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あの頃好きだった曲⓫:夏の終りのハーモニー

今週の松本は、火曜日から突然寒くなり、部屋着用に慌ててフリースを取り出しました。先週までしぶとくエアコンの冷房を使っていたことを思うと、たったの一週間で隔世の感があります。私を苦しめた夏は、あっけなく終わってしまいました。

ということで、あの頃好きだった曲シリーズの第十一回は、井上陽水・安全地帯『夏の終りのハーモニー』(1986)です。


真夏の夢、あこがれを……

この曲には、かなり強い思い入れがあります。この曲が発売された1986年8月は、高校三年生、高校生活最後の夏でした。一生に残る思い出を作りたいという意志を頭の片隅に残しつつ、遅れ気味の受験勉強も気になり、勉強中心の生活を続けていました。

そんなある夜に、一息つこうとテレビ(このあたりは記憶が曖昧です)を点けて観た、井上陽水と玉置浩二は最高にカッコよかった……

二人が稀代の天才音楽家だということは、当時は全くわかりませんでした。音楽通を気取っていても、人生経験の少ない18歳の小僧には、彼らの音楽的資質を正確に見抜く眼力はありませんでした。

真夏の夢 あこがれを
いつまでも ずっと 忘れずに

作詞:井上陽水、作曲:玉置浩二『夏の終りのハーモニー』

この歌詞には、何度も痺れました。あの時、誓った自分との約束を果たしていない気がします。

夏には恋の思い出がある

今夜は結構飲んでいます。恥ずかしいことを吐露します。

私は妻と巡り合う前、歴代のガール・フレンド(もしくはちょっと気になる異性)とは、決まって夏を越すくらいから関係がギクシャクしはじめ、秋の声を聞く頃には、大抵別れ話になっていました。このパターンは、お家芸になっていたので、毎年この季節(9月)が来ると悶々としていました。9月を何とか乗り切っても、10月を乗り切れないことがわかっていました。

なので、9月20日過ぎからは、まだ素敵な関係が維持されていたことを思い出しながら、『夏の終りのハーモニー』をヘビー・ローテーションで聴いていました。時にクルマの中で…… 時に独身寮の部屋で…… ほろ苦くも、懐かしい思い出です。

井上陽水&玉置浩二

夏には忘れ物がある

夏が終わる頃には、毎年後悔があります。あれもやりたかった、これもやっておけばよかった、と実現しなかったことへの未練が湧き上がってきます。

その感覚を、やさしく包んでくれる名曲だと思います。


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