兄の発病

少し時を遡るが、私達三兄弟が再会したのは私が高校2年の夏。
長崎市内の大学に通う次男とはそれからちょくちょく映画を観に行ったりご飯を食べに行ったりと、何度か会っていた。

高校2年の冬のことだった。
次男に、「おばあちゃんに会って欲しい」と言われた。おばあちゃんとは、つまり父方の祖母だ。私に会いたがっているという。

私は当時17歳。父親ともまだ当然再会していない。
年頃だった私は、母を苦労させた父や祖母に対して嫌悪感でいっぱいで、祖母に会うなんてそんな余裕は全くなかった。

私は次男に、まだ自分はおばあちゃんに会えるほど大人になりきれていないからまたの機会でもいいかたずねた。

次男からの連絡はそれきり、途絶えてしまった。
私が悪かったのだと思い、謝ろうとしたが一切電話に出ずメールへの返信もなかった。

それからしばらくして、彼は入院を経て統合失調症と付き合っていくことになる。

彼の発症もやはり生い立ちにあった。

次へ続く→

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