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ギリ健の働き方、オープンorクローズドどっちがいいの?両方で働いた私がメリット・デメリットをお伝えします

今、あなたは就活or転職活動中ですか?
障害者雇用で働いてるけど、物足りないから一般枠に転職してみようかな?
一般枠で働いてるけど、キツくなってきたし、障害者枠に転職しようかな?

そんな悩みを抱えているあなたの、参考になれば幸いです。

「ギリ健」=ギリギリ健常者に擬態して社会生活を送れなくもない人々
それゆえ、仕事選びの際は選択肢の(中途半端な)広さ、かけ合わせの難しさがありますよね。

「無理すれば出来なくもないこと」が、そこそこあるがゆえに、
無理をしてダメージを負うことが多いんですよね…。
(そして適応できない自分を責める負のスパイラル)

私は発達障害(ASD)がベースにあり、二次障害のうつ病で3級の精神障害者手帳を取得しています。就労移行支援やA型・B型作業所の通所経験はありません。
就職のしやすさは、障害特性、障害の重さ、手帳の有無、実務経験、就業する地域の求人数、エージェントの使用の有無などにより異なるので、あくまでもご参考までに。

働きやすさランキング

30代で転職回数2桁の私が、働きやすいと感じた順番は以下の通り。

  1. 障害者雇用オープン就労(正社員・非正規)

  2. 一般枠派遣
    ①派遣元にはオープン・派遣先にはクローズド就労
    ②派遣元・派遣先ともにクローズド就労

  3. 一般枠クローズド就労(正社員・非正規)

ではそれぞれの、メリット・デメリットをみていきましょう。

1.障害者雇用オープン就労

メリット
当たり前ですが、障害への配慮事項を面接時に伝えた上で採用されるので、就労後に「うわ、ここまでやるの?きっつー」みたいなギャップは少なかったです(最初はね)。

残業や休日出勤は少ないところが多いので、忙しいと体調崩しやすい人にはおすすめ。時短勤務や在宅勤務も選べるとかなり働きやすいと言えます。
(在宅は身体のみに限られる会社もあるので、精神・知的の人は要確認)

職場によっては、休憩スペースがゆったり取られていて、ひとりで静かに休憩できたりするのもよいです(要見学)。

デメリット
事務職の場合、責任の範囲が限られているスポット的な業務が多く、スキルの向上はあまり期待できませんでした。初めてのオフィスワークで実務経験積みたいならいいのでは。

お給料もそれに見合った設定にされている会社が多い印象(月収20万超は要実務経験の専門職がほとんど)。障害年金を受給してなくて、ひとり暮らしなら家賃安くないと厳しいです。4万円台に収めたい。

障害者雇用の契約社員で入社して、正社員登用された人はごく一部でした。
希望者が少ないのか、希望が通らないのか、真偽のほどは分かりませんが、非正規からの正社員登用は狭き門だと思っておいた方がいいでしょう。(社会情勢もある)

障害のある人と一緒に働けるかどうか?
ギリ健の人は、障害のある人と接する機会がなかったかもしれません。
独特のこだわりや、コミュニケーションスタイルがある人もいらっしゃるので、自分が配慮してもらう一方で、周りの方への配慮も当然求められます。

入社後に人数が増えて、自分より障害が重めの人の割合が多くなった場合、相対的に障害の程度が軽めの人の負荷が重くなりやすいです。
特に真面目な人は、責任感から周りの人をカバーしちゃいますよね。

けっこうきつめの役回りなのにお金的には微妙、な状況だったり。
しかし、上司が業務の詳細を把握してないと、きつさが伝わりにくい。
ここは正直、上司との関係性によります。
適切に調整してもらえる職場なら、あまり問題にはならないでしょう。

特例子会社なら社名で障害者雇用だったことがバレる
後に、クローズドで一般枠への転職を考えている人にとっては、引っかかる部分ですね。気になるなら、特例子会社以外の障害者枠を狙うのがおすすめです。

2.一般枠派遣

メリット
求人数が多い
派遣会社に登録しておけば、エントリーも気軽にできますし、正社員よりは採用までのハードルは低めです。大量採用している職場もあるので、群れに紛れながら目立たず働くとか、ブランクからの復帰の踏み台にするのもよいでしょう(私もしました)。

給与が高め
首都圏で事務系だと、時給1400円越えも多いです。契約社員やパート・アルバイトぐらいシフトの自由度がありながら、比較的時給高めの仕事もあるのが特徴。正社員の責任の重さや、残業代込みの月給なんかと比べると、お得感があります。

辞めやすい
働く前から辞める話⁉と思われそうですが、「もう限界を来しているのだが、辞めたいと言えずに重度のうつになった」経験のある方なら、辞めやすさも重要。契約更新のタイミングで、更新なしにすればいいです。

デメリット
不安定
更新あり、長期歓迎の仕事であっても、無期雇用に比べると安定性は低いです。以前、内定出たけど就業直前に「仕事自体がなくなった」と断られたことがありました。
長く勤めて信用を得られれば、派遣会社の正社員として雇用されて無期雇用になれる場合もあります。

さらに、ここから派遣先・派遣元へのオープン・クローズドで分けて書いていきます。

①派遣元にはオープン・派遣先にはクローズド就労

これは、かなり特殊なパターンかもしれませんが、1度だけやったことがあります。
障害者手帳を取得後、障害者枠で就活したもの、内定出ずに派遣で働いた1発目でした。派遣会社に黙っとくのも悪い気がして、面接時にカミングアウトしました。

メリット
たまたま良心的な派遣元担当に当たったのか、採用後に障害について詳細を話す機会をいただけました。
業務内容自体がルーティン業務だったので、特にトラブルなくその派遣先では勤めることができました。

デメリット
面接で落とされるリスクが上がります。採用人数の少ない、倍率の高い仕事に絶対受かりたい!と思うならおすすめはしません。
明らかに業務に支障が出る障害の場合を除いて、開示義務はないので、落ちてもいいからダメ元で言ってみるぐらいに捉えといてください。

②派遣元・派遣先ともにクローズド就労

メリット
オープンにするよりは、採用されやすいです。特に配慮を求めない、短期間で割り切って働くのであればクローズドでもよいでしょう。

デメリット
業務内容・責任の範囲が不明確だと、入ってから後悔することも
採用ハードルの低さの半面、派遣元が具体的に業務内容を把握していなかったり、お顔合わせで派遣先から業務の詳細まで聞き出せないリスクがあります。
実は求人票や雇用契約書に載ってない部分で、障害特性上すごく無理があることも。「それ先に言ってくれたら選考辞退したのに…」って思う重要なことが就業後に分かって派遣元に相談しても、我慢するだけになったりします。

入ってしまえば適応せよorできない奴は辞めざるを得ないのが現実。
こっちもクローズドで入ってるので障害を理由に交渉はしませんでした。
短期離職で雇用保険の加入履歴残ると、次の転職で不利になります。
(おかげで無職なう。エージェント1社からお祈りが来てしまった。)

3.一般枠クローズド就労

メリット
求人数が多く、選べる職種も豊富です。
新卒切符使って意地でも正社員になりたいならこの働き方がベターでしょう。契約社員で入って、正社員を目指すにしても、障害者雇用よりは上がりやすいのでは。
給与は全体的に障害者雇用の同職種より高めです。入った後の給与およびスキルの伸びしろがあると言えます。

デメリット
シビアに会社や業務への適性を見極めないと詰みます。
当然責任も重いですし、とりあえず入ったら心臓を捧げよ的な忠誠心を求められたりするので、個人的にはおすすめしません。

あと、中途採用は30代以降実務経験重視になってくるので、ノンスキル、マネジメント経験なしだと厳しいです。
さらに短期離職が多いと、精神障害を隠す難易度が跳ね上がるので、書類選考を突破するのが無理ゲーになってきます。

絶対この会社、この部署、この職種でやっていきたいです!そのためなら障害・病気もコントロールして欠勤、遅刻、早退しません!残業上等!業務時間外も勉強は怠りません!と誓えるならいいです。会社はその前提であなたを見ています。
メンタル弱いとか、体弱いとか、8時間労働後は疲労で意識飛びそうとか後出しで通じないと思ってください。
「普通に働ける人」とはそういうことです。はい。

最終的には社風・職種・人間関係による

長々と書いてきましたが、個人的には30代で転職回数2桁に登ってしまったら、「障害者枠オープンかつ非正規雇用」が、無理しすぎないための現実的な選択肢と思っています。

地方住みで、それじゃ求人数少ないよ!って人はパートやアルバイトで負荷の少ない仕事と副業を組み合わせるなど、必ずしも正社員やフルタイム就労がゴールではない、と頭の片隅に入れておいてほしいです。

そして、社風・職種・人間関係の組み合わせによる部分が大きいのも事実です。どれかが致命的に合わないと、障害者雇用でもキツくなってしまいます。全部完璧じゃなくていいから、致命的に合わない部分がないのが理想。

社風に合わないのか?
組織に属すること自体が苦手なのか?
職種への適性と障害特性は矛盾しないか?
障害があるから居づらいのか?
人間関係がうまくいかないから仕事ができないのか?
仕事ができないから人間関係がうまくいかないのか?

やだちょっと転職回数多すぎ…。と思ったら、今一度働き方を見直すチャンスです。どこかで無理を重ねてきた結果なので。

障害者雇用か、一般枠かは、あまりガチガチに考えない方がよいかもです。
一般枠しか求人出てないなら、ダメ元で受けてみて、選考中に「むり」となったら辞退するのもアリですし。オープンにして突撃するのも場合によってはアリです。

みなさんの転職活動が、後悔のないものになりますように。

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