが出来ません。折角得た知識や感動を、自分の教養や人間性へと昇華できていないということです。

著者の齋藤孝氏はとても優れた読書家であり、本書の中で紹介されている本は、さすがだなあと唸るばかりです。私にとっては、
● 作者や題名だけを知っているだけで手に取ったことがなかったり、
● 一度は挑戦したものの最後まで読み通したことがなかったり、
● 何となく読んだ記憶はあるものの、今となっては内容を殆ど覚えておらず、他人に全然説明できなかったり、
といったハードルの高い本ばかりです。

読書好きの端くれとしては、大変興味をそそられるラインアップですが、いつの頃からか、このような定評のある本を避け、もっと平易で、直截的な本ばかり選択して読んでいた気がします。

本の読み方は人それぞれであり、文字を追うことが本の楽しみ方なのであれば、それでもいいのではないかという気もします。そういう肩肘張らない読書も全然ありでしょう。本を読むのが楽しくなくて、ひたすら苦痛になるのであれば、本末転倒になります。

私は本書を読んで、活字を追うだけの浅い読書は少し控え気味にして、
● 関心を持っている分野について深い知識と洞察力を得る、
● 日々の生活に活かせる知性を磨く、
● 集中力を磨いて人間鍛錬をする、
ことに主眼を置いた読書に取り組む時間が必要だと痛感しました。

読んだ本の冊数や費やした時間で、本を読むことの効用を云々しても仕方がありません。時代を超えた名著を、いかに深く、豊かに読んでいくかを意識することが今後の私の課題です。

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